スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
07. つないだ小指 (4)
2009.12.03 Thu
「あった! あ…あったよ、祐介」
タオル見つかった! て声を大きくしたけれど、店内に客自分たちしかいないから、思いのほか声が響いてしまって、和衣は慌てて声を小さくした。
それに、タオルの置いてある隣に、コンドームが並んでいる。
別にそんなつもりは全然ないけれど、傍から見たら、和衣がタオルじゃなくて、そっちのほうを見つけて祐介を呼んだみたいだ。
まぁ客は他にいないし、店員もまったくこちらに関心がないようだから、誰も何も気付いていないのだけれど。
「タオル、あった…」
「うん、じゃあそれ買ってこ? あと何かいる?」
「んー…」
祐介はお茶のペットボトルを手に持っている。
コーラとか買おうかな…て、和衣はキョロキョロしていたら、スイーツのコーナーを見つけてしまい、足が止まる。
「……エヘヘ、プリン…」
別に海まで来てプリンを買わなくても…とか一瞬、思ったけれど、やはり誘惑には勝てず、和衣はお気に入りのプリンを手に取った。
和衣はもちろん、自分の分は自分でお金を出すつもりだったのに、レジまで向かう間に祐介がそれを受け取って、お茶と一緒に会計をしてしまった。
「祐介、それは、」
「ぅん? いいよ」
「でも…」
和衣が少し困ったような顔をすれば、祐介は「じゃあ、また次のときね」と、あっさりかわされてしまった。
コンビニを出て、店のすぐ脇の目立たないところで、和衣は濡れた靴を脱いだ。中までビショビショ、靴下もすっかり濡れている。
「あーあ…。帰ったら、洗わなきゃ。洗濯機で洗えるかな?」
「靴を? 普通の洗濯機で? どうかなぁ…靴、傷みそうじゃない?」
「そっか。じゃあ、帰ったらゴシゴシしなきゃ」
洗濯機で洗うのは、簡単そうでいい案だと思ったけれど、祐介の言うとおり、ガラガラと洗濯機で回したら靴が傷みそうな気もする。お気に入りのだし、そうなったらとっても悲しいから、面倒くさいけれど、がんばって洗おう。
「え、何でそっちも脱ぐの?」
片方の足を拭き終えた和衣が、なぜか無事な左足の靴まで脱ぎ出した。
「だって、片足だけ裸足なのも。どうせ海まで戻ったら脱ぐし」
「でもここから裸足になって、どうやって海まで戻んの? 道路、裸足で歩く気?」
「うん」
和衣が平然とそう答えるものだから、祐介は仰天する。
だって浜辺までの道は、普通のアスファルトの道路に、線路のガード下も潜る。祐介だったら、とても裸足で歩く気になんてなれないのに。
「危ないって」
「平気だよ」
慌てる祐介をよそに、和衣はプリンの入った袋とスニーカーをそれぞれの手に持って、ポテポテと歩き出してしまう。
「和衣、ちょっ…」
「んー?」
「ケガしたらどうすんの、ダメだって!」
思いがけず強い口調で言われ、和衣は、祐介が本気で心配しているのだと分かって、足を止めた。
タオル見つかった! て声を大きくしたけれど、店内に客自分たちしかいないから、思いのほか声が響いてしまって、和衣は慌てて声を小さくした。
それに、タオルの置いてある隣に、コンドームが並んでいる。
別にそんなつもりは全然ないけれど、傍から見たら、和衣がタオルじゃなくて、そっちのほうを見つけて祐介を呼んだみたいだ。
まぁ客は他にいないし、店員もまったくこちらに関心がないようだから、誰も何も気付いていないのだけれど。
「タオル、あった…」
「うん、じゃあそれ買ってこ? あと何かいる?」
「んー…」
祐介はお茶のペットボトルを手に持っている。
コーラとか買おうかな…て、和衣はキョロキョロしていたら、スイーツのコーナーを見つけてしまい、足が止まる。
「……エヘヘ、プリン…」
別に海まで来てプリンを買わなくても…とか一瞬、思ったけれど、やはり誘惑には勝てず、和衣はお気に入りのプリンを手に取った。
和衣はもちろん、自分の分は自分でお金を出すつもりだったのに、レジまで向かう間に祐介がそれを受け取って、お茶と一緒に会計をしてしまった。
「祐介、それは、」
「ぅん? いいよ」
「でも…」
和衣が少し困ったような顔をすれば、祐介は「じゃあ、また次のときね」と、あっさりかわされてしまった。
コンビニを出て、店のすぐ脇の目立たないところで、和衣は濡れた靴を脱いだ。中までビショビショ、靴下もすっかり濡れている。
「あーあ…。帰ったら、洗わなきゃ。洗濯機で洗えるかな?」
「靴を? 普通の洗濯機で? どうかなぁ…靴、傷みそうじゃない?」
「そっか。じゃあ、帰ったらゴシゴシしなきゃ」
洗濯機で洗うのは、簡単そうでいい案だと思ったけれど、祐介の言うとおり、ガラガラと洗濯機で回したら靴が傷みそうな気もする。お気に入りのだし、そうなったらとっても悲しいから、面倒くさいけれど、がんばって洗おう。
「え、何でそっちも脱ぐの?」
片方の足を拭き終えた和衣が、なぜか無事な左足の靴まで脱ぎ出した。
「だって、片足だけ裸足なのも。どうせ海まで戻ったら脱ぐし」
「でもここから裸足になって、どうやって海まで戻んの? 道路、裸足で歩く気?」
「うん」
和衣が平然とそう答えるものだから、祐介は仰天する。
だって浜辺までの道は、普通のアスファルトの道路に、線路のガード下も潜る。祐介だったら、とても裸足で歩く気になんてなれないのに。
「危ないって」
「平気だよ」
慌てる祐介をよそに、和衣はプリンの入った袋とスニーカーをそれぞれの手に持って、ポテポテと歩き出してしまう。
「和衣、ちょっ…」
「んー?」
「ケガしたらどうすんの、ダメだって!」
思いがけず強い口調で言われ、和衣は、祐介が本気で心配しているのだと分かって、足を止めた。
- 関連記事
-
- 07. つないだ小指 (5) (2009/12/04)
- 07. つないだ小指 (4) (2009/12/03)
- 07. つないだ小指 (3) (2009/12/02)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:Baby Baby Baby Love
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
コメントの投稿はこちらから ♥
COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ 和ちゃん(笑)
世話焼きゆっちと和ちゃん、いいCPですなーw
あぁ~んもう、やっぱりゆっちさんいいわーー(///∇//)スキ♪
仙台の駅前のビル内(から外へ)を裸足で歩いていた柚子季の友人よりは危なくないと思うよ、ゆっち(苦笑)
あぁ~んもう、やっぱりゆっちさんいいわーー(///∇//)スキ♪
仙台の駅前のビル内(から外へ)を裸足で歩いていた柚子季の友人よりは危なくないと思うよ、ゆっち(苦笑)
くろねこ ⇒
それにしてもカズちゃんって父性本能刺激しまくりですね。
ゆっちさん、もうかわいくってしょうがないって感じ。海デートはまだまだ続く?
「だ~れもいない海~♪二人の愛を確かめたくって~♪あ~なたの腕をすりぬけてみた~の~♪」なんて昔の歌を思い出しました。
しかし柚子季さんのお友達って。仙台っていったら大都市じゃん。つわものですね~。あはははは・・・。
ゆっちさん、もうかわいくってしょうがないって感じ。海デートはまだまだ続く?
「だ~れもいない海~♪二人の愛を確かめたくって~♪あ~なたの腕をすりぬけてみた~の~♪」なんて昔の歌を思い出しました。
しかし柚子季さんのお友達って。仙台っていったら大都市じゃん。つわものですね~。あはははは・・・。
- |2009.12.03
- |Thu
- |08:48
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> 世話焼きゆっちと和ちゃん、いいCPですなーw
> あぁ~んもう、やっぱりゆっちさんいいわーー(///∇//)スキ♪
ゆっちさん、これまでのむっちゃんへの過保護っぷりな性格を、そう簡単には治せません。
ついついカズちゃんにも…。
カズちゃん的には、自分はむっちゃんよりもしっかりしてると思ってるんですけどね…(苦笑)
> 仙台の駅前のビル内(から外へ)を裸足で歩いていた柚子季の友人よりは危なくないと思うよ、ゆっち(苦笑)
仙台駅、10月に行きましたけど、あそこを~!?
それは絶対に、間違いなく危険ですっ!
コメントありがとうございました!
> あぁ~んもう、やっぱりゆっちさんいいわーー(///∇//)スキ♪
ゆっちさん、これまでのむっちゃんへの過保護っぷりな性格を、そう簡単には治せません。
ついついカズちゃんにも…。
カズちゃん的には、自分はむっちゃんよりもしっかりしてると思ってるんですけどね…(苦笑)
> 仙台の駅前のビル内(から外へ)を裸足で歩いていた柚子季の友人よりは危なくないと思うよ、ゆっち(苦笑)
仙台駅、10月に行きましたけど、あそこを~!?
それは絶対に、間違いなく危険ですっ!
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >くろねこさん
> それにしてもカズちゃんって父性本能刺激しまくりですね。
> ゆっちさん、もうかわいくってしょうがないって感じ。海デートはまだまだ続く?
カズちゃん自身は、自分のことをしっかり者だって思ってるんですけどね(苦笑)
けど、無意識に、放っておけないオーラを出してるようで…。
> 「だ~れもいない海~♪二人の愛を確かめたくって~♪あ~なたの腕をすりぬけてみた~の~♪」なんて昔の歌を思い出しました。
季節外れの海ですが、2人、すっかり青春しちゃってます。
今は2人の世界を満喫中。
羨ましい限りです(笑)
> しかし柚子季さんのお友達って。仙台っていったら大都市じゃん。つわものですね~。あはははは・・・。
ホントですよね~。
実際に行ってみましたけど、あそこを裸足で歩くなんて、つわものです~。
コメントありがとうございました!
> ゆっちさん、もうかわいくってしょうがないって感じ。海デートはまだまだ続く?
カズちゃん自身は、自分のことをしっかり者だって思ってるんですけどね(苦笑)
けど、無意識に、放っておけないオーラを出してるようで…。
> 「だ~れもいない海~♪二人の愛を確かめたくって~♪あ~なたの腕をすりぬけてみた~の~♪」なんて昔の歌を思い出しました。
季節外れの海ですが、2人、すっかり青春しちゃってます。
今は2人の世界を満喫中。
羨ましい限りです(笑)
> しかし柚子季さんのお友達って。仙台っていったら大都市じゃん。つわものですね~。あはははは・・・。
ホントですよね~。
実際に行ってみましたけど、あそこを裸足で歩くなんて、つわものです~。
コメントありがとうございました!