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wish (5)
2009.12.26 Sat
「幸せにしなきゃいけないって、でも幸せとか願い事とかって、自分で叶えるもんじゃん。そりゃ不幸より幸せのほうがいいけど……だからってそうやって叶えてもらうようなもんじゃねぇだろ?」
「……」
「何か今まで成功を手にしたヤツが、実は自分の力じゃなくてみんな天使のおかげだった、とかだったら、何かヤじゃね? 気持ち冷める」
「そうかも、だけど…」
遥琉はシュンとして項垂れてしまった。
何となく悪いことしてる気分になるけど、俺の言ってること自体、間違ってないと思う。
でも言い過ぎた? 変な勧誘とかでなければ、悪気があって言ってるわけじゃないだろうし。
「じゃあ、遠山くんが何か叶えてほしい願い事が出来るまで待ってる!」
「はっ?」
あのー…俺の言ってたことの意味、通じてた…?
思わず眩暈がしそうになる。
「今はそう思ってても、ちょっとしたら何か叶えてほしいことと出てくるかもしれないじゃん」
「いや、あのね…」
「だって、だってー、俺、遠山くんのこと幸せにしないと、合格しないんだもん!」
むぅ、と唇を突き出して、遥琉はテーブルをバンをと叩いた。
「あのさ、俺、今のままでも十分幸せだよ?」
「嘘だ!」
「嘘じゃないって」
そんな、即行で嘘つき呼ばわりされても…。
何でそんな俺の幸せを否定したいの?
「もう1年近く彼女がいないのに? 後から入社してきた後輩のほうが成績がいいのに? お盆に実家に帰省するお金もなかったのに!?」
「うっせぇよ!」
確かに遥琉の言ってることは間違いじゃない。
けど、そんなにはっきり言われたんじゃ、怒鳴りたくもなる。
俺が声を荒げれば、遥琉はグッ…と引き下がった。
「とにかくもう帰ってくれよ」
自分で家に上げたんだけど、話をしてるうちにさすがに苛付いて、乱暴に遥琉に言い放った。
やっぱりこんな変なヤツ、最初からかかわるんじゃなかった。
「遠山くん…」
「ほっといてくれって。お前から見たらすっげぇ不幸かもしんないけど、俺は今のままで十分だから。お前には悪いけど、そんな勝手に試験の題材にされたんじゃ困るんだよ。分かるだろ?」
「そんな…だって」
「……」
「怒らせてゴメンなさい…。あの…、うん、帰る…」
さっきまではものすごい勢いだった遥琉は、俺の苛付きをようやく感じ取ったのか、急に大人しくなって、頭を下げると玄関のほうに向かった。
まさか宙に浮いたまま出て行くのかと思ったが、玄関で地面に下りると、ちゃんと靴を履いて、歩いていった。
閉じたドア。
何か悪いことした気になるけど、でも所詮知らないヤツだし、へたに関わってヤバイことになったらマズイし。
怒鳴ることはなかったかもだけど、仕方がないって自分自身を納得させて、余計なことを考えたくないから、俺はさっさと寝てしまった。
「……」
「何か今まで成功を手にしたヤツが、実は自分の力じゃなくてみんな天使のおかげだった、とかだったら、何かヤじゃね? 気持ち冷める」
「そうかも、だけど…」
遥琉はシュンとして項垂れてしまった。
何となく悪いことしてる気分になるけど、俺の言ってること自体、間違ってないと思う。
でも言い過ぎた? 変な勧誘とかでなければ、悪気があって言ってるわけじゃないだろうし。
「じゃあ、遠山くんが何か叶えてほしい願い事が出来るまで待ってる!」
「はっ?」
あのー…俺の言ってたことの意味、通じてた…?
思わず眩暈がしそうになる。
「今はそう思ってても、ちょっとしたら何か叶えてほしいことと出てくるかもしれないじゃん」
「いや、あのね…」
「だって、だってー、俺、遠山くんのこと幸せにしないと、合格しないんだもん!」
むぅ、と唇を突き出して、遥琉はテーブルをバンをと叩いた。
「あのさ、俺、今のままでも十分幸せだよ?」
「嘘だ!」
「嘘じゃないって」
そんな、即行で嘘つき呼ばわりされても…。
何でそんな俺の幸せを否定したいの?
「もう1年近く彼女がいないのに? 後から入社してきた後輩のほうが成績がいいのに? お盆に実家に帰省するお金もなかったのに!?」
「うっせぇよ!」
確かに遥琉の言ってることは間違いじゃない。
けど、そんなにはっきり言われたんじゃ、怒鳴りたくもなる。
俺が声を荒げれば、遥琉はグッ…と引き下がった。
「とにかくもう帰ってくれよ」
自分で家に上げたんだけど、話をしてるうちにさすがに苛付いて、乱暴に遥琉に言い放った。
やっぱりこんな変なヤツ、最初からかかわるんじゃなかった。
「遠山くん…」
「ほっといてくれって。お前から見たらすっげぇ不幸かもしんないけど、俺は今のままで十分だから。お前には悪いけど、そんな勝手に試験の題材にされたんじゃ困るんだよ。分かるだろ?」
「そんな…だって」
「……」
「怒らせてゴメンなさい…。あの…、うん、帰る…」
さっきまではものすごい勢いだった遥琉は、俺の苛付きをようやく感じ取ったのか、急に大人しくなって、頭を下げると玄関のほうに向かった。
まさか宙に浮いたまま出て行くのかと思ったが、玄関で地面に下りると、ちゃんと靴を履いて、歩いていった。
閉じたドア。
何か悪いことした気になるけど、でも所詮知らないヤツだし、へたに関わってヤバイことになったらマズイし。
怒鳴ることはなかったかもだけど、仕方がないって自分自身を納得させて、余計なことを考えたくないから、俺はさっさと寝てしまった。
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