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気付かせないで、恋心 (3)
2010.02.18 Thu
BLイラスト&お題配布サイト あまトロさまからお借りしました、イラストお題によるプチ連載です。素敵なイラストはこちら(第1話にリンクしています)。
きっと何か、希尋の知らなくていい大人の事情があって、そうさせられていて。
仕事でこれだけ離れいるうち、いつしかプライベートでも遊ばなくなっていて、けれど、忙しいとはいえ仕事でしょっちゅう顔を合わせているのだから、プライベートでまでそんなに会う必要がないのだろうと、希尋なりの結論に達していた。
だから、いつの間にか開いてしまっていた距離を、希尋はどうすることも出来なかったし、どうしようとも思っていなかった。
不仲説が流れたところで、実際は別に仲なんか悪くはないし(加倉井も同じ気持ちだと信じたい)、かといって、とっても仲良しなわけでもない。
自分たちの関係は、そういうものなのだと、希尋はずっと思っている。
なので、今日のように不意打ちで、"加倉井と2人で"という状況を設定されると、どうしていいのか分からなくて、希尋は非常に戸惑ってしまうのだ。
いや、いくら以前のように、"とっても仲良しさん"という関係でないとしても、別に2人で撮影をするくらい、どうということもない。
楽屋でだって、2人で話くらいしているし。
(――――でも)
わざわざ作られたその環境が、何となく希尋を意識させる。
ただ写真を撮られるだけだとは、分かっているけれど。
「いた…」
先に撮影をしてから取材を受けるという加倉井は、すでにセットのところでスタンバイして、カメラマンと話をしている。
何度か一緒に仕事をしたことのあるそのカメラマンは、希尋たちよりも2回りくらい年上だけれど、気さくで話しやすいから、とても仕事がしやすい。
こんな撮影のときだからこそ、カメラマンが彼だったのがせめてもの救いだと、希尋は本気で思った。
(いやいや、それじゃ俺が加倉井のこと、苦手みたいじゃんか…)
希尋は、自分の中のモヤモヤした気持ちを打ち消した。
「じゃ、希尋がこっちで、聡がこっちに立って、向かい合ってー。今日はクールに行くからなぁー」
白いシャツに黒のスラックスという、飾り気のないシンプルな衣装の2人に合わせて、撮影セットもいたってシンプル。
希尋が、加倉井を含めてセット全体を見回したところで、カメラマンから指示が飛んだ。
カメラマンから見て右に希尋、左に加倉井が立って、言われたとおりに2人は向き合う。
特に、ソロでない撮影の場合、自由にポーズを取らせてくれることもあるけれど、今日は細かく決められるらしい。
下手な小道具もない中で、加倉井と2人で自由にしていいと言われても、それはそれで困るから、逆に全部指示してもらえるほうが有り難いかも…と、希尋はカメラを見つめる。
「2人とも、手をこう……こうっ…」
「いや、分かんないっす」
片腕を相手のほうへ伸ばせと言いたいのだろうが、どうにも伝わって来ないし、しかカメラマン自ら見本として取ってくれているポーズが、また何とも妙だから、おかしくて仕方がない。
「だから、右腕を、こうっ…」
「ぶはっ」
堪え切れずに、とうとう加倉井まで吹き出した。
きっと何か、希尋の知らなくていい大人の事情があって、そうさせられていて。
仕事でこれだけ離れいるうち、いつしかプライベートでも遊ばなくなっていて、けれど、忙しいとはいえ仕事でしょっちゅう顔を合わせているのだから、プライベートでまでそんなに会う必要がないのだろうと、希尋なりの結論に達していた。
だから、いつの間にか開いてしまっていた距離を、希尋はどうすることも出来なかったし、どうしようとも思っていなかった。
不仲説が流れたところで、実際は別に仲なんか悪くはないし(加倉井も同じ気持ちだと信じたい)、かといって、とっても仲良しなわけでもない。
自分たちの関係は、そういうものなのだと、希尋はずっと思っている。
なので、今日のように不意打ちで、"加倉井と2人で"という状況を設定されると、どうしていいのか分からなくて、希尋は非常に戸惑ってしまうのだ。
いや、いくら以前のように、"とっても仲良しさん"という関係でないとしても、別に2人で撮影をするくらい、どうということもない。
楽屋でだって、2人で話くらいしているし。
(――――でも)
わざわざ作られたその環境が、何となく希尋を意識させる。
ただ写真を撮られるだけだとは、分かっているけれど。
「いた…」
先に撮影をしてから取材を受けるという加倉井は、すでにセットのところでスタンバイして、カメラマンと話をしている。
何度か一緒に仕事をしたことのあるそのカメラマンは、希尋たちよりも2回りくらい年上だけれど、気さくで話しやすいから、とても仕事がしやすい。
こんな撮影のときだからこそ、カメラマンが彼だったのがせめてもの救いだと、希尋は本気で思った。
(いやいや、それじゃ俺が加倉井のこと、苦手みたいじゃんか…)
希尋は、自分の中のモヤモヤした気持ちを打ち消した。
「じゃ、希尋がこっちで、聡がこっちに立って、向かい合ってー。今日はクールに行くからなぁー」
白いシャツに黒のスラックスという、飾り気のないシンプルな衣装の2人に合わせて、撮影セットもいたってシンプル。
希尋が、加倉井を含めてセット全体を見回したところで、カメラマンから指示が飛んだ。
カメラマンから見て右に希尋、左に加倉井が立って、言われたとおりに2人は向き合う。
特に、ソロでない撮影の場合、自由にポーズを取らせてくれることもあるけれど、今日は細かく決められるらしい。
下手な小道具もない中で、加倉井と2人で自由にしていいと言われても、それはそれで困るから、逆に全部指示してもらえるほうが有り難いかも…と、希尋はカメラを見つめる。
「2人とも、手をこう……こうっ…」
「いや、分かんないっす」
片腕を相手のほうへ伸ばせと言いたいのだろうが、どうにも伝わって来ないし、しかカメラマン自ら見本として取ってくれているポーズが、また何とも妙だから、おかしくて仕方がない。
「だから、右腕を、こうっ…」
「ぶはっ」
堪え切れずに、とうとう加倉井まで吹き出した。
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COMMENT-FORM
⇒
カメラマンが、「希尋ラマン」になっていますよ。
- |2010.02.18
- |Thu
- |11:38
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >名無しさま
ご指摘ありがとうございます。
ストックの分も、誤字脱字、確認したら、他にも間違っていた個所が…。
速攻で修正しました。
また何かお気付きのことがありましたら、教えてくださいね。
コメントありがとうございました!
ストックの分も、誤字脱字、確認したら、他にも間違っていた個所が…。
速攻で修正しました。
また何かお気付きのことがありましたら、教えてくださいね。
コメントありがとうございました!