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気付かせないで、恋心 (6)
2010.02.21 Sun
BLイラスト&お題配布サイト あまトロさまからお借りしました、イラストお題によるプチ連載です。素敵なイラストはこちら(第1話にリンクしています)。
(俺、何意識してんだ…?)
相手が加倉井だというだけで、いつもの自分になれない。
何で?
同じグループのメンバーで、特別に大の仲良しというわけではないけれど、仲が悪いわけでもなくて、楽屋でも仕事でも普通に話すし。
他のメンバーと何が違うの?
「希尋、視線!」
「ぁ…はい!」
頭の中がグルグルして、いろんなことを考えていたら、ボーっとなっていた。
カメラマンの声に、ハッと意識をそちらに向ける。
けれど、カメラに集中できない。
(熱い…)
状況なんて、先ほどと何も変わっていないはず。
なのに、加倉井の触れる部分から、じんわりとその熱が伝わってくるように、熱くて。
この熱を知っていると、希尋は思った。
この手の感触も、伝わるぬくもりも、みんな知っている。いや、知っていた。
知っていたけれど、それはもうずっと昔に封印してしまっていて。
感情と一緒に。
――――だって、ダメだから。
この感情は、ダメ。
加倉井にこの感情を抱いてしまったら、気付いてしまったら、ダメになる。
だから。
「槇村……何緊張してんの?」
「へっ…?」
加倉井のことを気にしないように、意識しないようにと自分に言い聞かせていた希尋は、不意に加倉井に声を掛けられ、ビクリと肩を震わせた。
カメラマンにまた注意されるかな、と思いつつ、目線だけを加倉井に向ければ、同じように希尋のほうに視線を向けていた加倉井と目が合う。
「別に緊張なんてしてねぇし」
「ずっと、居心地悪そーじゃん」
そう言い放った加倉井は、片方の眉を少し上げ、希尋を見遣った。
何となく見透かされているような気がして、ドクリと心臓が大きく打つ。
「俺と一緒の撮影で、しかもこんなポーズだもんな。そりゃ、嫌がられて当然か」
「なっ、ちが…」
何で。
加倉井のことを嫌がるなんて、そんな。
確かに、妙に意識してしまっていたのは事実だけれど、別に嫌だなんて思ってもいないし、どうして加倉井にそんなふうに思われてしまったのかも分からない。
「2人とも、見つめ合ってないで、こっち見ろー!」
カメラマンの声が響く。
カメラのほうを見なければと思うのに、加倉井から目が離せない。
(――――嫌じゃない)
嫌なんじゃなくて。
俺は加倉井のこと、
(俺、何意識してんだ…?)
相手が加倉井だというだけで、いつもの自分になれない。
何で?
同じグループのメンバーで、特別に大の仲良しというわけではないけれど、仲が悪いわけでもなくて、楽屋でも仕事でも普通に話すし。
他のメンバーと何が違うの?
「希尋、視線!」
「ぁ…はい!」
頭の中がグルグルして、いろんなことを考えていたら、ボーっとなっていた。
カメラマンの声に、ハッと意識をそちらに向ける。
けれど、カメラに集中できない。
(熱い…)
状況なんて、先ほどと何も変わっていないはず。
なのに、加倉井の触れる部分から、じんわりとその熱が伝わってくるように、熱くて。
この熱を知っていると、希尋は思った。
この手の感触も、伝わるぬくもりも、みんな知っている。いや、知っていた。
知っていたけれど、それはもうずっと昔に封印してしまっていて。
感情と一緒に。
――――だって、ダメだから。
この感情は、ダメ。
加倉井にこの感情を抱いてしまったら、気付いてしまったら、ダメになる。
だから。
「槇村……何緊張してんの?」
「へっ…?」
加倉井のことを気にしないように、意識しないようにと自分に言い聞かせていた希尋は、不意に加倉井に声を掛けられ、ビクリと肩を震わせた。
カメラマンにまた注意されるかな、と思いつつ、目線だけを加倉井に向ければ、同じように希尋のほうに視線を向けていた加倉井と目が合う。
「別に緊張なんてしてねぇし」
「ずっと、居心地悪そーじゃん」
そう言い放った加倉井は、片方の眉を少し上げ、希尋を見遣った。
何となく見透かされているような気がして、ドクリと心臓が大きく打つ。
「俺と一緒の撮影で、しかもこんなポーズだもんな。そりゃ、嫌がられて当然か」
「なっ、ちが…」
何で。
加倉井のことを嫌がるなんて、そんな。
確かに、妙に意識してしまっていたのは事実だけれど、別に嫌だなんて思ってもいないし、どうして加倉井にそんなふうに思われてしまったのかも分からない。
「2人とも、見つめ合ってないで、こっち見ろー!」
カメラマンの声が響く。
カメラのほうを見なければと思うのに、加倉井から目が離せない。
(――――嫌じゃない)
嫌なんじゃなくて。
俺は加倉井のこと、
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