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僕らの青春に明日はない (6)
2010.03.06 Sat
「も…そんな、無理だって! 何で俺なのっ?」
分かっていたことだが、睦月にも見放され、今の和衣は完全に四面楚歌状態だ。
誰も味方になってくれないのなら、自分でどうにか切り抜けるしかないけれど、でもそんなうまい言い分なんて見つからなくて。
「無理じゃないって。カズちゃん、かわいいんだから、大丈夫!」
「かわいくないもんっ。何で、俺のどこがかわいいとかっ…」
もうその言い方自体がかわいい感じになってしまっていることに、もちろん和衣は気付いていない。
単に顔だけでなく、こういうところが、睦月でなく和衣が選ばれた要因の1つなのだが。
「もぉ~~~、かわいくないとか、イチゴちゃんのゴムで、前髪キューピーさんにしてる男子に言われたくなぁいっ!!」
「ギャッ」
ごねて当然なのだが、ごねて、ごねて、ごねまくる和衣に、とうとう愛菜も堪えられなくなったのか、つい大きな声を上げてしまった。
その指摘に和衣は、慌てて頭に手をやる。
授業の前、翔真に前髪を結わえられたことを、すっかり忘れていた。
「そんなかわいい格好してて、かわいくないとか、絶対に言わせないっ」
「ちが…違うの、これはぁ!」
よりによって、どうして今日に限って、こんな格好をしていたんだろう。
睦月に唆されたとき、意地でも拒んでいればよかった。というか、おととい時間があったとき、髪を切りに行っていればよかった。
あぁもう、全部が恨めしい。
「だぁ~いじょうぶ、カズちゃんっ」
「優勝目指して、がんばろうね!」
「あぁ~ん、どうしてぇ~!!」
*****
「むっちゃんのバカー! バカバカバーカ」
「もー、うっさいなぁー」
「全部むっちゃんのせいだもんっ」
「何で」
寮に戻って来ると、なぜか和衣は自分の部屋でなく睦月の部屋にやって来て、どっかりと睦月のベッドに腰を下ろした途端、文句を喚き散らした。
居場所のない睦月は、仕方なく亮のベッドに転がる。
亮は、和衣の怒りの矛先が睦月なのだと気付いて、申し訳ないが、早々に翔真の部屋に避難していた。こうなったときの和衣は手が付けられない、ということを、長い付き合いの中で嫌と言うほど知っているのだ。
「何で助けてくんなかったの!?」
「助ける、て何を?」
「女装! コンテスト! 俺、そんなの出たくないっ!」
「そんなの俺に言わないで、愛菜ちゃんたちに言いなよ」
「言ったもん! ずーっと言ってたじゃん!」
なのに、全然聞き入れてもらえなかったし、誰も擁護してくれなかった。
あの元気いっぱいの愛菜を口で負かそうなんて、和衣にしたら100年も200年も早いことだが、誰かが助けてくれたら、もしかしたらどうにかなったかもしれないのに。
「いや、無理でしょ、普通に」
睦月はあっさりと、そう言い切る。
それが出来るくらいなら、とっくに誰かが助け船を出していたはずだ。
分かっていたことだが、睦月にも見放され、今の和衣は完全に四面楚歌状態だ。
誰も味方になってくれないのなら、自分でどうにか切り抜けるしかないけれど、でもそんなうまい言い分なんて見つからなくて。
「無理じゃないって。カズちゃん、かわいいんだから、大丈夫!」
「かわいくないもんっ。何で、俺のどこがかわいいとかっ…」
もうその言い方自体がかわいい感じになってしまっていることに、もちろん和衣は気付いていない。
単に顔だけでなく、こういうところが、睦月でなく和衣が選ばれた要因の1つなのだが。
「もぉ~~~、かわいくないとか、イチゴちゃんのゴムで、前髪キューピーさんにしてる男子に言われたくなぁいっ!!」
「ギャッ」
ごねて当然なのだが、ごねて、ごねて、ごねまくる和衣に、とうとう愛菜も堪えられなくなったのか、つい大きな声を上げてしまった。
その指摘に和衣は、慌てて頭に手をやる。
授業の前、翔真に前髪を結わえられたことを、すっかり忘れていた。
「そんなかわいい格好してて、かわいくないとか、絶対に言わせないっ」
「ちが…違うの、これはぁ!」
よりによって、どうして今日に限って、こんな格好をしていたんだろう。
睦月に唆されたとき、意地でも拒んでいればよかった。というか、おととい時間があったとき、髪を切りに行っていればよかった。
あぁもう、全部が恨めしい。
「だぁ~いじょうぶ、カズちゃんっ」
「優勝目指して、がんばろうね!」
「あぁ~ん、どうしてぇ~!!」
*****
「むっちゃんのバカー! バカバカバーカ」
「もー、うっさいなぁー」
「全部むっちゃんのせいだもんっ」
「何で」
寮に戻って来ると、なぜか和衣は自分の部屋でなく睦月の部屋にやって来て、どっかりと睦月のベッドに腰を下ろした途端、文句を喚き散らした。
居場所のない睦月は、仕方なく亮のベッドに転がる。
亮は、和衣の怒りの矛先が睦月なのだと気付いて、申し訳ないが、早々に翔真の部屋に避難していた。こうなったときの和衣は手が付けられない、ということを、長い付き合いの中で嫌と言うほど知っているのだ。
「何で助けてくんなかったの!?」
「助ける、て何を?」
「女装! コンテスト! 俺、そんなの出たくないっ!」
「そんなの俺に言わないで、愛菜ちゃんたちに言いなよ」
「言ったもん! ずーっと言ってたじゃん!」
なのに、全然聞き入れてもらえなかったし、誰も擁護してくれなかった。
あの元気いっぱいの愛菜を口で負かそうなんて、和衣にしたら100年も200年も早いことだが、誰かが助けてくれたら、もしかしたらどうにかなったかもしれないのに。
「いや、無理でしょ、普通に」
睦月はあっさりと、そう言い切る。
それが出来るくらいなら、とっくに誰かが助け船を出していたはずだ。
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