スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
07. つないだ小指 (5)
2009.12.04 Fri
「ゴメン。いや、でもマジで危ないから。和衣がよくても、俺のほうが気が気じゃない」
「う、うん…」
祐介はとても真面目に、本気で心配してくれているのだろうけど、面と向かってそんなふうに言われて、不謹慎にも和衣は嬉しいような、気恥ずかしいような気持ちになって、頬が熱くなる。
睦月に対して祐介はとても過保護だったから、きっといつもこんな調子なのだろう。
これに慣れっこになって、恥ずかしがりもせずに受け入れている睦月を、和衣は嫌みでなく尊敬する。自分だったら、絶対に心臓が持たない。
「じゃ、海まで靴履いてく」
和衣はこれ以上、祐介に心配を掛けないために、いったん脱いだ靴を履き直した。
言われてみれば、歩道に割れたガラスの破片が落ちていたり、ガード下にも汚れた泥の水たまりがあったりして、祐介が、裸足で歩こうとした和衣を止めたのも無理はない。
これでケガでもしたら、自分が痛い思いをするだけでなく、祐介にも迷惑が掛かってしまう。
(俺って、意外と考えなしだなぁ)
自分の無鉄砲さに、和衣は少し呆れてしまった。
「ここでなら靴、脱いでいいよね?」
浜辺の近くまで来て、それでも和衣は念のため、祐介にお伺いを立ててから靴を脱いだ。
「せっかく足拭いたのに、俺、また靴履いちゃった」
「帰るときに洗えばいいじゃん」
「そっか。ね、プリン食べていい?」
買ってもらったプリンを早く食べたくて、和衣は祐介の服の裾を引っ張った。
「どっか座る?」
「あそこ、あの階段のとこにしよ?」
上の駐車場から海岸に下りる階段を見つける。
海に来る人も殆どいないから、今だったらそこに座っていても、邪魔にはならないだろう。
和衣は隣に祐介が座ったのを確認すると、ペリペリとプリンのふたを剥がした。
「んふふ、おいし」
海はきれいだし、プリンはおいしいし、隣には祐介がいるし、最高に幸せ。
「祐介、はい」
和衣は自分でいくらか食べた後、小さなスプーンで掬った一口のプリンを祐介の口元に差し出した。
「…え?」
「はい、上げる」
上げるも何も、もとは祐介が買ってあげたものなのだけれど。
でも、こんなにおいしいのを1人で食べてるなんて勿体ないから、祐介にも食べさせてあげたかったのだが、何だか祐介は微妙な顔をしている。
「祐介?」
「あ…うん、ありがと…」
祐介は、スプーンの上のプリンを、口に入れた。
普通のコンビニプリン、でも、口の中で甘くとろける。
(ていうか、自覚ないんだろうなぁ…絶対)
祐介がチラリと隣を見れば、和衣はまた幸せそうにプリンを食べている。
まぁいいんだけれど、でも今のは「あーん」になるのでは…? と祐介は思うが、普段はそういったことで人一倍照れる和衣は何てことない顔をしていて、やはり自分が何をしたか分かっていないらしい。
(まいったな…)
和衣が思うのと同じくらいに、祐介だって2人で海に来て、一緒にいられるは、それだけで幸せなのだ。
「う、うん…」
祐介はとても真面目に、本気で心配してくれているのだろうけど、面と向かってそんなふうに言われて、不謹慎にも和衣は嬉しいような、気恥ずかしいような気持ちになって、頬が熱くなる。
睦月に対して祐介はとても過保護だったから、きっといつもこんな調子なのだろう。
これに慣れっこになって、恥ずかしがりもせずに受け入れている睦月を、和衣は嫌みでなく尊敬する。自分だったら、絶対に心臓が持たない。
「じゃ、海まで靴履いてく」
和衣はこれ以上、祐介に心配を掛けないために、いったん脱いだ靴を履き直した。
言われてみれば、歩道に割れたガラスの破片が落ちていたり、ガード下にも汚れた泥の水たまりがあったりして、祐介が、裸足で歩こうとした和衣を止めたのも無理はない。
これでケガでもしたら、自分が痛い思いをするだけでなく、祐介にも迷惑が掛かってしまう。
(俺って、意外と考えなしだなぁ)
自分の無鉄砲さに、和衣は少し呆れてしまった。
「ここでなら靴、脱いでいいよね?」
浜辺の近くまで来て、それでも和衣は念のため、祐介にお伺いを立ててから靴を脱いだ。
「せっかく足拭いたのに、俺、また靴履いちゃった」
「帰るときに洗えばいいじゃん」
「そっか。ね、プリン食べていい?」
買ってもらったプリンを早く食べたくて、和衣は祐介の服の裾を引っ張った。
「どっか座る?」
「あそこ、あの階段のとこにしよ?」
上の駐車場から海岸に下りる階段を見つける。
海に来る人も殆どいないから、今だったらそこに座っていても、邪魔にはならないだろう。
和衣は隣に祐介が座ったのを確認すると、ペリペリとプリンのふたを剥がした。
「んふふ、おいし」
海はきれいだし、プリンはおいしいし、隣には祐介がいるし、最高に幸せ。
「祐介、はい」
和衣は自分でいくらか食べた後、小さなスプーンで掬った一口のプリンを祐介の口元に差し出した。
「…え?」
「はい、上げる」
上げるも何も、もとは祐介が買ってあげたものなのだけれど。
でも、こんなにおいしいのを1人で食べてるなんて勿体ないから、祐介にも食べさせてあげたかったのだが、何だか祐介は微妙な顔をしている。
「祐介?」
「あ…うん、ありがと…」
祐介は、スプーンの上のプリンを、口に入れた。
普通のコンビニプリン、でも、口の中で甘くとろける。
(ていうか、自覚ないんだろうなぁ…絶対)
祐介がチラリと隣を見れば、和衣はまた幸せそうにプリンを食べている。
まぁいいんだけれど、でも今のは「あーん」になるのでは…? と祐介は思うが、普段はそういったことで人一倍照れる和衣は何てことない顔をしていて、やはり自分が何をしたか分かっていないらしい。
(まいったな…)
和衣が思うのと同じくらいに、祐介だって2人で海に来て、一緒にいられるは、それだけで幸せなのだ。
- 関連記事
-
- 07. つないだ小指 (6) (2009/12/05)
- 07. つないだ小指 (5) (2009/12/04)
- 07. つないだ小指 (4) (2009/12/03)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:Baby Baby Baby Love
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
コメントの投稿はこちらから ♥
COMMENT-FORM
くろねこ ⇒
でたでた、カズちゃんの無自覚天然小悪魔光線。
ゆっちの理性がどこまでもつか。
いまさらですが、ゆっちとカズちゃんが小指だけつないで並んで歩いてるのって、凄くないですか?私、すれちがったらガン見しますね。たぶん絶対見逃さないと思う。
あまりつるんで歩かないから一人で「わーわー、今の見た?」と自分に突っ込んでますよ。
あ、指きりげんまんでも繋いだ小指か。私ってば何暴走してんだ?熱のせいか?
ゆっちの理性がどこまでもつか。
いまさらですが、ゆっちとカズちゃんが小指だけつないで並んで歩いてるのって、凄くないですか?私、すれちがったらガン見しますね。たぶん絶対見逃さないと思う。
あまりつるんで歩かないから一人で「わーわー、今の見た?」と自分に突っ込んでますよ。
あ、指きりげんまんでも繋いだ小指か。私ってば何暴走してんだ?熱のせいか?
- |2009.12.04
- |Fri
- |10:50
- |URL
- |EDIT|
りり ⇒ ラブいです!!
この二人のシーンだと、何故かいつもゆっちさんの視線になってしまいます。
かわいいんだろうなカズちゃん。
裸足で歩こうとしたり、プリンを食べて嬉しそうにしたかと思うと「あーん」の甘さに気付いていなかったり。
考え無しの部分、頼りない部分も含めてピュアですよね。
恋愛純度100%って感じで、こんな風に混じりけなく思われたら、そりゃ落ち着いて見えるゆっちだって、心の中では大いに浮かれると思います。
くそぉ可愛いぞ!!(壊
(まいったな…)
を読んで、萌えすぎて参りました状態になりました。
かわいいんだろうなカズちゃん。
裸足で歩こうとしたり、プリンを食べて嬉しそうにしたかと思うと「あーん」の甘さに気付いていなかったり。
考え無しの部分、頼りない部分も含めてピュアですよね。
恋愛純度100%って感じで、こんな風に混じりけなく思われたら、そりゃ落ち着いて見えるゆっちだって、心の中では大いに浮かれると思います。
くそぉ可愛いぞ!!(壊
(まいったな…)
を読んで、萌えすぎて参りました状態になりました。
如月久美子 ⇒ >くろねこさん
> でたでた、カズちゃんの無自覚天然小悪魔光線。
> ゆっちの理性がどこまでもつか。
ホント、この子は、むっちゃんに負けず劣らずノ天然ちゃんですよね。
でも自分はしっかり者だと思ってるんだから…(苦笑)
ゆっちさんも、翻弄させられっ放しです。
> いまさらですが、ゆっちとカズちゃんが小指だけつないで並んで歩いてるのって、凄くないですか?私、すれちがったらガン見しますね。たぶん絶対見逃さないと思う。
> あまりつるんで歩かないから一人で「わーわー、今の見た?」と自分に突っ込んでますよ。
>
> あ、指きりげんまんでも繋いだ小指か。私ってば何暴走してんだ?熱のせいか?
うはは、暴走、大歓迎です!
でも小指だけ繋いで歩いてる姿、超かわいいかも~。
私も絶対、ガン見です!!
今度、お話にしようかなぁ~。
コメント、ありがとうございました!
> ゆっちの理性がどこまでもつか。
ホント、この子は、むっちゃんに負けず劣らずノ天然ちゃんですよね。
でも自分はしっかり者だと思ってるんだから…(苦笑)
ゆっちさんも、翻弄させられっ放しです。
> いまさらですが、ゆっちとカズちゃんが小指だけつないで並んで歩いてるのって、凄くないですか?私、すれちがったらガン見しますね。たぶん絶対見逃さないと思う。
> あまりつるんで歩かないから一人で「わーわー、今の見た?」と自分に突っ込んでますよ。
>
> あ、指きりげんまんでも繋いだ小指か。私ってば何暴走してんだ?熱のせいか?
うはは、暴走、大歓迎です!
でも小指だけ繋いで歩いてる姿、超かわいいかも~。
私も絶対、ガン見です!!
今度、お話にしようかなぁ~。
コメント、ありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >りりさん
> この二人のシーンだと、何故かいつもゆっちさんの視線になってしまいます。
自分がゆっちさんの立場だったら、それこそ心臓が持たないですよね。
ドキドキしてんのは、カズちゃんだけじゃないんだよ~、て教えてあげたいです。
> かわいいんだろうなカズちゃん。
> 裸足で歩こうとしたり、プリンを食べて嬉しそうにしたかと思うと「あーん」の甘さに気付いていなかったり。
> 考え無しの部分、頼りない部分も含めてピュアですよね。
> 恋愛純度100%って感じで、こんな風に混じりけなく思われたら、そりゃ落ち着いて見えるゆっちだって、心の中では大いに浮かれると思います。
無自覚に、こんなにかわいいことをしているのに、カズちゃん、自分じゃ、全然何もうまく出来ない…て思っちゃってるんですよね。
ゆっちさんのこと、こんなに惑わしておいて(笑)
> くそぉ可愛いぞ!!(壊
うはは。
くそぉ、て言いたくなる気持ち、よぉ~く分かります!
書きながら、女として私、ちょっと負けてるかも…とか思っちゃいましたし…(汗)
> (まいったな…)
>
> を読んで、萌えすぎて参りました状態になりました。
ありがとうございます~!
萌えすぎて。
何かその言葉に撃ち抜かれました!
コメントありがとうございました!
自分がゆっちさんの立場だったら、それこそ心臓が持たないですよね。
ドキドキしてんのは、カズちゃんだけじゃないんだよ~、て教えてあげたいです。
> かわいいんだろうなカズちゃん。
> 裸足で歩こうとしたり、プリンを食べて嬉しそうにしたかと思うと「あーん」の甘さに気付いていなかったり。
> 考え無しの部分、頼りない部分も含めてピュアですよね。
> 恋愛純度100%って感じで、こんな風に混じりけなく思われたら、そりゃ落ち着いて見えるゆっちだって、心の中では大いに浮かれると思います。
無自覚に、こんなにかわいいことをしているのに、カズちゃん、自分じゃ、全然何もうまく出来ない…て思っちゃってるんですよね。
ゆっちさんのこと、こんなに惑わしておいて(笑)
> くそぉ可愛いぞ!!(壊
うはは。
くそぉ、て言いたくなる気持ち、よぉ~く分かります!
書きながら、女として私、ちょっと負けてるかも…とか思っちゃいましたし…(汗)
> (まいったな…)
>
> を読んで、萌えすぎて参りました状態になりました。
ありがとうございます~!
萌えすぎて。
何かその言葉に撃ち抜かれました!
コメントありがとうございました!