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08. じゃあ買ってあげる (1)
2009.12.06 Sun
「あ、クリスマスツリー」
通り掛かったショップの店先に飾られているクリスマスツリーを見つけ、睦月は嬉しそうに指差した。
クリスマスまでにはまだ日にちはあるけれど、もうそんな時期になっているのだ。
「もうどっか、イルミネーションとか始まってんのかな。調べてくればよかったね」
「えーでも亮ー、イルミネーションて、夜でしょ?」
「そうだけど?」
ごく当たり前のことを確認して、なぜか睦月は少し顔を顰める。
「だって夜だと寒いじゃん。俺、寒い思いしてまでイルミネーションなんて、見なくてもいい」
「あのね。いや、睦月らしいけど」
そりゃ、クリスマスツリーが飾られたり、ジングルベルが聞こえたりと、街が浮かれた雰囲気になれば、もちろんそれは楽しいけれど、花より団子の睦月にしたら、寒い思いをしてイルミネーションを見るくらいなら、温かぬくぬくでおいしいものでも食べていたい。
ロマンチストの和衣と違って、睦月は、季節外れの海で喜んだりはしないのだ。
「睦月、今年のクリスマス、どうする? どっか出掛ける?」
「寒くないとこね」
「それって、出掛けないってことじゃなくて?」
「…まぁそうとも言うけど」
普段から寮の同室で生活をしているし、よく一緒に出掛けているのだから、クリスマスだからといって、今さらお出掛けてこともないのだけれど、亮としては、やっぱりちょっとは特別な雰囲気が欲しいところ。
睦月だって、そういうのが嫌いなわけではないと思うけれど。
「じゃあさぁ、あったかいとこならいい?」
「どこ?」
「んー…睦月が好きそうなとこ、リサーチしとく」
とは言ったものの、クリスマスまではまだあるとはいえ、予約が必要なところはもういっぱいだろうし、人気のスポットもきっと混雑するに違いない。
もっと計画的に行けばよかった、と亮は少し反省した。
「別に俺、どこも行かなくていいよ?」
「ぅん?」
「亮、まだお家帰んないんでしょ? 俺も帰んないから……一緒にいられたら、別にそれでいいし」
言った後、恥ずかしくなったのか、睦月は目を伏せた。
「…そっか。じゃあ、ケーキ買って、一緒に食べようね」
「クリスマスツリーもね」
「え? ツリー欲しいの? 睦月」
「うん、欲しい! 飾り付けするの」
途端、ウキウキした顔になった睦月は言うが、亮は素直には頷けない。
だって、飾り付けをするくらいのツリーなら、そこそこサイズは大きいはず。ただでさえ狭い寮の一室に、そんな大きさのツリーを飾る余裕など、果たしてあるだろうか。
「ね、ね、ツリー買お? 買って帰ろ?」
なのに睦月は、もうすっかりその気になってしまったようで、買おう買おうと、亮のコートの裾を引っ張る。
通り掛かったショップの店先に飾られているクリスマスツリーを見つけ、睦月は嬉しそうに指差した。
クリスマスまでにはまだ日にちはあるけれど、もうそんな時期になっているのだ。
「もうどっか、イルミネーションとか始まってんのかな。調べてくればよかったね」
「えーでも亮ー、イルミネーションて、夜でしょ?」
「そうだけど?」
ごく当たり前のことを確認して、なぜか睦月は少し顔を顰める。
「だって夜だと寒いじゃん。俺、寒い思いしてまでイルミネーションなんて、見なくてもいい」
「あのね。いや、睦月らしいけど」
そりゃ、クリスマスツリーが飾られたり、ジングルベルが聞こえたりと、街が浮かれた雰囲気になれば、もちろんそれは楽しいけれど、花より団子の睦月にしたら、寒い思いをしてイルミネーションを見るくらいなら、温かぬくぬくでおいしいものでも食べていたい。
ロマンチストの和衣と違って、睦月は、季節外れの海で喜んだりはしないのだ。
「睦月、今年のクリスマス、どうする? どっか出掛ける?」
「寒くないとこね」
「それって、出掛けないってことじゃなくて?」
「…まぁそうとも言うけど」
普段から寮の同室で生活をしているし、よく一緒に出掛けているのだから、クリスマスだからといって、今さらお出掛けてこともないのだけれど、亮としては、やっぱりちょっとは特別な雰囲気が欲しいところ。
睦月だって、そういうのが嫌いなわけではないと思うけれど。
「じゃあさぁ、あったかいとこならいい?」
「どこ?」
「んー…睦月が好きそうなとこ、リサーチしとく」
とは言ったものの、クリスマスまではまだあるとはいえ、予約が必要なところはもういっぱいだろうし、人気のスポットもきっと混雑するに違いない。
もっと計画的に行けばよかった、と亮は少し反省した。
「別に俺、どこも行かなくていいよ?」
「ぅん?」
「亮、まだお家帰んないんでしょ? 俺も帰んないから……一緒にいられたら、別にそれでいいし」
言った後、恥ずかしくなったのか、睦月は目を伏せた。
「…そっか。じゃあ、ケーキ買って、一緒に食べようね」
「クリスマスツリーもね」
「え? ツリー欲しいの? 睦月」
「うん、欲しい! 飾り付けするの」
途端、ウキウキした顔になった睦月は言うが、亮は素直には頷けない。
だって、飾り付けをするくらいのツリーなら、そこそこサイズは大きいはず。ただでさえ狭い寮の一室に、そんな大きさのツリーを飾る余裕など、果たしてあるだろうか。
「ね、ね、ツリー買お? 買って帰ろ?」
なのに睦月は、もうすっかりその気になってしまったようで、買おう買おうと、亮のコートの裾を引っ張る。
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