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僕らの青春に明日はない (1)
2010.03.01 Mon
*このお話は、「君といる~」シリーズの番外編です。本編を読んでいなくても意味は通じますが、カップリング等のネタバレにはなりますので、ご注意ください。
「うぅー…むー…」
授業の前、席に着いた和衣が、うんうん唸りながら前髪を弄っている。
隣りに座っている祐介は、何してんのかなー、とは思いつつ、無意識の上目遣いで集中している和衣に、何となく声を掛けられずにいた。
前の席に座っているのは睦月で、振り返って、後ろの席の机に頬杖を突いた状態で、ずっと和衣のことを見ている。
「…………、カズちゃん、さっきから何してんの?」
先ほどからずっと前髪を構っている和衣を、それと同じだけの時間ずっと見ていた睦月が、コテンと首を横に倒して、とうとう声を掛けた。
「ぅ?」
「何さっきから前髪弄ってんの? 禿げるよ?」
「なっ…! 禿げねぇよ! 違うの、前髪邪魔なの!」
本当はもっとこまめに美容室とか行けばいいんだけれど、ついサボっていたら、襟足もだいぶ伸びたし、前髪も長くなってしまった。
中途半端な長さは、そのままにしておくと目に入って鬱陶しいし、耳に掛けようとしても、長さ的にすぐ落ちて来てしまうし、とにかく邪魔!
「切ればいいじゃん」
「そんなん分かってるよ!」
とっても当たり前なことを言われて、和衣はふて腐れたように返した。
そういう根本的な解決策なら、和衣だって分かっている。それは分かっているけれど、たった今現在、すっごい邪魔だからどうしてくれようか、て思っているのに。
「カズちゃん、もっとこっち」
「は?」
「顔近付けて。手が届かない」
「…何すんの?」
おいでおいで、と睦月が手招きしている。
手が届かないとは言っても、睦月がもうちょっと手を伸ばせば、十分に和衣に届く範囲なのに。
意味分かんない…と思いつつ、言われたとおり、睦月のほうに顔を近付けた。
「むっちゃん?」
睦月は手首に掛けていたヘアゴムを外し、和衣に見せてやった。
赤いゴムの端っこには、小さなイチゴの飾りが2つ付いている。
「何これ、どうしたの?」
「昨日、ガチャガチャしたら出てきたの。ホントは他のが欲しかったのに!」
何が欲しかったのかは知らないが、どうやら100円玉を何枚か注ぎ込んだのに、最終的に手に入れたもので一番まともだったのが、このイチゴちゃんのヘアゴムだったらしい。
「別にいらないけど、悔しいからさぁ!」
悔しいから、本当はいらないんだけど、すっごい欲しかったんだーて体で着けてたの、と睦月は、よく分からない理論を発表した。
「ふーん? え、ちょっ…」
和衣が分かったような分からないような顔をしていると、睦月が徐に和衣の前髪を掴んだ。
「うぅー…むー…」
授業の前、席に着いた和衣が、うんうん唸りながら前髪を弄っている。
隣りに座っている祐介は、何してんのかなー、とは思いつつ、無意識の上目遣いで集中している和衣に、何となく声を掛けられずにいた。
前の席に座っているのは睦月で、振り返って、後ろの席の机に頬杖を突いた状態で、ずっと和衣のことを見ている。
「…………、カズちゃん、さっきから何してんの?」
先ほどからずっと前髪を構っている和衣を、それと同じだけの時間ずっと見ていた睦月が、コテンと首を横に倒して、とうとう声を掛けた。
「ぅ?」
「何さっきから前髪弄ってんの? 禿げるよ?」
「なっ…! 禿げねぇよ! 違うの、前髪邪魔なの!」
本当はもっとこまめに美容室とか行けばいいんだけれど、ついサボっていたら、襟足もだいぶ伸びたし、前髪も長くなってしまった。
中途半端な長さは、そのままにしておくと目に入って鬱陶しいし、耳に掛けようとしても、長さ的にすぐ落ちて来てしまうし、とにかく邪魔!
「切ればいいじゃん」
「そんなん分かってるよ!」
とっても当たり前なことを言われて、和衣はふて腐れたように返した。
そういう根本的な解決策なら、和衣だって分かっている。それは分かっているけれど、たった今現在、すっごい邪魔だからどうしてくれようか、て思っているのに。
「カズちゃん、もっとこっち」
「は?」
「顔近付けて。手が届かない」
「…何すんの?」
おいでおいで、と睦月が手招きしている。
手が届かないとは言っても、睦月がもうちょっと手を伸ばせば、十分に和衣に届く範囲なのに。
意味分かんない…と思いつつ、言われたとおり、睦月のほうに顔を近付けた。
「むっちゃん?」
睦月は手首に掛けていたヘアゴムを外し、和衣に見せてやった。
赤いゴムの端っこには、小さなイチゴの飾りが2つ付いている。
「何これ、どうしたの?」
「昨日、ガチャガチャしたら出てきたの。ホントは他のが欲しかったのに!」
何が欲しかったのかは知らないが、どうやら100円玉を何枚か注ぎ込んだのに、最終的に手に入れたもので一番まともだったのが、このイチゴちゃんのヘアゴムだったらしい。
「別にいらないけど、悔しいからさぁ!」
悔しいから、本当はいらないんだけど、すっごい欲しかったんだーて体で着けてたの、と睦月は、よく分からない理論を発表した。
「ふーん? え、ちょっ…」
和衣が分かったような分からないような顔をしていると、睦月が徐に和衣の前髪を掴んだ。
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柚子季杏 ⇒ ( ̄ー ̄)ニヤニヤ
乙女2人ww
や~~~ん、これ、絶対カズちゃん可愛いわ♪
想像だけでにやけます♪♪
そしてそんな2人を見守るゆっちさんwww
若者の会話、いいなぁ~(*´∀`*)ホノボノ
恋心~の2人のお話も、続き読みたいです~!
凄く良かったっす!ウン゚.+:。(*-ω-)(-ω-*)゚.+:。ウン
や~~~ん、これ、絶対カズちゃん可愛いわ♪
想像だけでにやけます♪♪
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若者の会話、いいなぁ~(*´∀`*)ホノボノ
恋心~の2人のお話も、続き読みたいです~!
凄く良かったっす!ウン゚.+:。(*-ω-)(-ω-*)゚.+:。ウン
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> 乙女2人ww
> や~~~ん、これ、絶対カズちゃん可愛いわ♪
> 想像だけでにやけます♪♪
この2人がわちゃわちゃしてると、どうも女子2人て感じがしてなりません^ ^
ずーっと前髪を弄ってるカズちゃんもカズちゃんですが、それをずっと見てるむっちゃん…。
さぞかしかわいいことかと(*^_^*)
> そしてそんな2人を見守るゆっちさんwww
> 若者の会話、いいなぁ~(*´∀`*)ホノボノ
ゆっちさん、声を掛けたいけれど、カズちゃんが一生懸命すぎて、声を掛けれない雰囲気です。
そこにむっちゃんが加わって、さらに女子化が加速しちゃって、出る幕なしです(笑)
> 恋心~の2人のお話も、続き読みたいです~!
> 凄く良かったっす!ウン゚.+:。(*-ω-)(-ω-*)゚.+:。ウン
ありがとうございます!
あのカッコいい雰囲気を残したままで、続きが書けるか……私のことだから、「カッコいい」より「かわいい」になっちゃうのかなぁ、て気もしますが(^_^;)
がんばりたいと思います。
コメントありがとうございました!
> や~~~ん、これ、絶対カズちゃん可愛いわ♪
> 想像だけでにやけます♪♪
この2人がわちゃわちゃしてると、どうも女子2人て感じがしてなりません^ ^
ずーっと前髪を弄ってるカズちゃんもカズちゃんですが、それをずっと見てるむっちゃん…。
さぞかしかわいいことかと(*^_^*)
> そしてそんな2人を見守るゆっちさんwww
> 若者の会話、いいなぁ~(*´∀`*)ホノボノ
ゆっちさん、声を掛けたいけれど、カズちゃんが一生懸命すぎて、声を掛けれない雰囲気です。
そこにむっちゃんが加わって、さらに女子化が加速しちゃって、出る幕なしです(笑)
> 恋心~の2人のお話も、続き読みたいです~!
> 凄く良かったっす!ウン゚.+:。(*-ω-)(-ω-*)゚.+:。ウン
ありがとうございます!
あのカッコいい雰囲気を残したままで、続きが書けるか……私のことだから、「カッコいい」より「かわいい」になっちゃうのかなぁ、て気もしますが(^_^;)
がんばりたいと思います。
コメントありがとうございました!