スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
07. つないだ小指 (3)
2009.12.02 Wed
「中まで染みてる?」
「…うん、右だけだけど」
お気に入りのハイカットのスニーカーだったのに…。
それでも被害が片足だけで済んだのは、祐介のおかげだ。
「もうちょっとこっち来ないと、また濡れるよ」
そう言って祐介は、若干落ち込み気味の和衣を、波打ち際から遠ざける。
「駅の向こうにコンビニあったから、行ってみる? タオルとか売ってるかもよ?」
「そうする…。ゴメンね、祐介…」
「いや、俺は全然いいんだけど、濡れたほうの靴、脱いだほうがいいじゃない? 足、気持ち悪いでしょ」
「気持ち悪いけど、片方裸足でコンビニ行くの、間抜けじゃない?」
「…………、うん、そうかも」
和衣の言ったとおりの姿を頭に思い浮かべたのだろう、しょんぼりしている和衣の隣で不謹慎かもしれないが、思わず祐介は吹き出してしまった。
「じゃあ、俺行ってくるよ。和衣、ここで待ってて」
「え、ヤダ! 俺も行く!」
足元はずぶ濡れで気持ち悪いけれど、ここに1人で残されるなんて、そんなのイヤだ。
「え、だって、どうすんの?」
「このまま行く」
「はぁ?」
和衣的には、そんな突拍子のないことを言ったつもりはないのだが、祐介はひどく驚いた顔をしている。
「…ダメ?」
片方だけ裸足で歩いていたら、もろにバレバレで、どうしたの? と思われるだろうけど、片足だけビショビショに濡れていても、注視していなければきっと気付かれない、和衣はそう思ったのだけれど。
「いや、まぁいいけど……じゃ、行こっか」
「うん」
濡れているせいで、靴にびっしりと砂が纏わり付くけれど、砂の上を歩いているうちは、そんなこと気にしていても切りがない。
コンクリの階段を登って道路に出たところで、和衣は地面に足をバンバンとして、靴に付いた砂を払った。
「何か靴、ギュポギュポするー」
「何それ」
和衣は何だかよく分からない擬音で、今の右足の状況を説明するが、確かに振り返れば、和衣の右足の足跡だけが点々と続いている。
「いらっしゃいませー」
自動ではないコンビニのドアを開ければ、あまりやる気があるとは思えない感じの声に出迎えられる。
系列は違うがコンビニでバイトしている和衣にしたら、いくら暇だからって、この態度はないんじゃないー? て思う。
「タオルってどこにあんだろ」
和衣も商品の補充でしかコンビニのタオル売り場になんか行かないから、よく分からなくて、店内を微妙に濡らしながらウロウロする。
「…うん、右だけだけど」
お気に入りのハイカットのスニーカーだったのに…。
それでも被害が片足だけで済んだのは、祐介のおかげだ。
「もうちょっとこっち来ないと、また濡れるよ」
そう言って祐介は、若干落ち込み気味の和衣を、波打ち際から遠ざける。
「駅の向こうにコンビニあったから、行ってみる? タオルとか売ってるかもよ?」
「そうする…。ゴメンね、祐介…」
「いや、俺は全然いいんだけど、濡れたほうの靴、脱いだほうがいいじゃない? 足、気持ち悪いでしょ」
「気持ち悪いけど、片方裸足でコンビニ行くの、間抜けじゃない?」
「…………、うん、そうかも」
和衣の言ったとおりの姿を頭に思い浮かべたのだろう、しょんぼりしている和衣の隣で不謹慎かもしれないが、思わず祐介は吹き出してしまった。
「じゃあ、俺行ってくるよ。和衣、ここで待ってて」
「え、ヤダ! 俺も行く!」
足元はずぶ濡れで気持ち悪いけれど、ここに1人で残されるなんて、そんなのイヤだ。
「え、だって、どうすんの?」
「このまま行く」
「はぁ?」
和衣的には、そんな突拍子のないことを言ったつもりはないのだが、祐介はひどく驚いた顔をしている。
「…ダメ?」
片方だけ裸足で歩いていたら、もろにバレバレで、どうしたの? と思われるだろうけど、片足だけビショビショに濡れていても、注視していなければきっと気付かれない、和衣はそう思ったのだけれど。
「いや、まぁいいけど……じゃ、行こっか」
「うん」
濡れているせいで、靴にびっしりと砂が纏わり付くけれど、砂の上を歩いているうちは、そんなこと気にしていても切りがない。
コンクリの階段を登って道路に出たところで、和衣は地面に足をバンバンとして、靴に付いた砂を払った。
「何か靴、ギュポギュポするー」
「何それ」
和衣は何だかよく分からない擬音で、今の右足の状況を説明するが、確かに振り返れば、和衣の右足の足跡だけが点々と続いている。
「いらっしゃいませー」
自動ではないコンビニのドアを開ければ、あまりやる気があるとは思えない感じの声に出迎えられる。
系列は違うがコンビニでバイトしている和衣にしたら、いくら暇だからって、この態度はないんじゃないー? て思う。
「タオルってどこにあんだろ」
和衣も商品の補充でしかコンビニのタオル売り場になんか行かないから、よく分からなくて、店内を微妙に濡らしながらウロウロする。
- 関連記事
-
- 07. つないだ小指 (4) (2009/12/03)
- 07. つないだ小指 (3) (2009/12/02)
- 07. つないだ小指 (2) (2009/12/01)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:Baby Baby Baby Love
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
コメントの投稿はこちらから ♥
COMMENT-FORM
りり ⇒
あぁ、ギュポギュポってすっごく分かる。
気持ち悪いんですよね。
折角きゃ~~海~~~てなってたのに。
コンビニをびしょびしょにしながらタオルを探すカズちゃん……。
でも如月さんのこと、きっとカズちゃんを幸せな気持ちにしてくれるはず♪
あっつなびいちゃんに変わってますね。
デジカメ持ち歩いてわたしもやりたいなと思いながら
そんな面白いことも日々ないか……とネガな理由で二の足踏んでます。
いちおくえん……当たったら何をしますか?
気持ち悪いんですよね。
折角きゃ~~海~~~てなってたのに。
コンビニをびしょびしょにしながらタオルを探すカズちゃん……。
でも如月さんのこと、きっとカズちゃんを幸せな気持ちにしてくれるはず♪
あっつなびいちゃんに変わってますね。
デジカメ持ち歩いてわたしもやりたいなと思いながら
そんな面白いことも日々ないか……とネガな理由で二の足踏んでます。
いちおくえん……当たったら何をしますか?
如月久美子 ⇒ >りりさん
> あぁ、ギュポギュポってすっごく分かる。
> 気持ち悪いんですよね。
分かっていただけました!?
何とも言えない、嫌な感じがしますよね~。
海を見てテンションを上げ、ゆっちさんの胸に飛び込んでテンションを上げ、でも靴はビショビショという……カズちゃんもいろいろと大変です(笑)
> あっつなびいちゃんに変わってますね。
> デジカメ持ち歩いてわたしもやりたいなと思いながら
> そんな面白いことも日々ないか……とネガな理由で二の足踏んでます。
以前から、始めようかな、でも登録すんのめんどい(パス覚えらんない)て、迷ってたんですが、かわいいマカロンちゃんをどうしてもアップしたくて…(笑)
私もそんなに写メとか撮らないんですよ~。
この写真が最後にならないように、がんばりま~す!
> いちおくえん……当たったら何をしますか?
1億じゃ、まだ仕事は辞められないし……て超現実的なことばっか話してます(泣)
コメントありがとうございました!
> 気持ち悪いんですよね。
分かっていただけました!?
何とも言えない、嫌な感じがしますよね~。
海を見てテンションを上げ、ゆっちさんの胸に飛び込んでテンションを上げ、でも靴はビショビショという……カズちゃんもいろいろと大変です(笑)
> あっつなびいちゃんに変わってますね。
> デジカメ持ち歩いてわたしもやりたいなと思いながら
> そんな面白いことも日々ないか……とネガな理由で二の足踏んでます。
以前から、始めようかな、でも登録すんのめんどい(パス覚えらんない)て、迷ってたんですが、かわいいマカロンちゃんをどうしてもアップしたくて…(笑)
私もそんなに写メとか撮らないんですよ~。
この写真が最後にならないように、がんばりま~す!
> いちおくえん……当たったら何をしますか?
1億じゃ、まだ仕事は辞められないし……て超現実的なことばっか話してます(泣)
コメントありがとうございました!