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気付かせないで、恋心 (4)
2010.02.19 Fri
BLイラスト&お題配布サイト あまトロさまからお借りしました、イラストお題によるプチ連載です。素敵なイラストはこちら(第1話にリンクしています)。
本当にあれと同じ格好をするのだとしたら、希尋と加倉井の写真は、完全にウケ狙いにしかならない。
もちろんカメラマンは、そんな変な写真を撮りたいわけではなくて、頭の中で思い描いている格好いいポーズを、体現できないだけなのだ。
「こう?」
加倉井が右腕を伸ばし、希尋の肩に置いた。
不意に感じた加倉井の体温に、希尋の心臓が跳ねる。
カメラマンの説明はよく分からないが、単に腕を前に伸ばすだけでは、小学生のころにした前ならえになってしまうから、肩に手を置いた加倉井の行動も、間違いではないのだろう。
「そうそう、オッケー、オッケー!」
やっと伝わった! とカメラマンは上機嫌になるが、もちろん先ほどの説明が伝わったわけではない。加倉井の洞察力が優れていただけだ。
最初に『2人とも』と言っていたから、希尋も同じようにしなければならないのだろう。
右腕を伸ばした加倉井に希尋が左腕を出せば、2人で肩を組むようになるが、立ち位置からして、それでは2人してカメラに背中を向けてしまうことになるからと、希尋も右腕を伸ばした。
「俺……こう?」
よく分からないけれど、違ったら違ったで修正してくれるだろうからと、希尋は自分も同じように右腕を伸ばして……加倉井の肩に手を乗せた。
向かい合ったまま、互いの顔を見ようとすれば、今さら埋まらない身長差のせいで、希尋は少しだけ加倉井を見上げる格好になる。
向かい合って、右手を相手の肩に乗せ合って…………一体何のポーズだろう、これは。
加倉井も微妙に思っているのか、何とも言えない表情をしている。
2人の間に距離があるとかないとか、仲がいいとか悪いとか、そういうことを抜きにしても、何だかとっても微妙。
「もっと手……こうっ」
「だから、分かんないって」
「手を、こー…こうっ」
「こう、て何?」
彼の説明には、必ず『こう』が入るけれど、その一言で、頭の中に浮かんでいる9割くらいのことを伝えようとしているのだから、堪ったものではない。
「手を首の後ろのほうに、こう…」
分からないと言っているのに、やはり最後には『こう…』と付け加えてしまうカメラマンに、スタジオ中が笑いに包まれてしまう。
確かクールな写真が撮りたかったのでは?
「だから、手をこう…首の後ろに」
「首の、後ろ?」
要はこういうこと? と、希尋が加倉井の首の後ろへと手を回せば、加倉井も同じようにするから、先ほどよりも少しだけ2人の距離が近づいた。
まるで頭を抱き寄せるような格好。
先ほどまでの格好を思えば、間抜けさは払拭されたけれど、それはいいとして、これって男2人でやるポーズ?
しかも相手は加倉井。
まったくもって、意味が分からない。
本当にあれと同じ格好をするのだとしたら、希尋と加倉井の写真は、完全にウケ狙いにしかならない。
もちろんカメラマンは、そんな変な写真を撮りたいわけではなくて、頭の中で思い描いている格好いいポーズを、体現できないだけなのだ。
「こう?」
加倉井が右腕を伸ばし、希尋の肩に置いた。
不意に感じた加倉井の体温に、希尋の心臓が跳ねる。
カメラマンの説明はよく分からないが、単に腕を前に伸ばすだけでは、小学生のころにした前ならえになってしまうから、肩に手を置いた加倉井の行動も、間違いではないのだろう。
「そうそう、オッケー、オッケー!」
やっと伝わった! とカメラマンは上機嫌になるが、もちろん先ほどの説明が伝わったわけではない。加倉井の洞察力が優れていただけだ。
最初に『2人とも』と言っていたから、希尋も同じようにしなければならないのだろう。
右腕を伸ばした加倉井に希尋が左腕を出せば、2人で肩を組むようになるが、立ち位置からして、それでは2人してカメラに背中を向けてしまうことになるからと、希尋も右腕を伸ばした。
「俺……こう?」
よく分からないけれど、違ったら違ったで修正してくれるだろうからと、希尋は自分も同じように右腕を伸ばして……加倉井の肩に手を乗せた。
向かい合ったまま、互いの顔を見ようとすれば、今さら埋まらない身長差のせいで、希尋は少しだけ加倉井を見上げる格好になる。
向かい合って、右手を相手の肩に乗せ合って…………一体何のポーズだろう、これは。
加倉井も微妙に思っているのか、何とも言えない表情をしている。
2人の間に距離があるとかないとか、仲がいいとか悪いとか、そういうことを抜きにしても、何だかとっても微妙。
「もっと手……こうっ」
「だから、分かんないって」
「手を、こー…こうっ」
「こう、て何?」
彼の説明には、必ず『こう』が入るけれど、その一言で、頭の中に浮かんでいる9割くらいのことを伝えようとしているのだから、堪ったものではない。
「手を首の後ろのほうに、こう…」
分からないと言っているのに、やはり最後には『こう…』と付け加えてしまうカメラマンに、スタジオ中が笑いに包まれてしまう。
確かクールな写真が撮りたかったのでは?
「だから、手をこう…首の後ろに」
「首の、後ろ?」
要はこういうこと? と、希尋が加倉井の首の後ろへと手を回せば、加倉井も同じようにするから、先ほどよりも少しだけ2人の距離が近づいた。
まるで頭を抱き寄せるような格好。
先ほどまでの格好を思えば、間抜けさは払拭されたけれど、それはいいとして、これって男2人でやるポーズ?
しかも相手は加倉井。
まったくもって、意味が分からない。
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