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07. つないだ小指 (2)
2009.12.01 Tue
「ヤベェ、超冷たいっ」
望みどおり海水に両手を浸しては、ものすごく当たり前のことを言っている和衣は、それでも満面の笑みだ。
「和衣、靴、靴濡れそうっ」
「貝殻~」
――――て、聞いてないし!
はしゃぎすぎて、今にも波が掛かりそうな自分の足元を全然見ていない和衣に声を掛けても、やっぱり気付かない。
でも、見て見て~、て無邪気に笑っている和衣は、とってもかわいいけれど。
「貝殻、いっぱい落ちてる~」
「拾ってくの?」
「ちょっとだけ」
今までに海はもちろん来たことはあるけれど、好きな人と――――祐介と来るのは初めてだから、思い出にしたい。
(帰ったら、むっちゃんに自慢しよっ)
たぶん睦月のことだから、貝殻を見たくらいじゃ何の感動もなく、羨ましがりもしないだろうけど、和衣は満足だから、それでいい。
「これキレイだよ」
「あっ、りがと…」
はい、て祐介が手渡してくれたのは、小さいけれど、形も崩れていないキレイな貝殻。
祐介から貰っちゃった、て、それだけのことなのに、和衣の胸はきゅうん、てなってしまって、祐介にベタ惚れな自分に、ちょっと照れてしまう。
(でもこれ、一生の宝物っ)
こんな拾った貝殻でなくても、もっといろいろ贈り物は貰っていて、そのたびに宝物だって思っているけれど。
「和衣っ!」
「…え? うわっ、ッ!」
1人で幸せに浸ってほわほわしていたら、いきなり祐介にグイッと腕を引っ張られて、それにもビックリしたけれど、その直後、右足が冷たくなって、驚いて跳ね上がった。
しかもそのせいで、予期もせず祐介の腕の中に飛び込む形になってしまい、一遍にいろんなことが起こって、和衣はパニックになる。
(なん…何で俺、祐介に抱き付いてっ…、てっ、足冷たいしっ…)
いったい自分の身に何が起こったのかと、和衣があわあわしていたら、祐介に「大丈夫?」と顔を覗き込まれた。
「…て、大丈夫じゃないよね、全然」
「へ…?」
大丈夫? て聞いてきた祐介が自分で、大丈夫じゃないよね、て苦笑しながら答えてしまうから、まだわけの分かっていない和衣は、ポカンとしている。
「靴、濡れてる」
「えっ? あれ!? ホントだっ、ヤバ!」
まったく見当違いなタイミングで慌て出す和衣に、今度は祐介がきょとんとする番だ。
「やぁ~、靴、ビッチョビチョだよ~…」
さっき祐介が和衣の腕を引っ張ったのは、和衣の立っていたところまで波が及びそうだったのに、それに和衣が気付かないでいたからだったのだ。
腕の中に飛び込んで、ドキドキしている場合じゃなかった。
望みどおり海水に両手を浸しては、ものすごく当たり前のことを言っている和衣は、それでも満面の笑みだ。
「和衣、靴、靴濡れそうっ」
「貝殻~」
――――て、聞いてないし!
はしゃぎすぎて、今にも波が掛かりそうな自分の足元を全然見ていない和衣に声を掛けても、やっぱり気付かない。
でも、見て見て~、て無邪気に笑っている和衣は、とってもかわいいけれど。
「貝殻、いっぱい落ちてる~」
「拾ってくの?」
「ちょっとだけ」
今までに海はもちろん来たことはあるけれど、好きな人と――――祐介と来るのは初めてだから、思い出にしたい。
(帰ったら、むっちゃんに自慢しよっ)
たぶん睦月のことだから、貝殻を見たくらいじゃ何の感動もなく、羨ましがりもしないだろうけど、和衣は満足だから、それでいい。
「これキレイだよ」
「あっ、りがと…」
はい、て祐介が手渡してくれたのは、小さいけれど、形も崩れていないキレイな貝殻。
祐介から貰っちゃった、て、それだけのことなのに、和衣の胸はきゅうん、てなってしまって、祐介にベタ惚れな自分に、ちょっと照れてしまう。
(でもこれ、一生の宝物っ)
こんな拾った貝殻でなくても、もっといろいろ贈り物は貰っていて、そのたびに宝物だって思っているけれど。
「和衣っ!」
「…え? うわっ、ッ!」
1人で幸せに浸ってほわほわしていたら、いきなり祐介にグイッと腕を引っ張られて、それにもビックリしたけれど、その直後、右足が冷たくなって、驚いて跳ね上がった。
しかもそのせいで、予期もせず祐介の腕の中に飛び込む形になってしまい、一遍にいろんなことが起こって、和衣はパニックになる。
(なん…何で俺、祐介に抱き付いてっ…、てっ、足冷たいしっ…)
いったい自分の身に何が起こったのかと、和衣があわあわしていたら、祐介に「大丈夫?」と顔を覗き込まれた。
「…て、大丈夫じゃないよね、全然」
「へ…?」
大丈夫? て聞いてきた祐介が自分で、大丈夫じゃないよね、て苦笑しながら答えてしまうから、まだわけの分かっていない和衣は、ポカンとしている。
「靴、濡れてる」
「えっ? あれ!? ホントだっ、ヤバ!」
まったく見当違いなタイミングで慌て出す和衣に、今度は祐介がきょとんとする番だ。
「やぁ~、靴、ビッチョビチョだよ~…」
さっき祐介が和衣の腕を引っ張ったのは、和衣の立っていたところまで波が及びそうだったのに、それに和衣が気付かないでいたからだったのだ。
腕の中に飛び込んで、ドキドキしている場合じゃなかった。
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