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生温い幸せのその下
2008.03.19 Wed
それほど料理が得意ってわけでもないが、まったく作れないってわけでもない。それにくわえて、かわいい恋人に、
『拓海の作ったメシが食いたい!』
とか言って駄々を捏ねられれば、作らないわけにはいかないだろう。
「もうすぐ出来るから、皿とか出してよ、悠ちゃん」
「んー」
席に着いたり、拓海の側をチョロチョロしたりしていた悠也は、やっと自分に何か仕事が与えられ、気のない返事をしながらも、嬉しそうに食卓に皿や箸を並べる。
「拓海ー、お腹空いたー」
「はいはい、今出来ますからねー」
お母さんみたいにそう答えて、拓海は出来た料理を盛りつけた皿をテーブルに並べる。
「うわっ、超うまそうv」
「有り難うございます。ホラ、ちゃんと座れって」
お行儀悪く椅子の上に膝を立てていた悠也の足を軽く叩いて、拓海は悠也の向かいの席に座った。小さな食卓。まるで新婚さんみたいじゃないか。
「拓海、何かニヤニヤしててキモイ」
鋭く悠也に突っ込まれ、拓海はごまかすように視線を逸らした。
「いただきま~す」
律儀に両手を合わせてから、悠也は箸を取った。
「あ、悠ちゃん、熱いから気を付け…」
「あつっ!」
保護者並みに拓海が注意を促そうとしたそばから、悠也は早速口の中を火傷したらしい。
「バカ! だから気を付けろって…」
拓海は慌てて水に入ったグラスを悠也に渡した。
「もぉ~熱いなら熱いって、先に言えよな!」
少し目を潤ませて、悠也は拓海を睨んだ。
「言わなくたって、これだけ湯気が上がってんだから分かってよ…」
「拓海のバカー…」
「ホラ、フーしてあげるから、お食べ?」
そう言って拓海は、程よく冷ました料理を悠也の口元へ持っていく。
「んー……」
少し迷ってから、悠也ははむ、と、それを口に運んだ。
「…………んまい」
「そりゃ良かった」
「拓海ー、もう1口ー」
「はいはい」
小さな食卓を囲んで。2人で一緒にご飯を食べて。ままごとみたいだ、と思った。
夢の世界で、おままごとしてるの。
「それでもいいじゃん」
「え?」
「幸せなんだし」
「……そうだね」
悠也は拓海の箸から、もう1口、頬張った。
*END*
フーとか。
してる場合じゃないから。
『拓海の作ったメシが食いたい!』
とか言って駄々を捏ねられれば、作らないわけにはいかないだろう。
「もうすぐ出来るから、皿とか出してよ、悠ちゃん」
「んー」
席に着いたり、拓海の側をチョロチョロしたりしていた悠也は、やっと自分に何か仕事が与えられ、気のない返事をしながらも、嬉しそうに食卓に皿や箸を並べる。
「拓海ー、お腹空いたー」
「はいはい、今出来ますからねー」
お母さんみたいにそう答えて、拓海は出来た料理を盛りつけた皿をテーブルに並べる。
「うわっ、超うまそうv」
「有り難うございます。ホラ、ちゃんと座れって」
お行儀悪く椅子の上に膝を立てていた悠也の足を軽く叩いて、拓海は悠也の向かいの席に座った。小さな食卓。まるで新婚さんみたいじゃないか。
「拓海、何かニヤニヤしててキモイ」
鋭く悠也に突っ込まれ、拓海はごまかすように視線を逸らした。
「いただきま~す」
律儀に両手を合わせてから、悠也は箸を取った。
「あ、悠ちゃん、熱いから気を付け…」
「あつっ!」
保護者並みに拓海が注意を促そうとしたそばから、悠也は早速口の中を火傷したらしい。
「バカ! だから気を付けろって…」
拓海は慌てて水に入ったグラスを悠也に渡した。
「もぉ~熱いなら熱いって、先に言えよな!」
少し目を潤ませて、悠也は拓海を睨んだ。
「言わなくたって、これだけ湯気が上がってんだから分かってよ…」
「拓海のバカー…」
「ホラ、フーしてあげるから、お食べ?」
そう言って拓海は、程よく冷ました料理を悠也の口元へ持っていく。
「んー……」
少し迷ってから、悠也ははむ、と、それを口に運んだ。
「…………んまい」
「そりゃ良かった」
「拓海ー、もう1口ー」
「はいはい」
小さな食卓を囲んで。2人で一緒にご飯を食べて。ままごとみたいだ、と思った。
夢の世界で、おままごとしてるの。
「それでもいいじゃん」
「え?」
「幸せなんだし」
「……そうだね」
悠也は拓海の箸から、もう1口、頬張った。
*END*
フーとか。
してる場合じゃないから。
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