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09. 同じもの2つ下さい (6)
2009.12.15 Tue
「なーんだよ、出掛けるとかって、デートだったわけ?」
予想どおりすぎるくらい予想どおりに、亮がニヤニヤしながら2人のところに近づいてきた。
いつもだったら皮肉百倍で言い返す真大も、さすがに高校からの先輩である亮にはそれも出来ないようで、何となく困ったような顔で視線を外した。
「そう。だから亮、邪魔しないで。あっち行って」
シッシッて追い払うような仕草をすれば、亮は未練がましい顔で離れて行った。
とりあえず、そのくらいの空気を読む力はあるらしい。
「ねぇ、どれにする?」
店内には亮もいて、しかもついさっきからかわれたばかりだというのに、真大の様子は今までと変わらない。どうやらやっぱり恥ずかしくはないらしい。
体裁ばかり気にしていた自分が、かえって恥ずかしいような気がした。
(でも照れ臭いもんは、照れ臭いの!)
だいたい亮が、いちいち冷やかしたりしなければいいのだ。
そうでなかったら、別に全然恥ずかしくなんかない……と思う。
(そうだ、亮が悪いんだ、全部。亮のせいだ!)
翔真は勝手に亮のせいにして、今は翔真たちから背を向けた状態になっている亮を睨んだ。
「翔真くん、ねぇ、どうすんの?」
「えっ? あー…えっと」
翔真は慌てて、指輪が並んだコーナーに意識を戻した。
「これ、よくない?」
「んー…これは?」
「それもいいね」
スーパー優柔不断な和衣の手前、自分は決断力があると自負していた翔真だったが、そうは言っても、初めて恋人と買うペアリングとなれば、やはりそう簡単には決められない。
趣味が似ていることもあってか、真大に示される指輪を、どれもみんないいと思ってしまう。
「ねぇねぇ、ペアリングならさ、これなんかよくない?」
2人であれこれと言い合っていたら、さっき気を利かせて離れて行ったはずの亮が、並んでいた指輪を1つ取って2人に見せてきた。
「ちょっ…亮!」
「これ、超お勧めよん。先週入荷したばっかだし」
咎めるような翔真の声を無視して、商品の説明を始める。
というか、亮に指輪を買うとか、ましてやペアリングを欲しがっているなんて、言った覚えはない。やっぱりこっそり翔真たちの様子を窺っていたに違いない。
商売熱心な店員ならやりがちなことだが、亮の場合は、そういうつもりではなくて、単に楽しんでいるだけだろう。
「ほっといて、て言ったじゃん」
「何だよぉ、せっかく人がいいの勧めてんのに~」
「お前には勧められたくないの、自分たちで決めたいの!」
「ちぇっ」
翔真に拒絶され、亮は再びすごすごと引き下がった。
せっかく来てくれた友人に、もっと構ってもらいたいらしい。分かりやす過ぎる亮の反応に、真大は思わず笑ってしまった。
「翔真くん、ねぇねぇ俺、亮くんのお勧めの指輪でもいいよ?」
「ダメ! あんなヤツのお勧めなんて」
ムキになる翔真がおかしい。
いつもずっと大人みたいなのに。何でも器用にこなして。
「じゃあ、翔真くんの、お勧めのね? 選んで?」
翔真の顔を覗き込めば、拗ねたような表情だったのが、途端に緩む。
(かわい…)
真剣な表情で指輪を見ている恋人の横顔を見つめながら、真大は思う。言えば絶対に怒るだろうけど。
予想どおりすぎるくらい予想どおりに、亮がニヤニヤしながら2人のところに近づいてきた。
いつもだったら皮肉百倍で言い返す真大も、さすがに高校からの先輩である亮にはそれも出来ないようで、何となく困ったような顔で視線を外した。
「そう。だから亮、邪魔しないで。あっち行って」
シッシッて追い払うような仕草をすれば、亮は未練がましい顔で離れて行った。
とりあえず、そのくらいの空気を読む力はあるらしい。
「ねぇ、どれにする?」
店内には亮もいて、しかもついさっきからかわれたばかりだというのに、真大の様子は今までと変わらない。どうやらやっぱり恥ずかしくはないらしい。
体裁ばかり気にしていた自分が、かえって恥ずかしいような気がした。
(でも照れ臭いもんは、照れ臭いの!)
だいたい亮が、いちいち冷やかしたりしなければいいのだ。
そうでなかったら、別に全然恥ずかしくなんかない……と思う。
(そうだ、亮が悪いんだ、全部。亮のせいだ!)
翔真は勝手に亮のせいにして、今は翔真たちから背を向けた状態になっている亮を睨んだ。
「翔真くん、ねぇ、どうすんの?」
「えっ? あー…えっと」
翔真は慌てて、指輪が並んだコーナーに意識を戻した。
「これ、よくない?」
「んー…これは?」
「それもいいね」
スーパー優柔不断な和衣の手前、自分は決断力があると自負していた翔真だったが、そうは言っても、初めて恋人と買うペアリングとなれば、やはりそう簡単には決められない。
趣味が似ていることもあってか、真大に示される指輪を、どれもみんないいと思ってしまう。
「ねぇねぇ、ペアリングならさ、これなんかよくない?」
2人であれこれと言い合っていたら、さっき気を利かせて離れて行ったはずの亮が、並んでいた指輪を1つ取って2人に見せてきた。
「ちょっ…亮!」
「これ、超お勧めよん。先週入荷したばっかだし」
咎めるような翔真の声を無視して、商品の説明を始める。
というか、亮に指輪を買うとか、ましてやペアリングを欲しがっているなんて、言った覚えはない。やっぱりこっそり翔真たちの様子を窺っていたに違いない。
商売熱心な店員ならやりがちなことだが、亮の場合は、そういうつもりではなくて、単に楽しんでいるだけだろう。
「ほっといて、て言ったじゃん」
「何だよぉ、せっかく人がいいの勧めてんのに~」
「お前には勧められたくないの、自分たちで決めたいの!」
「ちぇっ」
翔真に拒絶され、亮は再びすごすごと引き下がった。
せっかく来てくれた友人に、もっと構ってもらいたいらしい。分かりやす過ぎる亮の反応に、真大は思わず笑ってしまった。
「翔真くん、ねぇねぇ俺、亮くんのお勧めの指輪でもいいよ?」
「ダメ! あんなヤツのお勧めなんて」
ムキになる翔真がおかしい。
いつもずっと大人みたいなのに。何でも器用にこなして。
「じゃあ、翔真くんの、お勧めのね? 選んで?」
翔真の顔を覗き込めば、拗ねたような表情だったのが、途端に緩む。
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真剣な表情で指輪を見ている恋人の横顔を見つめながら、真大は思う。言えば絶対に怒るだろうけど。
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