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07. つないだ小指 (1)
2009.11.30 Mon
今年の夏、海に行きそびれたー…て和衣が嘆いていたら、「じゃあ、ちょっと季節外れだけど、今度の日曜日、海に行く?」て祐介が誘ってくれたので、それ以来、和衣のテンションはMAX状態が続いていた。
祐介の前では出来るだけ普通を装っているけれど、あからさまに浮かれていて、案の定、睦月から「カズちゃん、鬱陶しすぎ」と呆れ顔で突っ込まれたが、そんなこと言われても、嬉しいものは嬉しいんだから、仕方がない。
(はぁー…、俺、幸せ…)
出掛けるのはこれからなのに、和衣はずっと幸せに浸りっ放しだ。
翔真に、「カズって、超お得な性格してるよね」とか言われたって、そんなの全然気にならない。
(だって楽しみなんだもん!)
前の日も、早く寝なきゃ、てふとんに入ったのに、なかなか寝付けなくて、足をジタバタジタバタさせていたら、同室者に「何暴れてんの?」とか言われて、ようやく和衣は大人しく目を閉じたのだった。
*****
(よかった、晴れた――――)
海に出掛けることが決まって以来、毎日、晴れますように、とお願いしていた和衣の祈りが通じたのか、朝起きると空は晴れ渡っていて、それだけで和衣は幸せ気分いっぱいになる。
翔真の言ったとおり、本当に和衣はお得な性格をしているかもしれない。
同じ寮の同じ階に住んでいるにもかかわらず、相変わらず、集合玄関の前で待ち合わせて、2人は海へと向かった。
祐介的には、部屋から一緒に出掛けてもいいんだけれど、和衣が待ち合わせするのをとても気に入っているようなので、それに合わせているのだ。
「キャー、海~!!」
海が近いだけの小さな駅。
海水浴の時期でもない今、2人以外に降りる客は数人しかいない。
到着した駅を出てガード下を潜れば、眼前には大きく海が広がっていて、和衣のテンションは一気に上昇し、今にも浜辺へ向かって走り出しそうだ。
「祐介、海! 海~!」
祐介が海に誘って以来、隠しているつもりだろうが、和衣がずっと嬉しそうに、楽しみにしているのが分かったから、一緒に来れて本当によかったと思う。
「和衣、海に入るの?」
「うー…でもさすがにそれは無理だよね。水、冷たそう…」
「だね」
「夏来たら、全然違ってたんだろうねー」
晴れて気温は暖かいけれど、季節柄、水温は絶対に冷たいに違いないから、残念だけれど、海に入るのはちょっと無理かもしれない。
海の家も営業を終了して、みんな撤収されているし、浜辺にも小さな子ども連れの若い夫婦がいるだけで、夏の雰囲気とは違う。
「でも…ちょっとだけ入ろっかな?」
「風邪引くよ」
「水に手浸けるだけ!」
止めようとする祐介の言葉を遮って、和衣は砂浜を駆け出した。
あっ、て思ったときにはもう、和衣は砂の上をダッシュしているから、祐介も慌てて後を追い掛ける。
無邪気に浜辺を走り合う……て、まったく一体どんな青春野郎だよ、とかちょっと今の自分たちに突っ込みたかったけれど、いや、でも意外と楽しい。
祐介の前では出来るだけ普通を装っているけれど、あからさまに浮かれていて、案の定、睦月から「カズちゃん、鬱陶しすぎ」と呆れ顔で突っ込まれたが、そんなこと言われても、嬉しいものは嬉しいんだから、仕方がない。
(はぁー…、俺、幸せ…)
出掛けるのはこれからなのに、和衣はずっと幸せに浸りっ放しだ。
翔真に、「カズって、超お得な性格してるよね」とか言われたって、そんなの全然気にならない。
(だって楽しみなんだもん!)
前の日も、早く寝なきゃ、てふとんに入ったのに、なかなか寝付けなくて、足をジタバタジタバタさせていたら、同室者に「何暴れてんの?」とか言われて、ようやく和衣は大人しく目を閉じたのだった。
*****
(よかった、晴れた――――)
海に出掛けることが決まって以来、毎日、晴れますように、とお願いしていた和衣の祈りが通じたのか、朝起きると空は晴れ渡っていて、それだけで和衣は幸せ気分いっぱいになる。
翔真の言ったとおり、本当に和衣はお得な性格をしているかもしれない。
同じ寮の同じ階に住んでいるにもかかわらず、相変わらず、集合玄関の前で待ち合わせて、2人は海へと向かった。
祐介的には、部屋から一緒に出掛けてもいいんだけれど、和衣が待ち合わせするのをとても気に入っているようなので、それに合わせているのだ。
「キャー、海~!!」
海が近いだけの小さな駅。
海水浴の時期でもない今、2人以外に降りる客は数人しかいない。
到着した駅を出てガード下を潜れば、眼前には大きく海が広がっていて、和衣のテンションは一気に上昇し、今にも浜辺へ向かって走り出しそうだ。
「祐介、海! 海~!」
祐介が海に誘って以来、隠しているつもりだろうが、和衣がずっと嬉しそうに、楽しみにしているのが分かったから、一緒に来れて本当によかったと思う。
「和衣、海に入るの?」
「うー…でもさすがにそれは無理だよね。水、冷たそう…」
「だね」
「夏来たら、全然違ってたんだろうねー」
晴れて気温は暖かいけれど、季節柄、水温は絶対に冷たいに違いないから、残念だけれど、海に入るのはちょっと無理かもしれない。
海の家も営業を終了して、みんな撤収されているし、浜辺にも小さな子ども連れの若い夫婦がいるだけで、夏の雰囲気とは違う。
「でも…ちょっとだけ入ろっかな?」
「風邪引くよ」
「水に手浸けるだけ!」
止めようとする祐介の言葉を遮って、和衣は砂浜を駆け出した。
あっ、て思ったときにはもう、和衣は砂の上をダッシュしているから、祐介も慌てて後を追い掛ける。
無邪気に浜辺を走り合う……て、まったく一体どんな青春野郎だよ、とかちょっと今の自分たちに突っ込みたかったけれど、いや、でも意外と楽しい。
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