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僕らの青春に明日はない (10)
2010.03.10 Wed
睦月の部屋のドアを、返事を待たずに開けるとロクなことがないのは学習済みなので、祐介はノックの後にしばらく待っていたのだが、妙にバタバタしている中の様子が気になってドアを開けてみれば、この有様。
「むっちゃん、おっこっちゃった」
「はぁ?」
確かに和衣の言うとおり、睦月は変な格好で床に転がっていて、ひどく不機嫌そうな顔で祐介を睨んでいた。
「何してんの、お前」
事情を知らない祐介は呆れながらも、相変わらずのお兄ちゃん気質というか、保護者本能で、睦月の腕を引いて立たせてやった。
「全部お前のせいだっ」
「いたっ、何だよ、何もしてねぇだろ」
なのに睦月は苛立ちに任せて、せっかく起してくれた祐介のお腹に、パンチをくれてやった。
「つーか、何だよ、何の用だよ」
「何って…」
睦月の苛立った睨みをかわしつつ、祐介は視線を和衣に向ける。
その視線の意味を、苛付いていた睦月ですら気付いたのに、当の和衣は、祐介と睦月が仲良くしててつまんなーい! てちょっとふて腐れていたので、急にこちらを見られてビックリしたのと照れたので、何も考えられないでいた。
「…………。ふーん」
「むっちゃん?」
「ショウちゃんとこ行って、ごはん食べて来よー」
今日ようやく2人きりになれそうな恋人たちに気を遣ったのか、もう和衣のお守をするのが面倒くさくなったのか、睦月は白々しくそう言って、部屋を出ていった。
「えと、あの…今日はゴメンね、和衣」
「え、何が?」
睦月が出て行くのを見届けた後、祐介は睦月のベッドに腰を下ろすと、いまだ膝立ち状態だった和衣を隣りに座らせた。
「いや…何か全然フォローできなかったから…」
「…うん、確かに誰も、何もフォローしてくんなかった」
みんなから、すごく温かな目線で見守られているだけだった。
まぁ、あの状況で、何かをどうにか出来るヤツはいないとだろうし、さっきまで散々睦月に八つ当たりしたから、今さら祐介に何か言うつもりはないけれど、和衣はちょっと拗ねたふりで唇を尖らせた。
「ゴメン、和衣、あのホント…」
「んふふ、もーいいよ。さっき散々むっちゃんに文句言ったから」
後で睦月には、ちゃんとゴメンナサイをしておこう。
「コンテストはさー……一応、出ることにしたから」
「そうなの?」
「…うん。だって愛菜ちゃんたちに断れないし、だったらがんばろうかな、て」
「そっか」
がんばって優勝して、旅行券を……と言おうとして、でもそれって祐介を旅行に誘うことになるのかな、いきなり大胆すぎるかも…と、一瞬でいろんなことを考えて、和衣は口を噤んだ。
「むっちゃん、おっこっちゃった」
「はぁ?」
確かに和衣の言うとおり、睦月は変な格好で床に転がっていて、ひどく不機嫌そうな顔で祐介を睨んでいた。
「何してんの、お前」
事情を知らない祐介は呆れながらも、相変わらずのお兄ちゃん気質というか、保護者本能で、睦月の腕を引いて立たせてやった。
「全部お前のせいだっ」
「いたっ、何だよ、何もしてねぇだろ」
なのに睦月は苛立ちに任せて、せっかく起してくれた祐介のお腹に、パンチをくれてやった。
「つーか、何だよ、何の用だよ」
「何って…」
睦月の苛立った睨みをかわしつつ、祐介は視線を和衣に向ける。
その視線の意味を、苛付いていた睦月ですら気付いたのに、当の和衣は、祐介と睦月が仲良くしててつまんなーい! てちょっとふて腐れていたので、急にこちらを見られてビックリしたのと照れたので、何も考えられないでいた。
「…………。ふーん」
「むっちゃん?」
「ショウちゃんとこ行って、ごはん食べて来よー」
今日ようやく2人きりになれそうな恋人たちに気を遣ったのか、もう和衣のお守をするのが面倒くさくなったのか、睦月は白々しくそう言って、部屋を出ていった。
「えと、あの…今日はゴメンね、和衣」
「え、何が?」
睦月が出て行くのを見届けた後、祐介は睦月のベッドに腰を下ろすと、いまだ膝立ち状態だった和衣を隣りに座らせた。
「いや…何か全然フォローできなかったから…」
「…うん、確かに誰も、何もフォローしてくんなかった」
みんなから、すごく温かな目線で見守られているだけだった。
まぁ、あの状況で、何かをどうにか出来るヤツはいないとだろうし、さっきまで散々睦月に八つ当たりしたから、今さら祐介に何か言うつもりはないけれど、和衣はちょっと拗ねたふりで唇を尖らせた。
「ゴメン、和衣、あのホント…」
「んふふ、もーいいよ。さっき散々むっちゃんに文句言ったから」
後で睦月には、ちゃんとゴメンナサイをしておこう。
「コンテストはさー……一応、出ることにしたから」
「そうなの?」
「…うん。だって愛菜ちゃんたちに断れないし、だったらがんばろうかな、て」
「そっか」
がんばって優勝して、旅行券を……と言おうとして、でもそれって祐介を旅行に誘うことになるのかな、いきなり大胆すぎるかも…と、一瞬でいろんなことを考えて、和衣は口を噤んだ。
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りり ⇒
そっか! 旅行券の話をしたら、ゆっちさんと旅行に行こうって言ってることになるんだ(/ー\*) イヤン♪
もう二人結ばれてますし、そんな恥じらうこともないんでしょうが、属性乙女のカズちゃんだからだーっといろいろ考えちゃうんですね。
ゆっちの反応が楽しみ(ΦωΦ)ふふふ・・・・メンバーの中で一番良識的で「真っ当」な感じのゆっちさんが、いじらいいけど一生懸命すぎて何かと振り切っちゃうカズちゃんに翻弄されているのが、妙にツボにはまります。
もう二人結ばれてますし、そんな恥じらうこともないんでしょうが、属性乙女のカズちゃんだからだーっといろいろ考えちゃうんですね。
ゆっちの反応が楽しみ(ΦωΦ)ふふふ・・・・メンバーの中で一番良識的で「真っ当」な感じのゆっちさんが、いじらいいけど一生懸命すぎて何かと振り切っちゃうカズちゃんに翻弄されているのが、妙にツボにはまります。
如月久美子 ⇒ >りりさん
> そっか! 旅行券の話をしたら、ゆっちさんと旅行に行こうって言ってることになるんだ(/ー\*) イヤン♪
> もう二人結ばれてますし、そんな恥じらうこともないんでしょうが、属性乙女のカズちゃんだからだーっといろいろ考えちゃうんですね。
ゆっちさんと旅行に行くために、がんばって旅行券を目指すんですが、それを面と向かっては伝えられないカズちゃん…。
やっぱ好きな人と一緒に行く旅行は、違いますからね~。
でもいつか、旅行に行ってほしいんですが(そうなったら、カズちゃん大変そう…。ドキドキしすぎて寝れないかも…(笑)
> ゆっちの反応が楽しみ(ΦωΦ)ふふふ・・・・メンバーの中で一番良識的で「真っ当」な感じのゆっちさんが、いじらいいけど一生懸命すぎて何かと振り切っちゃうカズちゃんに翻弄されているのが、妙にツボにはまります。
ゆっちさんはゆっちさんで、どんな反応したらいいのか、非常に戸惑っているご様子。
しかも女の子の強さにビックリしていて、いつものように気の利いたことも出来ません(笑)
コメントありがとうございました!
てか、これ!!⇒ (ΦωΦ)ふふふ・・・・かわいすぎです~~~~!!!
> もう二人結ばれてますし、そんな恥じらうこともないんでしょうが、属性乙女のカズちゃんだからだーっといろいろ考えちゃうんですね。
ゆっちさんと旅行に行くために、がんばって旅行券を目指すんですが、それを面と向かっては伝えられないカズちゃん…。
やっぱ好きな人と一緒に行く旅行は、違いますからね~。
でもいつか、旅行に行ってほしいんですが(そうなったら、カズちゃん大変そう…。ドキドキしすぎて寝れないかも…(笑)
> ゆっちの反応が楽しみ(ΦωΦ)ふふふ・・・・メンバーの中で一番良識的で「真っ当」な感じのゆっちさんが、いじらいいけど一生懸命すぎて何かと振り切っちゃうカズちゃんに翻弄されているのが、妙にツボにはまります。
ゆっちさんはゆっちさんで、どんな反応したらいいのか、非常に戸惑っているご様子。
しかも女の子の強さにビックリしていて、いつものように気の利いたことも出来ません(笑)
コメントありがとうございました!
てか、これ!!⇒ (ΦωΦ)ふふふ・・・・かわいすぎです~~~~!!!