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wish (7)
2009.12.28 Mon
年末ってこともあって、今日もまた帰宅が遅くなる。辺りはもう真っ暗で、家に着いてみると、当たり前だけど明かりなんかついてないし、誰もいない。
こういうとき、彼女とか奥さんがいると、「お帰り~」とか「お疲れさま」とか言ってもらえるんだろうなぁ。
部屋もあったまってるだろうし、もしかしたらご飯とか作ってくれてるかも……て、妄想とか、空しくなるから、やめよう。
「あ、」
これ、遥琉の服。
そういえばアイツ、俺のジャージ着てっちゃったんだ。
まぁ別にジャージくらいいいんだけどさ。つーか持って帰れよ、自分の服。
にしても、変な服だよな。
天使の制服なのか? 制服あるのに、俺のジャージとか着てていいわけ?
いやいや、天使とか! 別に信じてるわけじゃねぇし!
つーかアイツ、今度こそホントに家に帰ったんだろうな?
雪降ってるし、本気で風邪引くぞ。
てか、もしかして行くとこないとか? なのに追い出しちゃったりして……て、別に俺が自己嫌悪に陥る必要とかないし!
俺は悪くない、俺は悪くない…て、何度も頭の中で繰り返す。
こんなこと、さっさと忘れちゃえばいいのに、そう思えば思うほど、頭の中を占めるのは――――出て行った遥琉の姿だった。
*****
翌朝。
何だかよく眠れなくて、日曜日なのにいつもより早く目が覚めてしまった。寝直そうとしても眠れなくて、結局ふとんを出る。
ようやく仕事も一段落して、休日出勤をしなくてよくなったけれど、忙しくないと余計なことを考えちまって、それはそれで嫌だった。
着替えて、新聞を取りに向かう。
ごく普通の安いアパートは、郵便受けも集合玄関にあるだけで、新聞もそこまで取りに行かないといけないから、結構面倒くさい。
寒さに身を竦めながら階下まで来て、ふと玄関の外に目をやれば、雪が積もってる。そりゃ寒いわけだ。
俺は今日休みだからいいけど、電車とか止まったりしなきゃいいけど…………て!
「え、遥琉?」
道路の少し先、雪みたいに白い服を着ているのは、間違いなくあの自称天使の遥琉だ。
遥琉も俺に気付かれたのが分かったらしく、慌てて隠れようとして、でも積もった雪に足を取られて滑って転んでる…。
「遥琉!」
「あっ…あの、コレ!」
俺に見つかったと分かって、遥琉は服に付いた雪を払おうともせずに俺のほうへと来た。差し出した遥琉の手には、俺が貸してやったジャージ。
「借りっ放しだったから…」
「あ…うん」
「貸してくれてありがと! それじゃっ…!」
「あ、おい、ちょっ…」
俺が呼び止めるのも聞かず、遥琉は俺に背を向けて走り出した。そして―――
「わぁっ!!」
「あー…」
先ほどの転倒から、まったく何も学習していなかったのか、慌てて駆け出した遥琉は、そのまま前に突っ伏すように滑って転んでしまった。
こういうとき、彼女とか奥さんがいると、「お帰り~」とか「お疲れさま」とか言ってもらえるんだろうなぁ。
部屋もあったまってるだろうし、もしかしたらご飯とか作ってくれてるかも……て、妄想とか、空しくなるから、やめよう。
「あ、」
これ、遥琉の服。
そういえばアイツ、俺のジャージ着てっちゃったんだ。
まぁ別にジャージくらいいいんだけどさ。つーか持って帰れよ、自分の服。
にしても、変な服だよな。
天使の制服なのか? 制服あるのに、俺のジャージとか着てていいわけ?
いやいや、天使とか! 別に信じてるわけじゃねぇし!
つーかアイツ、今度こそホントに家に帰ったんだろうな?
雪降ってるし、本気で風邪引くぞ。
てか、もしかして行くとこないとか? なのに追い出しちゃったりして……て、別に俺が自己嫌悪に陥る必要とかないし!
俺は悪くない、俺は悪くない…て、何度も頭の中で繰り返す。
こんなこと、さっさと忘れちゃえばいいのに、そう思えば思うほど、頭の中を占めるのは――――出て行った遥琉の姿だった。
*****
翌朝。
何だかよく眠れなくて、日曜日なのにいつもより早く目が覚めてしまった。寝直そうとしても眠れなくて、結局ふとんを出る。
ようやく仕事も一段落して、休日出勤をしなくてよくなったけれど、忙しくないと余計なことを考えちまって、それはそれで嫌だった。
着替えて、新聞を取りに向かう。
ごく普通の安いアパートは、郵便受けも集合玄関にあるだけで、新聞もそこまで取りに行かないといけないから、結構面倒くさい。
寒さに身を竦めながら階下まで来て、ふと玄関の外に目をやれば、雪が積もってる。そりゃ寒いわけだ。
俺は今日休みだからいいけど、電車とか止まったりしなきゃいいけど…………て!
「え、遥琉?」
道路の少し先、雪みたいに白い服を着ているのは、間違いなくあの自称天使の遥琉だ。
遥琉も俺に気付かれたのが分かったらしく、慌てて隠れようとして、でも積もった雪に足を取られて滑って転んでる…。
「遥琉!」
「あっ…あの、コレ!」
俺に見つかったと分かって、遥琉は服に付いた雪を払おうともせずに俺のほうへと来た。差し出した遥琉の手には、俺が貸してやったジャージ。
「借りっ放しだったから…」
「あ…うん」
「貸してくれてありがと! それじゃっ…!」
「あ、おい、ちょっ…」
俺が呼び止めるのも聞かず、遥琉は俺に背を向けて走り出した。そして―――
「わぁっ!!」
「あー…」
先ほどの転倒から、まったく何も学習していなかったのか、慌てて駆け出した遥琉は、そのまま前に突っ伏すように滑って転んでしまった。
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