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06. 並んですわる? (3)
2009.11.28 Sat
「いいじゃん、郁、こっち来て?」
「ちょっ」
「えへへ」
戸惑う郁雅の手を取って、蒼一郎は隣に座らせた――――うえに、郁雅が隣に座っても、繋いだ手を離してくれない。
「蒼、……手」
「いいじゃん、別に誰もいないんだし」
「いいけど、何か恥ずい」
「え、手繋ぐのが?」
「いや、お前が」
「何でっ!」
すぐにムキになる蒼一郎がおかしい。
声を上げて笑えば、蒼一郎はますますむくれてしまう。
「何笑ってんの、郁! 笑いすぎ!」
「あ、あそこ超キレイ」
「聞いてよ! 郁!」
蒼一郎を無視して窓の外の夜景を指差せば、今度は、繋いでいる手をブンブン振り出す。
もうホント、おかしくて仕方ない。
「バッ、蒼、やめろってー、あはは」
観覧車の中で、何でこんなにはしゃいでいるのか分からない。
でも何だかやけにテンションが上がってしまって、もう笑いが止まらない。
確か機嫌を損ねていたはずの蒼一郎も、つられたのか、笑い出しているし。
「ヤベ、超浮かれてる」
「いいじゃん。ねぇ郁ー。浮かれついでに、写メ撮らね?」
「えー…お前ってホント、超恥ずかしい。てか、ついでじゃねぇし、それ」
けれど蒼一郎は聞く耳持たず、携帯電話を取り出して、カメラを起動させている。
郁雅は少しだけ抵抗したけれど、そこまで拒絶することでもないからって、大人しく蒼一郎の様子を見ていた。
「夜景も入るかなー?」
「いや、無理だろ。暗いし」
カメラのレンズを通してしまうと、どうしても人の目で見たようには写らない。
それでも蒼一郎はがんばって夜景も収めようと、キュウキュウに郁雅にくっ付いてくる。
「おま…ちょっ、くっ付きすぎだって」
「郁、もっと顔こっち!」
「近ぇって」
ギャアギャア喚いているうち、機械的なシャッター音がゴンドラの中に響く。
蒼一郎が決定ボタンを押してしまったのだ。
「ちょっ…お前、今の絶対シャッターチャンスじゃなかっただろー…」
「そんなことないって。ホラ」
保存しないうちに消してしまわないよう、ちゃんと保存をしてから、蒼一郎は今撮った写真を郁雅に見せてやる。
画面いっぱいに写った2人の顔。
笑い過ぎな気もするが、いい顔はしている。
「ね、いいでしょ?」
「まぁ……うん」
顔がいっぱいに写り過ぎていて、蒼一郎ががんばって入れようとしていた夜景は全然写っていないけれど、撮った本人がそれで満足しているようなので、突っ込むことはしない。
がんばれば、観覧車の中だということも分からないではないから。
「ちょっ」
「えへへ」
戸惑う郁雅の手を取って、蒼一郎は隣に座らせた――――うえに、郁雅が隣に座っても、繋いだ手を離してくれない。
「蒼、……手」
「いいじゃん、別に誰もいないんだし」
「いいけど、何か恥ずい」
「え、手繋ぐのが?」
「いや、お前が」
「何でっ!」
すぐにムキになる蒼一郎がおかしい。
声を上げて笑えば、蒼一郎はますますむくれてしまう。
「何笑ってんの、郁! 笑いすぎ!」
「あ、あそこ超キレイ」
「聞いてよ! 郁!」
蒼一郎を無視して窓の外の夜景を指差せば、今度は、繋いでいる手をブンブン振り出す。
もうホント、おかしくて仕方ない。
「バッ、蒼、やめろってー、あはは」
観覧車の中で、何でこんなにはしゃいでいるのか分からない。
でも何だかやけにテンションが上がってしまって、もう笑いが止まらない。
確か機嫌を損ねていたはずの蒼一郎も、つられたのか、笑い出しているし。
「ヤベ、超浮かれてる」
「いいじゃん。ねぇ郁ー。浮かれついでに、写メ撮らね?」
「えー…お前ってホント、超恥ずかしい。てか、ついでじゃねぇし、それ」
けれど蒼一郎は聞く耳持たず、携帯電話を取り出して、カメラを起動させている。
郁雅は少しだけ抵抗したけれど、そこまで拒絶することでもないからって、大人しく蒼一郎の様子を見ていた。
「夜景も入るかなー?」
「いや、無理だろ。暗いし」
カメラのレンズを通してしまうと、どうしても人の目で見たようには写らない。
それでも蒼一郎はがんばって夜景も収めようと、キュウキュウに郁雅にくっ付いてくる。
「おま…ちょっ、くっ付きすぎだって」
「郁、もっと顔こっち!」
「近ぇって」
ギャアギャア喚いているうち、機械的なシャッター音がゴンドラの中に響く。
蒼一郎が決定ボタンを押してしまったのだ。
「ちょっ…お前、今の絶対シャッターチャンスじゃなかっただろー…」
「そんなことないって。ホラ」
保存しないうちに消してしまわないよう、ちゃんと保存をしてから、蒼一郎は今撮った写真を郁雅に見せてやる。
画面いっぱいに写った2人の顔。
笑い過ぎな気もするが、いい顔はしている。
「ね、いいでしょ?」
「まぁ……うん」
顔がいっぱいに写り過ぎていて、蒼一郎ががんばって入れようとしていた夜景は全然写っていないけれど、撮った本人がそれで満足しているようなので、突っ込むことはしない。
がんばれば、観覧車の中だということも分からないではないから。
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COMMENT-FORM
くろねこ ⇒
如月様おはようございます~♡
お久しぶりです。ここまで一気読みしちゃいました。
真大君が無事おそろの指輪を買えたことを祈りつつ、今度は蒼ちゃん郁ちゃんの遊園地デート!
いつお邪魔しても、ほのぼのと甘いカップルのそれでいて当人たちはヤキモキしているお話に癒やされます。
そこらへん(って、うちの娘だったりして)の女の子より、よっぽど乙女で純情でかわいい~~。
ライトアップされた遊園地を一望できる観覧車!しかも対面じゃなく隣に座って、次は頂上で・・・・むふふ。
ちょっとツンデレっぽい郁雅くんの反応が楽しみです。(^^)/
お久しぶりです。ここまで一気読みしちゃいました。
真大君が無事おそろの指輪を買えたことを祈りつつ、今度は蒼ちゃん郁ちゃんの遊園地デート!
いつお邪魔しても、ほのぼのと甘いカップルのそれでいて当人たちはヤキモキしているお話に癒やされます。
そこらへん(って、うちの娘だったりして)の女の子より、よっぽど乙女で純情でかわいい~~。
ライトアップされた遊園地を一望できる観覧車!しかも対面じゃなく隣に座って、次は頂上で・・・・むふふ。
ちょっとツンデレっぽい郁雅くんの反応が楽しみです。(^^)/
- |2009.11.28
- |Sat
- |09:11
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >くろねこさん
レスが遅くなって、申し訳ありませんっ!!
お忙しい中、一気読みっ…!!
……甘々すぎて、胸焼けしませんでしたか…? (笑)
> 真大君が無事おそろの指輪を買えたことを祈りつつ、今度は蒼ちゃん郁ちゃんの遊園地デート!
真大タンたちのお話、いいところでぶった切りやがって~! て感じですよね。
翔ちゃんファンだと楽しみにしているかたがいるようだったのに、私ってヤツは…orz
でもでも!
このラブラブデート編では、また登場しますんで!
> そこらへん(って、うちの娘だったりして)の女の子より、よっぽど乙女で純情でかわいい~~。
> ライトアップされた遊園地を一望できる観覧車!しかも対面じゃなく隣に座って、次は頂上で・・・・むふふ。
私の書くかわいい男子は、どうも女の子より乙女ですよね。
今どきの女の子は、結構元気ありますしね(苦笑)
コメントありがとうございました!
お忙しい中、一気読みっ…!!
……甘々すぎて、胸焼けしませんでしたか…? (笑)
> 真大君が無事おそろの指輪を買えたことを祈りつつ、今度は蒼ちゃん郁ちゃんの遊園地デート!
真大タンたちのお話、いいところでぶった切りやがって~! て感じですよね。
翔ちゃんファンだと楽しみにしているかたがいるようだったのに、私ってヤツは…orz
でもでも!
このラブラブデート編では、また登場しますんで!
> そこらへん(って、うちの娘だったりして)の女の子より、よっぽど乙女で純情でかわいい~~。
> ライトアップされた遊園地を一望できる観覧車!しかも対面じゃなく隣に座って、次は頂上で・・・・むふふ。
私の書くかわいい男子は、どうも女の子より乙女ですよね。
今どきの女の子は、結構元気ありますしね(苦笑)
コメントありがとうございました!