スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
僕らの青春に明日はない (8)
2010.03.08 Mon
「しょうがないじゃん、カズちゃん、かわいいんだし」
「かわいくないってば! 大体むっちゃんだって、かわいいて言われたら怒るくせに!」
「じゃあカズちゃんだって、怒ればよかったのに」
「女の子に怒れるわけないじゃん!」
もちろん、相手がとっても悪いことをしていれば、女の子にだって本気で怒るだろうけど、"かわいいて言ったから"なんて理由では、単に器の小さい男のような気もする。
睦月も、見る人が見ればハッキリ分かるくらい機嫌を損ねていたが、女の子に怒ることはしなくて、冷静に切り返していたし。
「俺、むっちゃんみたいに出来ない…」
バフッ…とベッドに倒れ込み、和衣は大きな溜め息をついた。
助けてくれなかった睦月に散々恨み言は言ったけれど、結局のところ、この事態を解決できなかったのは自分の性格のせいだ。
睦月みたいに、もっとぽんぽん言葉が出てくればいいのに。
「カズちゃん、そんなに落ち込まないでよ」
ベッドの上で丸くなった和衣が、とうとういじけてしまったと思ったのか、睦月は和衣のいるほうのベッドに移って、その隣に寝転んだ。
「…別に落ち込んでない」
「でも、いじけてんじゃん」
「いじけてな……ちょっ、むっちゃん!」
枕をむぎゅーと抱き締めて顔を伏せていた和衣の頭を、よしよしすると言うには強すぎる力で、睦月はグリグリと撫で回した。
「やっ、むっちゃん、やだぁ~」
「恥ずかしいってったって、一瞬じゃん。コンテストなんて1時間かそこらでしょ?」
「1時間は一瞬じゃないー」
「でも一生のうちでは一瞬じゃね?」
「…………。ん、まぁ、そっか…」
「…」
睦月に撫でられたせいで、後ろ頭の髪の毛グチャグチャの和衣は、ハッキリ言って何の説得力の欠けらもない睦月の言葉に、確かにそうかも…とか思い始める。
けれど、言っておいて睦月も、カズちゃん、ここまで単純で大丈夫かな、と感じずにはいられない。まぁ、これで気を取り直してくれれば、それに越したことはないけれど。
「カズちゃん、どうする? 今から愛菜ちゃんたちんとこ行ってくる? それとも、覚悟決めてコンテスト出る?」
「うー…………出る…」
絞り出すような声で、やっとそう言って、和衣はパタリとベッドに潰れ伏せた。
「よしよし、カズちゃん、いーこいーこ」
「あぅー、あーうー」
「だーいじょうぶ。女装したくらいじゃ死なないから」
睦月にあやすように頭を撫でられて(今度は優しく)、和衣は変な声を上げながら、プールのバタ足みたいに足をバタバタさせる。
隣に寝そべっている睦月は、伏せている和衣の肩を抱き寄せて、ちっちゃな子どもでも相手にするように顔を覗き込んだ。
「いいじゃん、マジで優勝狙ってさ、旅行券貰っちゃえば、ゆっちと旅行行けるよ~」
「……」
耳元で唆す睦月の声が、けれど和衣には、悪魔でなく、天使の囁きに聞こえた。
祐介と、旅行…。
これまでにお出掛けならよく行っているけれど、旅行と呼べるような遠出はしたことがない。
これをきっかけに、祐介と旅行に行けたら。
「かわいくないってば! 大体むっちゃんだって、かわいいて言われたら怒るくせに!」
「じゃあカズちゃんだって、怒ればよかったのに」
「女の子に怒れるわけないじゃん!」
もちろん、相手がとっても悪いことをしていれば、女の子にだって本気で怒るだろうけど、"かわいいて言ったから"なんて理由では、単に器の小さい男のような気もする。
睦月も、見る人が見ればハッキリ分かるくらい機嫌を損ねていたが、女の子に怒ることはしなくて、冷静に切り返していたし。
「俺、むっちゃんみたいに出来ない…」
バフッ…とベッドに倒れ込み、和衣は大きな溜め息をついた。
助けてくれなかった睦月に散々恨み言は言ったけれど、結局のところ、この事態を解決できなかったのは自分の性格のせいだ。
睦月みたいに、もっとぽんぽん言葉が出てくればいいのに。
「カズちゃん、そんなに落ち込まないでよ」
ベッドの上で丸くなった和衣が、とうとういじけてしまったと思ったのか、睦月は和衣のいるほうのベッドに移って、その隣に寝転んだ。
「…別に落ち込んでない」
「でも、いじけてんじゃん」
「いじけてな……ちょっ、むっちゃん!」
枕をむぎゅーと抱き締めて顔を伏せていた和衣の頭を、よしよしすると言うには強すぎる力で、睦月はグリグリと撫で回した。
「やっ、むっちゃん、やだぁ~」
「恥ずかしいってったって、一瞬じゃん。コンテストなんて1時間かそこらでしょ?」
「1時間は一瞬じゃないー」
「でも一生のうちでは一瞬じゃね?」
「…………。ん、まぁ、そっか…」
「…」
睦月に撫でられたせいで、後ろ頭の髪の毛グチャグチャの和衣は、ハッキリ言って何の説得力の欠けらもない睦月の言葉に、確かにそうかも…とか思い始める。
けれど、言っておいて睦月も、カズちゃん、ここまで単純で大丈夫かな、と感じずにはいられない。まぁ、これで気を取り直してくれれば、それに越したことはないけれど。
「カズちゃん、どうする? 今から愛菜ちゃんたちんとこ行ってくる? それとも、覚悟決めてコンテスト出る?」
「うー…………出る…」
絞り出すような声で、やっとそう言って、和衣はパタリとベッドに潰れ伏せた。
「よしよし、カズちゃん、いーこいーこ」
「あぅー、あーうー」
「だーいじょうぶ。女装したくらいじゃ死なないから」
睦月にあやすように頭を撫でられて(今度は優しく)、和衣は変な声を上げながら、プールのバタ足みたいに足をバタバタさせる。
隣に寝そべっている睦月は、伏せている和衣の肩を抱き寄せて、ちっちゃな子どもでも相手にするように顔を覗き込んだ。
「いいじゃん、マジで優勝狙ってさ、旅行券貰っちゃえば、ゆっちと旅行行けるよ~」
「……」
耳元で唆す睦月の声が、けれど和衣には、悪魔でなく、天使の囁きに聞こえた。
祐介と、旅行…。
これまでにお出掛けならよく行っているけれど、旅行と呼べるような遠出はしたことがない。
これをきっかけに、祐介と旅行に行けたら。
- 関連記事
-
- 僕らの青春に明日はない (9) (2010/03/09)
- 僕らの青春に明日はない (8) (2010/03/08)
- 僕らの青春に明日はない (7) (2010/03/07)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:Baby Baby Baby Love
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
コメントの投稿はこちらから ♥
COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ カズちゃん
むっちゃんにまで心配されちゃう単純さ(笑)
んも~なんて可愛いんだ!
この2人が並ぶと本当頭グリグリしていーこいーこしたくなっちゃいます( ´艸`)ムププ♪
そうだカズちゃん! 旅行だよ、旅行!
そしてスカート穿いたまま構内エチだ!!
(↑まだ言ってるよコイツ)
あのチケのLiveだったんですね~♪
楽しまれましたでしょうか?(*´∀`*)
んも~なんて可愛いんだ!
この2人が並ぶと本当頭グリグリしていーこいーこしたくなっちゃいます( ´艸`)ムププ♪
そうだカズちゃん! 旅行だよ、旅行!
そしてスカート穿いたまま構内エチだ!!
(↑まだ言ってるよコイツ)
あのチケのLiveだったんですね~♪
楽しまれましたでしょうか?(*´∀`*)
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> むっちゃんにまで心配されちゃう単純さ(笑)
> んも~なんて可愛いんだ!
> この2人が並ぶと本当頭グリグリしていーこいーこしたくなっちゃいます( ´艸`)ムププ♪
カズちゃんのいいところは、純粋無垢で、単純なところ(笑)
むっちゃんのほうが多分お子ちゃまなんだけれど、ちょっとしたずる賢さみたいなものがあるのに対して、カズちゃんは基本、人を疑うことを知らないんですよね。。。
> そうだカズちゃん! 旅行だよ、旅行!
> そしてスカート穿いたまま構内エチだ!!
> (↑まだ言ってるよコイツ)
カズちゃんに制服エチが出来るのか。
これを克服したら、何でもできるようになるような気がします(笑)
> あのチケのLiveだったんですね~♪
> 楽しまれましたでしょうか?(*´∀`*)
今回から、S席とかA席とか、席によって値段が違うので、席を選べるようになったんですよね。
で、S席を申し込んだら、見事ゲット。
真正面ではなく、端のほうだったんですが、稲葉さんたちがステージの端のほうまで来てくれたんで、間近で拝むことができました。
パワーを注入されてきました(*^_^*)
コメントありがとうございました!
> んも~なんて可愛いんだ!
> この2人が並ぶと本当頭グリグリしていーこいーこしたくなっちゃいます( ´艸`)ムププ♪
カズちゃんのいいところは、純粋無垢で、単純なところ(笑)
むっちゃんのほうが多分お子ちゃまなんだけれど、ちょっとしたずる賢さみたいなものがあるのに対して、カズちゃんは基本、人を疑うことを知らないんですよね。。。
> そうだカズちゃん! 旅行だよ、旅行!
> そしてスカート穿いたまま構内エチだ!!
> (↑まだ言ってるよコイツ)
カズちゃんに制服エチが出来るのか。
これを克服したら、何でもできるようになるような気がします(笑)
> あのチケのLiveだったんですね~♪
> 楽しまれましたでしょうか?(*´∀`*)
今回から、S席とかA席とか、席によって値段が違うので、席を選べるようになったんですよね。
で、S席を申し込んだら、見事ゲット。
真正面ではなく、端のほうだったんですが、稲葉さんたちがステージの端のほうまで来てくれたんで、間近で拝むことができました。
パワーを注入されてきました(*^_^*)
コメントありがとうございました!