スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
wish (8)
2009.12.29 Tue
前のめりにすっ転んで、頭から雪を被ってしまった遥琉は、倒れたまま動かない。
呆れ半分、かわいそうに思う気持ち半分で、俺は遥琉のもとへ行った。
「遥琉、大丈夫か?」
「ぉわっ!?」
俺はちっこい遥琉の体を抱えるようにして起こしてやった。
取り敢えず遥琉の頭や服に付いた雪を払ってやるけど、その間、遥琉は俯いたまま静かにしている。
「大丈夫なのかよ?」
「ん」
「つーか、いつからここにいたわけ?」
「…昨日の、夜」
「えっ」
おいおい、マジか?
だって昨日俺が帰ってきたときは、いなかったじゃん。つーことは、その後に来て、そのまま一晩……?
ちょっ…何か俺、すげぇ悪いヤツみたい…。
「でも1人じゃなかったし」
「は? 他に誰が…」
何かコイツの上司みたいなヤツが一緒にいて、試験を受けさせてやんない俺のことを脅そうとか?
すげぇ強面のおっさんとかが出てきちゃったら、どうしよう。
天使どころか、とっても怖い、そういう関係の人たちの集団なんじゃ…。
「コイツ!」
1人で勝手な妄想を繰り広げ、どうしようどうしよう、てなってた俺のところに戻って来た遥琉は、でもやっぱり1人で、けどその代わり、その腕の中にはまだ小さな子犬。
「あの段ボール箱の中にいたの。捨てられてたの、コイツ」
「え、捨て犬!?」
「うん。コイツ、独りぼっちなの。寒い寒いって言うから一緒にいたの」
降った雪で、子犬が入っていた段ボール箱はすっかり濡れていて、中には一応、毛布が入っていたけど(恐らく犬はそれに包まれていたんだろう)、それもこの寒さを十分に凌げるとは言い難い。
「どうしたのかな? 具合悪いのかな、コイツ。何も言ってくんなくなっちゃった」
明らかに子犬は元気がなくて、弱ってる。でも遥琉にはその原因が分からないらしく、泣きそうな顔をしながら子犬をギュッと抱き締めている。
「腹減ってんじゃねぇの? あとは寒いとか」
「お腹空いてんの? 何か食べたいの?」
遥琉は子犬の顔を覗き込みながら、話し掛けた。
『くぅ~ん…』
子犬は、分かっているのかいないのか、弱々しく鳴いている。
とっても面倒くさいけど、犬をこのままにもしておけないから、ひとまず遥琉も一緒に、俺の家に上げた。
「遠山くん、ありがと…」
部屋に戻って、寒そうにしている子犬のために何か包んでやるモンを探して……ちょうどいい毛布もないから、バスタオルで代用。その子犬を遥琉が腕の中に収めた。
呆れ半分、かわいそうに思う気持ち半分で、俺は遥琉のもとへ行った。
「遥琉、大丈夫か?」
「ぉわっ!?」
俺はちっこい遥琉の体を抱えるようにして起こしてやった。
取り敢えず遥琉の頭や服に付いた雪を払ってやるけど、その間、遥琉は俯いたまま静かにしている。
「大丈夫なのかよ?」
「ん」
「つーか、いつからここにいたわけ?」
「…昨日の、夜」
「えっ」
おいおい、マジか?
だって昨日俺が帰ってきたときは、いなかったじゃん。つーことは、その後に来て、そのまま一晩……?
ちょっ…何か俺、すげぇ悪いヤツみたい…。
「でも1人じゃなかったし」
「は? 他に誰が…」
何かコイツの上司みたいなヤツが一緒にいて、試験を受けさせてやんない俺のことを脅そうとか?
すげぇ強面のおっさんとかが出てきちゃったら、どうしよう。
天使どころか、とっても怖い、そういう関係の人たちの集団なんじゃ…。
「コイツ!」
1人で勝手な妄想を繰り広げ、どうしようどうしよう、てなってた俺のところに戻って来た遥琉は、でもやっぱり1人で、けどその代わり、その腕の中にはまだ小さな子犬。
「あの段ボール箱の中にいたの。捨てられてたの、コイツ」
「え、捨て犬!?」
「うん。コイツ、独りぼっちなの。寒い寒いって言うから一緒にいたの」
降った雪で、子犬が入っていた段ボール箱はすっかり濡れていて、中には一応、毛布が入っていたけど(恐らく犬はそれに包まれていたんだろう)、それもこの寒さを十分に凌げるとは言い難い。
「どうしたのかな? 具合悪いのかな、コイツ。何も言ってくんなくなっちゃった」
明らかに子犬は元気がなくて、弱ってる。でも遥琉にはその原因が分からないらしく、泣きそうな顔をしながら子犬をギュッと抱き締めている。
「腹減ってんじゃねぇの? あとは寒いとか」
「お腹空いてんの? 何か食べたいの?」
遥琉は子犬の顔を覗き込みながら、話し掛けた。
『くぅ~ん…』
子犬は、分かっているのかいないのか、弱々しく鳴いている。
とっても面倒くさいけど、犬をこのままにもしておけないから、ひとまず遥琉も一緒に、俺の家に上げた。
「遠山くん、ありがと…」
部屋に戻って、寒そうにしている子犬のために何か包んでやるモンを探して……ちょうどいい毛布もないから、バスタオルで代用。その子犬を遥琉が腕の中に収めた。
- 関連記事
-
- wish (9) (2009/12/30)
- wish (8) (2009/12/29)
- wish (7) (2009/12/28)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。