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僕らの青春に明日はない (7)
2010.03.07 Sun
「でもむっちゃんは、俺がやればいいみたいなこと言った」
「言ってないよ」
「言ったー!」
和衣がベッドでジタバタと暴れ出すから、仕方なく記憶を辿ってみれば、そういえば確かにそれっぽいことを、言ったような気がしないでもない。
だって、咄嗟に思い付いちゃったんだもん。
「しょうがないじゃん、カズちゃん、かわいいんだし」
「かわいくないっ! だいたいあのゴムだって、むっちゃんがやったんじゃん!」
「だってカズちゃんが前髪、邪魔そうにしてるから。俺はよかれと思ってやったのに」
「グッ…」
確かに、前髪が邪魔くさくて、うんうん言っていたのは和衣自身だ。
でもまさか、そこから女装コンテストに繋がるなんて、一体誰が予想しただろう。
「じゃあ、今からもっかい愛菜ちゃんたちんとこ行って、はっきり断ってくれば?」
「……、え?」
もそりと体を起した睦月が、すごくまじめな顔でそう言ったので、ただ喚いていただけの和衣も、急に頭の中が冷静になった。
「カズちゃんがホントに嫌なら、ちゃんと言えば分かってくれるんじゃない? そうすれば?」
愛菜たちだって、勢いで和衣を祭り上げたけれど、別に嫌がらせをしようとしているわけではない。
感情的にならず、和衣が嫌だと言えば、理解してくれるに違いない。
「お、俺が言うの?」
「カズちゃんが言わなくて、誰が言うの?」
暗に、一緒に来て説得してよ、という雰囲気を醸し出している和衣に、睦月はビシッと言ってやった。
こういうところで無意識に甘えてくるから、愛菜たちにまでかわいい、かわいいて言われるんだよ、とは、さすがにかわいそうで言えなかったが。
「うぅー…言えない…」
「何で?」
「だって! そんなこと言えるなら、あのとき言ってるし!」
言いたいことをよぉーく考えて、バッチリ! て思って臨んでも、相手が鋭い切り返しをしてくると、和衣の頭の中は途端にパニックになって、自分でもだんだん何を言っているのか分からなくなってしまうのだ。
そんな和衣が、たった1人で愛菜や眞織のところに立ち向かって行ったって、勝ち目があるとは思えない。
「理由さえちゃんと言えば、大丈夫なんじゃない?」
「理由は……恥ずかしい」
「でも、出場する人の恥ずかしさの条件は、みんな同じだと思うけど」
「うぅ…」
睦月の言うことは、いちいち尤もすぎて、全然反論できない。
でもそれって、自分が出場しないから言えることだと思う。
睦月だって、もし愛菜たちにあの勢いで迫られたら、あんなふうに冷静に答えるなんてこと、絶対に出来ないはずだ。
「まぁー……元気だもんね、愛菜ちゃんたち」
それは睦月も認める。
別に高飛車だとか、ガサツだとか、そういうわけではないけれど、とっても芯の強い女性だということは間違いない。
「言ってないよ」
「言ったー!」
和衣がベッドでジタバタと暴れ出すから、仕方なく記憶を辿ってみれば、そういえば確かにそれっぽいことを、言ったような気がしないでもない。
だって、咄嗟に思い付いちゃったんだもん。
「しょうがないじゃん、カズちゃん、かわいいんだし」
「かわいくないっ! だいたいあのゴムだって、むっちゃんがやったんじゃん!」
「だってカズちゃんが前髪、邪魔そうにしてるから。俺はよかれと思ってやったのに」
「グッ…」
確かに、前髪が邪魔くさくて、うんうん言っていたのは和衣自身だ。
でもまさか、そこから女装コンテストに繋がるなんて、一体誰が予想しただろう。
「じゃあ、今からもっかい愛菜ちゃんたちんとこ行って、はっきり断ってくれば?」
「……、え?」
もそりと体を起した睦月が、すごくまじめな顔でそう言ったので、ただ喚いていただけの和衣も、急に頭の中が冷静になった。
「カズちゃんがホントに嫌なら、ちゃんと言えば分かってくれるんじゃない? そうすれば?」
愛菜たちだって、勢いで和衣を祭り上げたけれど、別に嫌がらせをしようとしているわけではない。
感情的にならず、和衣が嫌だと言えば、理解してくれるに違いない。
「お、俺が言うの?」
「カズちゃんが言わなくて、誰が言うの?」
暗に、一緒に来て説得してよ、という雰囲気を醸し出している和衣に、睦月はビシッと言ってやった。
こういうところで無意識に甘えてくるから、愛菜たちにまでかわいい、かわいいて言われるんだよ、とは、さすがにかわいそうで言えなかったが。
「うぅー…言えない…」
「何で?」
「だって! そんなこと言えるなら、あのとき言ってるし!」
言いたいことをよぉーく考えて、バッチリ! て思って臨んでも、相手が鋭い切り返しをしてくると、和衣の頭の中は途端にパニックになって、自分でもだんだん何を言っているのか分からなくなってしまうのだ。
そんな和衣が、たった1人で愛菜や眞織のところに立ち向かって行ったって、勝ち目があるとは思えない。
「理由さえちゃんと言えば、大丈夫なんじゃない?」
「理由は……恥ずかしい」
「でも、出場する人の恥ずかしさの条件は、みんな同じだと思うけど」
「うぅ…」
睦月の言うことは、いちいち尤もすぎて、全然反論できない。
でもそれって、自分が出場しないから言えることだと思う。
睦月だって、もし愛菜たちにあの勢いで迫られたら、あんなふうに冷静に答えるなんてこと、絶対に出来ないはずだ。
「まぁー……元気だもんね、愛菜ちゃんたち」
それは睦月も認める。
別に高飛車だとか、ガサツだとか、そういうわけではないけれど、とっても芯の強い女性だということは間違いない。
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