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僕らの青春に明日はない (3)
2010.03.03 Wed
「あれ、昨日ガチャガチャで出したヤツ?」
「うん。もったいないから、カズちゃんに上げた」
そういえば昨日一緒に出掛けたとき、睦月がガチャガチャに一生懸命になっていたっけ。
財布の中の100円玉が尽きたところで、睦月はようやく諦めて、『別にこれだってかわいいし、いいんだけど!』と、自分に言い聞かせるみたいに、無理やり納得させていたことを思い出し、亮は少し笑った。
「どぉ~? どうなってんのー?」
「カズちゃん、かわいいかわいい」
よしよしするみたいに頭を撫でると、和衣は満更でもない顔になる。
もちろん、カズちゃんて単純…なんて睦月に思われているとは、気付いていない。
「…………、ゆーすけさん、何見惚れてんの?」
「へぇっ!? な何が?」
キャッキャと戯れている和衣と睦月を眺めていたら、前に座っていた翔真に指摘され、思わず声が裏返った。
確かにジッと見つめてはいたけれど、見惚れていたとか、そういうことじゃ、えっと、だから…。
「ま、いっけどね~」
ニヤニヤしながら翔真が前を向いたところで教授がやって来て、結局祐介は、反論のチャンスを失った。
*****
「カーズーちゃんっ!」
チャイムと同時に授業が終わり、今日はバイトもないから、これから何しよう、なんて思いながら和衣が伸びをしていたら、元気のいい女の子の声が和衣を呼んだ。
「ぅん?」
その声に振り向けば、同じゼミの愛菜(あいな)と眞織(まおり)が、にこにこーっとした笑顔で立っていた。
「ねぇねぇ、カズちゃんにお願いがあるんだけどー」
「聞いてもらえないかなぁ、て思って」
「お願い? 何? 俺に?」
人からお願い事なんて、ましてや女の子からなんて、そう経験したことではなくて、和衣は目をパチパチさせた。
「来月の学園祭のさ、イベント!」
「うん」
「優勝すると旅行券10万円分!」
「マジで? すごいね」
学園祭シーズン。
和衣たちの通う大学でももちろん、学園祭は毎年催されていたが、実のところ和衣は、そんなに積極的に参加したことがなくて、せいぜい、友だちの出店した模擬店にお客として顔を出すくらいだった。
だから愛菜と眞織が興奮気味にイベント! と言っても、へーそうなんだ、くらいにしか、思っていなかったのだが。
「カズちゃん、参加してくれない?」
「お願いっ!」
2人がパシッて顔の前で両手を合わせて頭を下げるものだから、和衣はビックリして、思わず周囲を見回した。
だって周りには祐介や睦月もいるし、席を立ちそびれた翔真や亮だっているのに、どうして和衣なの?
やっぱり何かの間違い? とも思ったが、愛菜が再び「カズちゃん、お願い!」と言ったので、やっぱり頼まれているのは自分なのだと理解した。
でも。
「うん。もったいないから、カズちゃんに上げた」
そういえば昨日一緒に出掛けたとき、睦月がガチャガチャに一生懸命になっていたっけ。
財布の中の100円玉が尽きたところで、睦月はようやく諦めて、『別にこれだってかわいいし、いいんだけど!』と、自分に言い聞かせるみたいに、無理やり納得させていたことを思い出し、亮は少し笑った。
「どぉ~? どうなってんのー?」
「カズちゃん、かわいいかわいい」
よしよしするみたいに頭を撫でると、和衣は満更でもない顔になる。
もちろん、カズちゃんて単純…なんて睦月に思われているとは、気付いていない。
「…………、ゆーすけさん、何見惚れてんの?」
「へぇっ!? な何が?」
キャッキャと戯れている和衣と睦月を眺めていたら、前に座っていた翔真に指摘され、思わず声が裏返った。
確かにジッと見つめてはいたけれど、見惚れていたとか、そういうことじゃ、えっと、だから…。
「ま、いっけどね~」
ニヤニヤしながら翔真が前を向いたところで教授がやって来て、結局祐介は、反論のチャンスを失った。
*****
「カーズーちゃんっ!」
チャイムと同時に授業が終わり、今日はバイトもないから、これから何しよう、なんて思いながら和衣が伸びをしていたら、元気のいい女の子の声が和衣を呼んだ。
「ぅん?」
その声に振り向けば、同じゼミの愛菜(あいな)と眞織(まおり)が、にこにこーっとした笑顔で立っていた。
「ねぇねぇ、カズちゃんにお願いがあるんだけどー」
「聞いてもらえないかなぁ、て思って」
「お願い? 何? 俺に?」
人からお願い事なんて、ましてや女の子からなんて、そう経験したことではなくて、和衣は目をパチパチさせた。
「来月の学園祭のさ、イベント!」
「うん」
「優勝すると旅行券10万円分!」
「マジで? すごいね」
学園祭シーズン。
和衣たちの通う大学でももちろん、学園祭は毎年催されていたが、実のところ和衣は、そんなに積極的に参加したことがなくて、せいぜい、友だちの出店した模擬店にお客として顔を出すくらいだった。
だから愛菜と眞織が興奮気味にイベント! と言っても、へーそうなんだ、くらいにしか、思っていなかったのだが。
「カズちゃん、参加してくれない?」
「お願いっ!」
2人がパシッて顔の前で両手を合わせて頭を下げるものだから、和衣はビックリして、思わず周囲を見回した。
だって周りには祐介や睦月もいるし、席を立ちそびれた翔真や亮だっているのに、どうして和衣なの?
やっぱり何かの間違い? とも思ったが、愛菜が再び「カズちゃん、お願い!」と言ったので、やっぱり頼まれているのは自分なのだと理解した。
でも。
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