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僕らの青春に明日はない (17)
2010.03.20 Sat
「……、サイズ測るだけなら、今日でもいいよ」
本当は帰るつもりだったけれど、明日になったところで、やることは同じだ。だったら、嫌なことはさっさと済ませてしまったほうがいい。
いいよね? と祐介に視線で窺えば、コクリと頷かれたので、和衣はそう申し出た。
『カズちゃん、今どこいるの? まだ学校いる? サイズ測るだけなら、どこでもいいよね? カフェテリアとか…』
「カフェはダメ!」
『え、何で?』
「何でもダメ! 他のとこがいい」
だってきっと、カフェテリアにはまだ真大たちがいる。
あれだけ対抗心を燃やしているのだ。和衣たちまで同じ場所でそんなことを始めたら、火に油を注ぐことになりかねない。
『じゃあさ、ウチら今、302教室にいるのね。そこ来てもらってもいい?』
「分かった」
『待ってるねー』
用件を伝えた電話は切れて、和衣はそれを祐介に返した。
「ゴメン、やっぱ今日行ってくるね。愛菜ちゃんたち、そんなに怒ってなかった」
「俺も行くよ」
「え? あ、うん……うん」
なんちゃって制服を、あれこれ着せられている姿を祐介に見られるのは気が引けるが、今日はまだ女の子の格好をするわけではないから、付いて来てもらってもいいかな、と戸惑いながらも和衣は祐介と一緒に、指定された教室に向かった。
「カズちゃん、遅ーい!」
「ゴ、ゴメン! ――――て、むっちゃん!」
教室のドアを開けた途端に言われ、てっきり愛菜か眞織かと思ったのに、文句を言ったのは眠そうな顔をしている睦月だった。
先ほど授業を受けた200以上も席のある大きな教室と違って、こちらは30人も入るかどうかの小さな教室で、睦月は机に突っ伏していて、亮はその隣で携帯電話を構っているし、愛菜と眞織は雑誌を何冊も広げていた。
「むっちゃんねぇ、カズちゃん来なーい、何してんのー! て、ウチらより怒ってたよ。はい、むっちゃん、チョコ上げるー」
「あー…む」
逃げ出してしまった和衣を探して待つのに、なぜか付き合わされてしまった睦月は、いつまで経っても戻って来ない和衣に待ちくたびれてしまったらしい。
その間、愛菜と眞織に相当構われていたらしく、呼び方もいつの間にか『むっちゃん』になっている。
眞織に一口チョコを口の中に入れてもらった睦月は、口をモグモグさせているが、よく見れば机の上にはチョコやお菓子の包み紙が散らばっていて、随分と餌付けされていたようだ。
「むっちゃん、ゴメンね?」
「…別に。早くウエストでもヒップでも、好きなだけ測られちゃいなよー」
「すっ…好きなだけなんて、測らせないもんっ」
今まで服を買うのに、まともに採寸などされたことがないので、一体どういうふうにするのかは知らないが、ヒップなんて測る必要があるのかと思わずにはいられない。
「じゃ、カズちゃん、上脱いで!」
「……は?」
シャキーン! と早速メジャーを取り出した愛菜が、和衣にズイと詰め寄った。
本当は帰るつもりだったけれど、明日になったところで、やることは同じだ。だったら、嫌なことはさっさと済ませてしまったほうがいい。
いいよね? と祐介に視線で窺えば、コクリと頷かれたので、和衣はそう申し出た。
『カズちゃん、今どこいるの? まだ学校いる? サイズ測るだけなら、どこでもいいよね? カフェテリアとか…』
「カフェはダメ!」
『え、何で?』
「何でもダメ! 他のとこがいい」
だってきっと、カフェテリアにはまだ真大たちがいる。
あれだけ対抗心を燃やしているのだ。和衣たちまで同じ場所でそんなことを始めたら、火に油を注ぐことになりかねない。
『じゃあさ、ウチら今、302教室にいるのね。そこ来てもらってもいい?』
「分かった」
『待ってるねー』
用件を伝えた電話は切れて、和衣はそれを祐介に返した。
「ゴメン、やっぱ今日行ってくるね。愛菜ちゃんたち、そんなに怒ってなかった」
「俺も行くよ」
「え? あ、うん……うん」
なんちゃって制服を、あれこれ着せられている姿を祐介に見られるのは気が引けるが、今日はまだ女の子の格好をするわけではないから、付いて来てもらってもいいかな、と戸惑いながらも和衣は祐介と一緒に、指定された教室に向かった。
「カズちゃん、遅ーい!」
「ゴ、ゴメン! ――――て、むっちゃん!」
教室のドアを開けた途端に言われ、てっきり愛菜か眞織かと思ったのに、文句を言ったのは眠そうな顔をしている睦月だった。
先ほど授業を受けた200以上も席のある大きな教室と違って、こちらは30人も入るかどうかの小さな教室で、睦月は机に突っ伏していて、亮はその隣で携帯電話を構っているし、愛菜と眞織は雑誌を何冊も広げていた。
「むっちゃんねぇ、カズちゃん来なーい、何してんのー! て、ウチらより怒ってたよ。はい、むっちゃん、チョコ上げるー」
「あー…む」
逃げ出してしまった和衣を探して待つのに、なぜか付き合わされてしまった睦月は、いつまで経っても戻って来ない和衣に待ちくたびれてしまったらしい。
その間、愛菜と眞織に相当構われていたらしく、呼び方もいつの間にか『むっちゃん』になっている。
眞織に一口チョコを口の中に入れてもらった睦月は、口をモグモグさせているが、よく見れば机の上にはチョコやお菓子の包み紙が散らばっていて、随分と餌付けされていたようだ。
「むっちゃん、ゴメンね?」
「…別に。早くウエストでもヒップでも、好きなだけ測られちゃいなよー」
「すっ…好きなだけなんて、測らせないもんっ」
今まで服を買うのに、まともに採寸などされたことがないので、一体どういうふうにするのかは知らないが、ヒップなんて測る必要があるのかと思わずにはいられない。
「じゃ、カズちゃん、上脱いで!」
「……は?」
シャキーン! と早速メジャーを取り出した愛菜が、和衣にズイと詰め寄った。
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カテゴリー:Baby Baby Baby Love
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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COMMENT-FORM
如月久美子 ⇒ >拍手コメ→sさん
こんばんは。
カズちゃん、身も心も(!?)乙女なんですが、根っこには日本男児みたいな古風な部分があるので、やっぱり女装なんて…! となってしまいます。
でもその嫌がる姿もかわいいもんだから、手に負えません(笑)
強敵、真大タンに勝てるか!?
その前に、愛菜ちゃんたちに立ち向かえるか!?
カズちゃんを応援してあげてください(*^_^*)
拍手&コメントありがとうございました!
カズちゃん、身も心も(!?)乙女なんですが、根っこには日本男児みたいな古風な部分があるので、やっぱり女装なんて…! となってしまいます。
でもその嫌がる姿もかわいいもんだから、手に負えません(笑)
強敵、真大タンに勝てるか!?
その前に、愛菜ちゃんたちに立ち向かえるか!?
カズちゃんを応援してあげてください(*^_^*)
拍手&コメントありがとうございました!