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僕らの青春に明日はない (9)
2010.03.09 Tue
もちろん、学校で愛菜たちに断る口実で言ったとおり、優勝か少なくとも3位までにならなければ、旅行券も手に入らないけれど、まず出場しないことには始まらない。
当たらないとは思いつつ、買わなければ当たらない宝くじと一緒だ。
女装コンテストになんか参加しない! と愛菜たちに断れない以上、現金かもしれないが、旅行券目当てにがんばるしかない。
だいたい、愛菜たちが和衣を誘ってきたのも、旅行券が欲しいからだし、きっと他の参加者の目的だって、同じに違いない。
ならば、和衣だけが1人で悩んでいるなんて、ちょっとバカバカしい。
「そうだよ。あんま深く考えることないって」
ようやく浮上してきた和衣に、睦月は無責任な慰めの言葉を掛ける。
参加することになった以上、嫌々出るより、少しでも乗り気になったほうがいいだろう。
「うー、にゃー」
「何カズちゃん、猫みたい」
「俺、出来るかなー?」
「大丈夫、大丈夫」
そう言いながら睦月は、うにゃうにゃしている和衣に、額をコツンと合わせる。
「むっちゃん、顔近い…」
こんな距離、祐介とキスするときくらいしかない。
でもこうやって見ると、睦月のほうが目も大きくてパッチリしているし、顔立ちも整っていると思う。
それなのに、どうして和衣? と、そんな疑問が再び和衣の頭に浮かんでしまう。
「カズちゃんのほうが、女の子受けする顔なんじゃない?」
「ぅん?」
「女の子がかわいー、て思うのは、俺らが思うのとまた違うじゃん? まぁ、カズちゃんの感覚は知らないけど。でも、うん。カズちゃん、かわいい、かわいい」
「やっ、むっちゃん、擽ったいー」
猫をじゃらすみたいに、睦月が首元に指を這わすから、擽ったくて和衣は肩を竦めて身を捩った。
「むっちゃんっ!」
「ぎゃっ、ちょっ、カズちゃん!」
反撃とばかりに、今度は和衣が睦月を擽り出す。
広くもない部屋に備え付けられているシングルサイズのベッド。
睦月の逃げ場なんて限られていて、ベッドの下に落っこちないよう、変な格好で体を反らせている。
「ちょっ、ヤダ、カズ…」
『睦月ー、いるー?』
「、ッ!? あっ…ぎゃあっ!!」
和衣の手から逃げようと、ギリギリまでベッドの端に来ていた睦月は、突然のノックの音と、ドアの向こうからの祐介の声に、一瞬だけ気を取られた瞬間、バランスを崩して、そのまま床に転がり落ちてしまった。
「痛ぇ…」
「むっちゃん、大丈夫ー?」
「カズちゃんのバカ!」
「ゴメンゴメン」
転落を免れた和衣は、ベッドの上からのん気そうな声で睦月に声を掛けた。
「……何してんの?」
痛いー、て睦月がひじをさすっていたら、中の騒動を不審に思った祐介が何事かとドアを開けた。
当たらないとは思いつつ、買わなければ当たらない宝くじと一緒だ。
女装コンテストになんか参加しない! と愛菜たちに断れない以上、現金かもしれないが、旅行券目当てにがんばるしかない。
だいたい、愛菜たちが和衣を誘ってきたのも、旅行券が欲しいからだし、きっと他の参加者の目的だって、同じに違いない。
ならば、和衣だけが1人で悩んでいるなんて、ちょっとバカバカしい。
「そうだよ。あんま深く考えることないって」
ようやく浮上してきた和衣に、睦月は無責任な慰めの言葉を掛ける。
参加することになった以上、嫌々出るより、少しでも乗り気になったほうがいいだろう。
「うー、にゃー」
「何カズちゃん、猫みたい」
「俺、出来るかなー?」
「大丈夫、大丈夫」
そう言いながら睦月は、うにゃうにゃしている和衣に、額をコツンと合わせる。
「むっちゃん、顔近い…」
こんな距離、祐介とキスするときくらいしかない。
でもこうやって見ると、睦月のほうが目も大きくてパッチリしているし、顔立ちも整っていると思う。
それなのに、どうして和衣? と、そんな疑問が再び和衣の頭に浮かんでしまう。
「カズちゃんのほうが、女の子受けする顔なんじゃない?」
「ぅん?」
「女の子がかわいー、て思うのは、俺らが思うのとまた違うじゃん? まぁ、カズちゃんの感覚は知らないけど。でも、うん。カズちゃん、かわいい、かわいい」
「やっ、むっちゃん、擽ったいー」
猫をじゃらすみたいに、睦月が首元に指を這わすから、擽ったくて和衣は肩を竦めて身を捩った。
「むっちゃんっ!」
「ぎゃっ、ちょっ、カズちゃん!」
反撃とばかりに、今度は和衣が睦月を擽り出す。
広くもない部屋に備え付けられているシングルサイズのベッド。
睦月の逃げ場なんて限られていて、ベッドの下に落っこちないよう、変な格好で体を反らせている。
「ちょっ、ヤダ、カズ…」
『睦月ー、いるー?』
「、ッ!? あっ…ぎゃあっ!!」
和衣の手から逃げようと、ギリギリまでベッドの端に来ていた睦月は、突然のノックの音と、ドアの向こうからの祐介の声に、一瞬だけ気を取られた瞬間、バランスを崩して、そのまま床に転がり落ちてしまった。
「痛ぇ…」
「むっちゃん、大丈夫ー?」
「カズちゃんのバカ!」
「ゴメンゴメン」
転落を免れた和衣は、ベッドの上からのん気そうな声で睦月に声を掛けた。
「……何してんの?」
痛いー、て睦月がひじをさすっていたら、中の騒動を不審に思った祐介が何事かとドアを開けた。
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りり ⇒
くすぐりっことか……もうー! もうもうもうーー!!(牛になってまう
可 愛 す ぎ ま す!!!!
むっちゃんは造形的に可愛いけど、カズちゃんは存在そのものが頭のてっぺんから爪先まで可愛いですからね。
女の子達は見るとこ見てるんですね。
いや絶対可愛い気がするカズちゃんの女装!
カズちゃんには悪いけど楽しみーー。
ゆっち、女装コンテスト出るよって聞いたら何ていうのかな(*´∀`)クスクス
可 愛 す ぎ ま す!!!!
むっちゃんは造形的に可愛いけど、カズちゃんは存在そのものが頭のてっぺんから爪先まで可愛いですからね。
女の子達は見るとこ見てるんですね。
いや絶対可愛い気がするカズちゃんの女装!
カズちゃんには悪いけど楽しみーー。
ゆっち、女装コンテスト出るよって聞いたら何ていうのかな(*´∀`)クスクス
如月久美子 ⇒ Re: タイトルなし
> くすぐりっことか……もうー! もうもうもうーー!!(牛になってまう
> 可 愛 す ぎ ま す!!!!
もう…女子2人ですよね。
ちっちゃいベッドの上で、何擽り合ってんでしょう、この子たち(笑)
> むっちゃんは造形的に可愛いけど、カズちゃんは存在そのものが頭のてっぺんから爪先まで可愛いですからね。
> 女の子達は見るとこ見てるんですね。
むっちゃんは、女の子に間違われるのは大嫌いだし、気は短いし、乙女には程遠い感じですが、カズちゃんはホント乙女。
愛菜ちゃんたち、よく見てます。
> いや絶対可愛い気がするカズちゃんの女装!
> カズちゃんには悪いけど楽しみーー。
> ゆっち、女装コンテスト出るよって聞いたら何ていうのかな(*´∀`)クスクス
カズちゃん、まだイヤイヤしてますが、何とか乗り気になるのかですが、ゆっちさんもカズちゃんの女装を見て、一体どんな声を掛けてあげるのか…。
ゆっちさん、間違ってもノリで女装を見たいなんて言える人じゃないんで…(笑)
ホント、カズちゃんには悪いけど、楽しみですよね(*^_^*)
コメントありがとうございました!
> 可 愛 す ぎ ま す!!!!
もう…女子2人ですよね。
ちっちゃいベッドの上で、何擽り合ってんでしょう、この子たち(笑)
> むっちゃんは造形的に可愛いけど、カズちゃんは存在そのものが頭のてっぺんから爪先まで可愛いですからね。
> 女の子達は見るとこ見てるんですね。
むっちゃんは、女の子に間違われるのは大嫌いだし、気は短いし、乙女には程遠い感じですが、カズちゃんはホント乙女。
愛菜ちゃんたち、よく見てます。
> いや絶対可愛い気がするカズちゃんの女装!
> カズちゃんには悪いけど楽しみーー。
> ゆっち、女装コンテスト出るよって聞いたら何ていうのかな(*´∀`)クスクス
カズちゃん、まだイヤイヤしてますが、何とか乗り気になるのかですが、ゆっちさんもカズちゃんの女装を見て、一体どんな声を掛けてあげるのか…。
ゆっちさん、間違ってもノリで女装を見たいなんて言える人じゃないんで…(笑)
ホント、カズちゃんには悪いけど、楽しみですよね(*^_^*)
コメントありがとうございました!