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06. 並んですわる? (4)
2009.11.29 Sun
「待ち受けにしちゃおっかなー」
「バカ、ぜってぇやめろ」
「嘘だよ。これは俺だけの保存版にしとく」
郁雅に写真を消されることを恐れたのか、蒼一郎はそそくさと携帯電話をしまった。
「ん? 郁? 怒った?」
蒼一郎が携帯電話を片付けるまでの動作を、黙ってジッと見ていた郁雅の顔を、覗き込む。
勝手なことをしたと思われただろうか。
「郁?」
「何でお前だけの保存版なわけ?」
「え?」
「俺も写ってんのに? お前だけのなの?」
「…………」
無意識の仕草なのか、少し首を傾けて、郁雅は蒼一郎を見つめている。
その表情が、何だかいつもより幼く見えて、自然と蒼一郎の頬は緩む。
「蒼? わっ、ちょっ…」
蒼一郎は、繋いでいた手を解いて、郁雅を抱き寄せた。
驚いた郁雅は、一瞬身じろいだけれど、すぐに大人しくその腕の中に収まる。
「大丈夫、後で郁にも送るし。だから郁もちゃんと保存版ね?」
「…ん」
いつの間にか観覧車はてっぺんを通り過ぎて、地上へと向かい始めている。
あと、少しだけ。
「郁ー、チュウしよ?」
「…バーカ」
「ひでぇ」
そう言われることを承知で言ってみたんだけれど、やっぱりバカて言われてしまった。
思わず自分に苦笑い。
「蒼ー」
「ん? んぁっ! ちょっ、郁!」
郁雅に呼ばれるがまま振り向けば、いきなり唇に柔らかな感触。
それが郁雅の唇だってことに、ようはキスされたんだってことに、蒼一郎はすぐに気が付いて、びっくりして思わず身を離してしまった。
「…んだよ。しよ、つったの、お前だろ」
あまりにも蒼一郎が勢いよく離れるものだから、郁雅はムッとした顔で唇を突き出した。
そんな表情もかわいいけれど、いや…唇そんなふうに突き出されると。
「もーいいよ、蒼のバカ」
「ゴメン、郁、ゴメンて!。もっかいして? ね?」
「ダメ。もう着いちゃう」
このゴンドラが下まで着いたら、2人だけの時間は終わりだから。
――――だから。
「帰って、いっぱいキスしよ?」
*end*
「バカ、ぜってぇやめろ」
「嘘だよ。これは俺だけの保存版にしとく」
郁雅に写真を消されることを恐れたのか、蒼一郎はそそくさと携帯電話をしまった。
「ん? 郁? 怒った?」
蒼一郎が携帯電話を片付けるまでの動作を、黙ってジッと見ていた郁雅の顔を、覗き込む。
勝手なことをしたと思われただろうか。
「郁?」
「何でお前だけの保存版なわけ?」
「え?」
「俺も写ってんのに? お前だけのなの?」
「…………」
無意識の仕草なのか、少し首を傾けて、郁雅は蒼一郎を見つめている。
その表情が、何だかいつもより幼く見えて、自然と蒼一郎の頬は緩む。
「蒼? わっ、ちょっ…」
蒼一郎は、繋いでいた手を解いて、郁雅を抱き寄せた。
驚いた郁雅は、一瞬身じろいだけれど、すぐに大人しくその腕の中に収まる。
「大丈夫、後で郁にも送るし。だから郁もちゃんと保存版ね?」
「…ん」
いつの間にか観覧車はてっぺんを通り過ぎて、地上へと向かい始めている。
あと、少しだけ。
「郁ー、チュウしよ?」
「…バーカ」
「ひでぇ」
そう言われることを承知で言ってみたんだけれど、やっぱりバカて言われてしまった。
思わず自分に苦笑い。
「蒼ー」
「ん? んぁっ! ちょっ、郁!」
郁雅に呼ばれるがまま振り向けば、いきなり唇に柔らかな感触。
それが郁雅の唇だってことに、ようはキスされたんだってことに、蒼一郎はすぐに気が付いて、びっくりして思わず身を離してしまった。
「…んだよ。しよ、つったの、お前だろ」
あまりにも蒼一郎が勢いよく離れるものだから、郁雅はムッとした顔で唇を突き出した。
そんな表情もかわいいけれど、いや…唇そんなふうに突き出されると。
「もーいいよ、蒼のバカ」
「ゴメン、郁、ゴメンて!。もっかいして? ね?」
「ダメ。もう着いちゃう」
このゴンドラが下まで着いたら、2人だけの時間は終わりだから。
――――だから。
「帰って、いっぱいキスしよ?」
*end*
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