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10. 次の約束 (3)
2009.12.19 Sat
yusuke & kazui
――――デートが終わって、バイバイするときって、何でこんなに寂しくなるんだろ。
帰り道、祐介の隣で和衣はそんなことを思っていた。
戻った部屋には同室者がいて、和衣は決して1人ぼっちではないのに。
バイバイしたって言っても、和衣と祐介は同じ寮の同じ階、数部屋しか離れていないところに住んでいるのに。
(でも、祐介とバイバイすんの、寂しいな…)
楽しい楽しいお出掛けの後、寮が見えてくると、いつも思う。
こんなに近くで暮らしていて、しょっちゅう一緒にいるとは言っても、やっぱり離れ離れになる時間は寂しい。
いくら殆ど規則のない寮とはいえ、2人の部屋にはそれぞれ同室者がいるから、一緒に寝るなんて出来ないし、ただの大学生である2人に、そんなに頻繁にどこかに泊まれるだけのお金の余裕もない。
だから大抵の場合、いくら遅くなっても(遅くなるのはもちろん、年相応の恋人同士的な理由によるが)、最終的には別々の部屋に帰って行くことになるのである。
(こんなに一緒にいるのに、もっともっとそばにいたい、て思うなんて、俺って欲張りなのかな…)
もう夜も更けて、寮を出入りする人影もないのをいいことに、こっそり手を繋いで帰って来て。
その手を離したくなくて、自分の部屋を通り越して、祐介の部屋の前まで行きそうになる和衣を、祐介がやんわりと止める。
気持ちは分かるけど。
でもここでバイバイしないと。
「ゆう…」
ただでさえ壁の薄い寮。
普段は会話が聞き取れるほどでもないけれど、深夜、静まり返った中では、普通の声の大きさでも聞こえてしまうかもしれなくて、和衣は声を潜めながらも、離れ難くて祐介の名前を呼ぶ。
「和衣、おやすみ」
そっと手を解かれる。
本当は繋ぎ直したいけれど、でも今日も1日一緒にいて、それでもまだいたいなんて思ってること知れたら、わがままとかウザいとか思われるかも…て、和衣は我慢して手を離した。
祐介からは、あんまり我慢しないで、とか、溜め込まないで、て言われているけれど、こればっかりはどうしようもないこと、和衣も分かっているから。
バイバイ。
おやすみ。
「また、出掛けようね?」
「…ぅん」
「約束」
「…ん」
「和衣」
呼ばれても、顔が上げられない。
何か、バカみたいだ。
1人で、ひどく深刻なお別れみたいな雰囲気になって。
(俺って、バカだな…)
そう思って、顔を上げようとした、ら。
「えっ…」
クイ、と祐介に腕を引かれる。
驚く間もなく、祐介の腕の中。
「また、明日ね?」
そっと額にキスを落とされる。
名残惜しいのは、離れたくない、て思うのは、祐介も一緒だから。
ね、また出掛けよう?
ずっと一緒にいよう。
「約束」
*END*
ラブラブデート編は、これにて終了です。お付き合い、ありがとうございました!
――――デートが終わって、バイバイするときって、何でこんなに寂しくなるんだろ。
帰り道、祐介の隣で和衣はそんなことを思っていた。
戻った部屋には同室者がいて、和衣は決して1人ぼっちではないのに。
バイバイしたって言っても、和衣と祐介は同じ寮の同じ階、数部屋しか離れていないところに住んでいるのに。
(でも、祐介とバイバイすんの、寂しいな…)
楽しい楽しいお出掛けの後、寮が見えてくると、いつも思う。
こんなに近くで暮らしていて、しょっちゅう一緒にいるとは言っても、やっぱり離れ離れになる時間は寂しい。
いくら殆ど規則のない寮とはいえ、2人の部屋にはそれぞれ同室者がいるから、一緒に寝るなんて出来ないし、ただの大学生である2人に、そんなに頻繁にどこかに泊まれるだけのお金の余裕もない。
だから大抵の場合、いくら遅くなっても(遅くなるのはもちろん、年相応の恋人同士的な理由によるが)、最終的には別々の部屋に帰って行くことになるのである。
(こんなに一緒にいるのに、もっともっとそばにいたい、て思うなんて、俺って欲張りなのかな…)
もう夜も更けて、寮を出入りする人影もないのをいいことに、こっそり手を繋いで帰って来て。
その手を離したくなくて、自分の部屋を通り越して、祐介の部屋の前まで行きそうになる和衣を、祐介がやんわりと止める。
気持ちは分かるけど。
でもここでバイバイしないと。
「ゆう…」
ただでさえ壁の薄い寮。
普段は会話が聞き取れるほどでもないけれど、深夜、静まり返った中では、普通の声の大きさでも聞こえてしまうかもしれなくて、和衣は声を潜めながらも、離れ難くて祐介の名前を呼ぶ。
「和衣、おやすみ」
そっと手を解かれる。
本当は繋ぎ直したいけれど、でも今日も1日一緒にいて、それでもまだいたいなんて思ってること知れたら、わがままとかウザいとか思われるかも…て、和衣は我慢して手を離した。
祐介からは、あんまり我慢しないで、とか、溜め込まないで、て言われているけれど、こればっかりはどうしようもないこと、和衣も分かっているから。
バイバイ。
おやすみ。
「また、出掛けようね?」
「…ぅん」
「約束」
「…ん」
「和衣」
呼ばれても、顔が上げられない。
何か、バカみたいだ。
1人で、ひどく深刻なお別れみたいな雰囲気になって。
(俺って、バカだな…)
そう思って、顔を上げようとした、ら。
「えっ…」
クイ、と祐介に腕を引かれる。
驚く間もなく、祐介の腕の中。
「また、明日ね?」
そっと額にキスを落とされる。
名残惜しいのは、離れたくない、て思うのは、祐介も一緒だから。
ね、また出掛けよう?
ずっと一緒にいよう。
「約束」
*END*
ラブラブデート編は、これにて終了です。お付き合い、ありがとうございました!
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カテゴリー:Baby Baby Baby Love
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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如月久美子 ⇒ >拍手コメ→Yさん
カズちゃん、人一倍寂しがり屋さんですが、でも誰しもホント素直になると、きっとこんな感じですよね。
私のお話でジーンとか、もうホント、嬉しい限りと言いますが、Yさんの言葉に、こちらこそ心拍数が大爆発するくらい感動してしまいました!
今回のラブラブデート編では、今まで書いていなかったCPも書けて、書いてる本人は大満足だったんですが、お楽しみいただけましたでしょうか。
番外編は何か尽きることがない感じですが、これからもお楽しみいただければと思います。
拍手&コメントありがとうございました!
私のお話でジーンとか、もうホント、嬉しい限りと言いますが、Yさんの言葉に、こちらこそ心拍数が大爆発するくらい感動してしまいました!
今回のラブラブデート編では、今まで書いていなかったCPも書けて、書いてる本人は大満足だったんですが、お楽しみいただけましたでしょうか。
番外編は何か尽きることがない感じですが、これからもお楽しみいただければと思います。
拍手&コメントありがとうございました!