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07. 引き攣った笑顔と不自然な挨拶
2008.01.08 Tue
なん……何で?
何これ?
は? はぁ!?
「おいっ」
意味分かんないし。
何で?
何でここに拓海がいるの?
「おい、橘!」
は? 何?
何なわけ?
わけ分かんない。
えぇ?
「橘、レジ! レジ!」
「…………え……?」
バッ! って八尾にバーコードリーダーを奪い取られて、やっと俺は我に返った。
仕事中だ。
慌てて俺は、八尾がバーコードを読み込んだ商品を袋に詰める。
でも焦ってるせいで缶コーヒーに手が当って、引っ繰り返してしまった。しかも運の悪いことに、コロコロと転がっていったそれは、俺が手を伸ばすよりも先に、カウンターの向こうに落っこちてしまって。
「すみません!」
俺より先に八尾が謝った。
「あ、すみませ……」
「いいえ」
拓海は別に怒りもせず、寧ろニコニコしながら、落ちた缶コーヒーを拾ってカウンターに上げた。
落ち着けー、落ち着け俺。
「350円のお返しです」
八尾からお釣りを受け取った拓海は、チラッと俺を見て、何も言わずに出ていった。
俺は八尾の言葉につられて、思い切り作り笑顔で「ありがとうございました」って、その背中に言う。
……何で?
何でアイツ、ここのコンビニに来たわけ?
偶然? それとも俺がここでバイトしてるって知っててきたわけ? ストーカーか?
「八尾……」
「ん?」
「ゴメン、ちょっとレジ頼む」
「へ!?」
慌てる八尾をよそに、俺は急いで店を出て、拓海を……
「あ…」
追おうと思ったら、店を出てすぐのところに拓海はいた。
「なん…で、いるの?」
「いや、追ってくるかなぁーって思って」
「……何で、ここに来たの?」
「買い物―――って、そんな顔しないでよ。あ! 今悠ちゃんが考えてること、当てたげようか?」
「…………」
「まさか俺の居場所を探し出したとか? ストーカーかコイツ? ね、正解じゃね? ってか、大学が近くだからさ、たまたま寄っただけだよ、マジで。あー、でも悠ちゃんがいるんなら、俺、通いつめちゃうかも」
「やめてよ!」
「冗談じゃん。でもいい常連さんになるよー、俺」
冗談だって、そんなの想像もしたくない。っていうか、コイツが言うと、何かマジっぽく聞こえて怖い。
「通いつめるってのはウソだけど、学校近いしさ、必要があれば来ることにはなるだろうけど。そのときは、あんま冷たくあしらわないでね」
「別に、」
「あ、ホラ、そろそろ戻んないと。八尾くん、心配してるよ」
「え?」
「一緒にレジしてたの、八尾くんじゃないの? 例の」
「何で名前……」
「だって、名札に書いてあんじゃん、八尾って」
これ、って俺の着けてる名札に、指が触れる。一瞬、身構えてしまった自分が、何か悔しい。
「じゃ、またね」
「あ……うん、また……」
って、「また」じゃねぇし!
何これ?
は? はぁ!?
「おいっ」
意味分かんないし。
何で?
何でここに拓海がいるの?
「おい、橘!」
は? 何?
何なわけ?
わけ分かんない。
えぇ?
「橘、レジ! レジ!」
「…………え……?」
バッ! って八尾にバーコードリーダーを奪い取られて、やっと俺は我に返った。
仕事中だ。
慌てて俺は、八尾がバーコードを読み込んだ商品を袋に詰める。
でも焦ってるせいで缶コーヒーに手が当って、引っ繰り返してしまった。しかも運の悪いことに、コロコロと転がっていったそれは、俺が手を伸ばすよりも先に、カウンターの向こうに落っこちてしまって。
「すみません!」
俺より先に八尾が謝った。
「あ、すみませ……」
「いいえ」
拓海は別に怒りもせず、寧ろニコニコしながら、落ちた缶コーヒーを拾ってカウンターに上げた。
落ち着けー、落ち着け俺。
「350円のお返しです」
八尾からお釣りを受け取った拓海は、チラッと俺を見て、何も言わずに出ていった。
俺は八尾の言葉につられて、思い切り作り笑顔で「ありがとうございました」って、その背中に言う。
……何で?
何でアイツ、ここのコンビニに来たわけ?
偶然? それとも俺がここでバイトしてるって知っててきたわけ? ストーカーか?
「八尾……」
「ん?」
「ゴメン、ちょっとレジ頼む」
「へ!?」
慌てる八尾をよそに、俺は急いで店を出て、拓海を……
「あ…」
追おうと思ったら、店を出てすぐのところに拓海はいた。
「なん…で、いるの?」
「いや、追ってくるかなぁーって思って」
「……何で、ここに来たの?」
「買い物―――って、そんな顔しないでよ。あ! 今悠ちゃんが考えてること、当てたげようか?」
「…………」
「まさか俺の居場所を探し出したとか? ストーカーかコイツ? ね、正解じゃね? ってか、大学が近くだからさ、たまたま寄っただけだよ、マジで。あー、でも悠ちゃんがいるんなら、俺、通いつめちゃうかも」
「やめてよ!」
「冗談じゃん。でもいい常連さんになるよー、俺」
冗談だって、そんなの想像もしたくない。っていうか、コイツが言うと、何かマジっぽく聞こえて怖い。
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「別に、」
「あ、ホラ、そろそろ戻んないと。八尾くん、心配してるよ」
「え?」
「一緒にレジしてたの、八尾くんじゃないの? 例の」
「何で名前……」
「だって、名札に書いてあんじゃん、八尾って」
これ、って俺の着けてる名札に、指が触れる。一瞬、身構えてしまった自分が、何か悔しい。
「じゃ、またね」
「あ……うん、また……」
って、「また」じゃねぇし!
「見知らぬあなたとの10のお題」
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イチゴ ⇒ はじめまして
こんばんわ!
イチゴと申します。
ブログ村から何度かお邪魔させていただいております。
拍手も何度かしてしまいました…!
如月様のタイトルに惹かれて、虜になってしまいました!
もう、拓海くん何者!?あの夜なにがあったの!?
と、どきどきしっぱなしです。続きが気になって仕方ありません…!!
実はわたしも小説ブログを書かせていただいております。
非常に拙い文章の荒地なのですが、よろしければ、リンクを貼らせていただいてもよろしいでしょうか?
ではでは、また次回、お邪魔させていただきます♪♪
イチゴと申します。
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拍手も何度かしてしまいました…!
如月様のタイトルに惹かれて、虜になってしまいました!
もう、拓海くん何者!?あの夜なにがあったの!?
と、どきどきしっぱなしです。続きが気になって仕方ありません…!!
実はわたしも小説ブログを書かせていただいております。
非常に拙い文章の荒地なのですが、よろしければ、リンクを貼らせていただいてもよろしいでしょうか?
ではでは、また次回、お邪魔させていただきます♪♪
如月久美子 ⇒ >イチゴさん
コメント・拍手有り難うございます。
イチゴさんから拍手でコメントをいただいたとき、感激のあまり、1人で歓喜の声を張り上げてしまいました。
つたないお話ではありますが、続きを待っていてくださるなんて、本当に感激です。
このお話もそろそろ中盤ですが、もうしばらくお付き合いくださいね。
イチゴさんのブログにも遊びに行かせていただきますね。
リンクも、嬉しい限りです。ぜひぜひどうぞ。私も貼らせていただきます。
これからも、よろしくお願いします。
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