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06. サプライズはコンビニで
2008.01.07 Mon
*****
「てかさぁ、八尾、何でおととい先に帰ったわけ?」
コンビニのスタッフ控え室。隣で制服に着替えてる八尾に、早速不満をぶつける。
ちなみに八尾は正職員だけど、俺はバイト君。同い年なのに、悲しい現実。
ってか、それにしたって!
あのとき八尾が先に帰んなきゃ、俺があんな目に遭うこともなかったのに!!
結局、あの後、朝飯をごちそうになって、洗濯してもらった服に着替えて、パンツは貰って、駅まで送ってもらって…………でも、ケータイの番号だけは、しつこく聞かれたけど、教えなかった。
俺ってひどいヤツかな? でも貞操の危機は守らなきゃだし!
つーか、八尾だよ、八尾! お前のせいで、こっちは男のクセに貞操の危機に晒されたんだぞ!
なのに八尾ってば、「はぁ?」とか言いながら、キョトンとした顔してる。
「だからー、おととい! 何で先に帰ったの?」
「先に帰ったって……そりゃお前のほうだろ?」
「へ?」
「俺がトイレ行って戻ったら、もうお前いなかったじゃん。どっかフラフラしてんのかと思って探したけどいないし、携帯も繋がんないし」
「ウソ」
「ホント。お前、携帯電源切ってただろ?」
「分かんない……ってか、マジ?」
「マジだって。あ、途中で知り合いに会って話したけど……でも5分とかそんなだぜ?」
「5分……」
そんな短時間で俺、お持ち帰りされちゃったわけ?
信じらんない……ってか、記憶のない自分が恨めしい……。
「お前、ちゃんと家に着いたの?」
「ちゃんと……っていうか、」
着いたのは自分の家じゃないけど。
人んちのベッドで、家主を落として寝てたけど。
つーか、覚えてないけど、その人に抱かれちゃってたみたいだけど。
誰か悪い夢だって言ってくれっ!!
「橘? おい、大丈夫か?」
「大丈夫…………だと思う」
こうなったら、仕事に集中して、こんなことは一刻も早く忘れよう。
だいいち、一番肝心の、最悪な部分は記憶がないわけだし、それにあの春原拓海ってヤツにだって、もう会うことはないだろうし。
よし!
「八尾!」
「んあ?」
「仕事、がんばろうな!!」
「え? あ、うん……え? どうした? 急に…」
慣れた作業、バーコードを読み取って、お金を受け取って。
そうそう、こうやって仕事に集中してりゃあいいんだ。そうすれば、すぐに忘れちまうんだ。
「何か……今日の橘、やる気がみなぎってねぇ?」
混雑が一段落したところで、八尾がボソッと声を掛けてきた。
「何言ってんだよ、俺はいつだってやる気満々」
「どこが。いつもダルそうじゃん――――ぁ、いらっしゃいませ」
呆れたように言いながらも、カウンターに置かれた商品に気付いた八尾が、すぐにそれに反応した。俺もすぐにバーコードリーダーを手に取る。缶コーヒーとパンと雑誌。
「いらっしゃいま……」
顔を上げる。
「やぁ」
目の前の。
「―――…………え……」
春原拓海。
「見知らぬあなたとの10のお題」
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