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wish (4)
2009.12.25 Fri
「遠山くん、幸せになりたいんでしょ?」
「え、そりゃまぁ…」
「じゃ、早く言って。俺、何でも叶えちゃうよ? かわいい彼女が欲しい? それとも出世したい? お金持ちに…」
「ちょちょちょっ、何? は?」
勝手にどんどん話を進めていく遥琉を、何とかストップさせる。
あぁ~何!? やっぱり何か変な宗教とか? ツボとか買わされるわけ!?
「だからー、俺は天使で、遠山くんを幸せにしに来たの。まだ分かんない?」
「分かんねぇよ! ツボとか印鑑なら買わないから。そういうサークルとかにも興味…」
「え、遠山くん、俺のことまだ何か変なのの勧誘とかだと思ってる? 違うって! 俺、天使だから! さっき飛んだとこも見たでしょ? 人間じゃないって分かったでしょ?」
確かに…。それを言われると、返す言葉がない。
まだ信じ切れていない俺の前で、遥琉はもう1度、宙に浮いてみせる。
どんなイリュージョンにも何かしらタネがあるもんだけど、ここは俺んちで、そんな大掛かりな装置なんて何もなく。
じゃあやっぱり、普通の人間じゃないってこと?
いやいやいや、まさか。
だって僕、常識ある大人だし。
天使とか、そんなの信じてないし。
「とーやまくん?」
…でも、確かに目の前の遥琉は確かに浮かんでいて。
ううぅ~…。
「…分かった。百歩譲ってお前が人間じゃないとして、じゃあ何で俺んとこなんか来たんだよ」
「あのね、天使にも試験があって、それに合格しないと、いつまで経ってもダメダメ天使なのね。で、俺は100人の不幸な人間を幸せにしなきゃいけないっていう、大変な課題に当たっちゃって。遠山くんは、その100人目の不幸な人間に選ばれました! すごぉーくとっても不幸だったから」
……あのさぁ、本人前にしてそんなに『不幸』『不幸』って連発しなくても…。
でもこうやって心理に不安にさせる、て手もあるくらいだし、警戒心は解かない。
「まぁ、天使に会って幸せにしてもらったなんて、週刊誌のB級ネタくらいにはなりそうだけど。俺の頭がおかしくなったんだって思われなければ」
「あ、それは大丈夫。今はこうやって姿を見せてるけど、遠山くんの願い事が叶って幸せになったら、俺のことは忘れちゃうようになってるから」
何だよ、その都合のいい展開。
胡散臭さ満載なんだけど、でもそれを話す遥琉は、俺の前でプカプカ浮かんでるし、一体何を信じたらいいか分からなくなる。
「気が付いたらいつの間にか願い事が叶ってる感じかな? だから早く言って? 遠山くんの願い事叶えて幸せにしたら、俺、試験合格だから」
ね? と遥琉は俺を急かす。
でも悪いけど、そんなこと言われたって、俺だって困る。
「悪いけど……他の人当たってくんねぇ? 俺、別に叶えてもらいたい願い事なんかないし」
「えぇー、そんなの困るっ!」
「困るとか言われても、俺だって困るし」
そう言っても遥琉は、ダメなの、困るの! と繰り返すから、俺もますます困ってしまった。
「1度この人って決めたら、変えちゃいけない決まりなの。だから俺はもう遠山くんを幸せにしなきゃいけないの!」
いけないの、とか言われても…。
「え、そりゃまぁ…」
「じゃ、早く言って。俺、何でも叶えちゃうよ? かわいい彼女が欲しい? それとも出世したい? お金持ちに…」
「ちょちょちょっ、何? は?」
勝手にどんどん話を進めていく遥琉を、何とかストップさせる。
あぁ~何!? やっぱり何か変な宗教とか? ツボとか買わされるわけ!?
「だからー、俺は天使で、遠山くんを幸せにしに来たの。まだ分かんない?」
「分かんねぇよ! ツボとか印鑑なら買わないから。そういうサークルとかにも興味…」
「え、遠山くん、俺のことまだ何か変なのの勧誘とかだと思ってる? 違うって! 俺、天使だから! さっき飛んだとこも見たでしょ? 人間じゃないって分かったでしょ?」
確かに…。それを言われると、返す言葉がない。
まだ信じ切れていない俺の前で、遥琉はもう1度、宙に浮いてみせる。
どんなイリュージョンにも何かしらタネがあるもんだけど、ここは俺んちで、そんな大掛かりな装置なんて何もなく。
じゃあやっぱり、普通の人間じゃないってこと?
いやいやいや、まさか。
だって僕、常識ある大人だし。
天使とか、そんなの信じてないし。
「とーやまくん?」
…でも、確かに目の前の遥琉は確かに浮かんでいて。
ううぅ~…。
「…分かった。百歩譲ってお前が人間じゃないとして、じゃあ何で俺んとこなんか来たんだよ」
「あのね、天使にも試験があって、それに合格しないと、いつまで経ってもダメダメ天使なのね。で、俺は100人の不幸な人間を幸せにしなきゃいけないっていう、大変な課題に当たっちゃって。遠山くんは、その100人目の不幸な人間に選ばれました! すごぉーくとっても不幸だったから」
……あのさぁ、本人前にしてそんなに『不幸』『不幸』って連発しなくても…。
でもこうやって心理に不安にさせる、て手もあるくらいだし、警戒心は解かない。
「まぁ、天使に会って幸せにしてもらったなんて、週刊誌のB級ネタくらいにはなりそうだけど。俺の頭がおかしくなったんだって思われなければ」
「あ、それは大丈夫。今はこうやって姿を見せてるけど、遠山くんの願い事が叶って幸せになったら、俺のことは忘れちゃうようになってるから」
何だよ、その都合のいい展開。
胡散臭さ満載なんだけど、でもそれを話す遥琉は、俺の前でプカプカ浮かんでるし、一体何を信じたらいいか分からなくなる。
「気が付いたらいつの間にか願い事が叶ってる感じかな? だから早く言って? 遠山くんの願い事叶えて幸せにしたら、俺、試験合格だから」
ね? と遥琉は俺を急かす。
でも悪いけど、そんなこと言われたって、俺だって困る。
「悪いけど……他の人当たってくんねぇ? 俺、別に叶えてもらいたい願い事なんかないし」
「えぇー、そんなの困るっ!」
「困るとか言われても、俺だって困るし」
そう言っても遥琉は、ダメなの、困るの! と繰り返すから、俺もますます困ってしまった。
「1度この人って決めたら、変えちゃいけない決まりなの。だから俺はもう遠山くんを幸せにしなきゃいけないの!」
いけないの、とか言われても…。
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COMMENT-FORM
りり ⇒ めっちゃ面白いです!
女の子と見まごう可愛さで、ちょっとむくれている天使のハルちゃん。
今のところ切実な願望も無さそうな遠山くん。
願い事が叶ったらハルちゃんのことを忘れちゃうっていうのも気にかかる。
年明けまで続くんですね! とっても楽しみです。
今のところ切実な願望も無さそうな遠山くん。
願い事が叶ったらハルちゃんのことを忘れちゃうっていうのも気にかかる。
年明けまで続くんですね! とっても楽しみです。
如月久美子 ⇒ >りりさん
初の(似非)ファンタジーですが、大丈夫でしょうか?
ハルちゃん、天使のせいか、もともとの性格のせいか、ちょっと天然ちゃんですが、遠山さんとうまく行くんでしょうか。
お話はまだまだ続きますが、どうぞお楽しみください。
こちらへもコメントありがとうございました!
ハルちゃん、天使のせいか、もともとの性格のせいか、ちょっと天然ちゃんですが、遠山さんとうまく行くんでしょうか。
お話はまだまだ続きますが、どうぞお楽しみください。
こちらへもコメントありがとうございました!
- |2009.12.25
- |Fri
- |18:50
- |URL
- |EDIT|