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06. 並んですわる? (2)
2009.11.27 Fri
「もう、並んじゃう?」
「え?」
「あれ」
郁雅の手から、空になったコーラの紙コップを取って、蒼一郎が立ち上がった。さりげなく紙コップを奪われた郁雅は、手持ち無沙汰になった手を持て余しながら後に続く。
当たり前のように郁雅の分まで片付けてくれるのは、いつものこと。
子どもみたいだし、手は掛かるし、情けない顔ばっかしているくせに、でも自然にカッコいいことをやってのけるし。
(だから、えっと…)
――――好き?
まぁ、そういうことだ。結局、何だかんだ言っても、全部引っ括めて、好きってこと。
「結構並んでんね」
「…、、えっ、何が?」
完全に思考がすっ飛んでいて、不意に掛けられた蒼一郎の言葉が、全然分からなかった。
よほど郁雅が驚いた顔をしていたのだろう、蒼一郎のほうを見れば、話し掛けた蒼一郎も、え? みたいな表情をしている。
「何がって……列?」
「……、列? いやゴメン、やっぱ聞いてなかった」
郁雅は何とか聞いてる振りをしてごまかそうかとしたけれど、ちょっと考えても分からず、結局諦め、聞いていなかったことを素直に認めた。
「何だよぉ、郁のバカー」
「ゴメンって。てか何、そんな重要なこと言ってたの?」
「えー…重要てか、うん、『結構並んでるね』て」
「何だよ、超普通のことじゃん」
いや、言っていることは何も間違っていないけれど。
でもそんな顔をして……さっきまでカッコいいとか思っていた、その余韻を返してほしい。
「…まぁいいけど」
「え、何で郁、ちょっと上から目線?」
「何でもない、こっちのこと」
観覧車はすでにイルミネーションが点灯していて、他のアトラクション同様、幾分か列が出来ていて、2人がその最後尾に付けば、すぐにその後ろにも人が並び出した。
やはり夜景目当てに、日が落ちてから乗る人も多いのかもしれない。
観覧車は片側に2人ずつ座れる4人乗りタイプで、混んでいるから、2人連れの蒼一郎と郁雅は他のグループと一緒にさせられるかと思ったが、運よく前は親子3人、後ろは女の子4人組だったので、結局、2人きりで乗れることになった。
2人がゴンドラに乗り込むとき、後ろの女の子たちの視線を感じないでもなかったが、そういうのはもう慣れているので、郁雅は気にしない振りをする。
「え、郁、そっち座んの?」
係員がドアを閉め、蒼一郎が進行方向に向かって座ったので、何となく郁雅はその向かいに座ったのだが、蒼一郎にはそれがすごく不思議だったようで、何で? 何で? としつこい。
「何でって……何となく?」
別に同じ側に座ったからって、ゴンドラのバランスが崩れるとかはないだろうけど、だって普通、ご飯を食べに行ってテーブル席に通されたって、こういうふうに座るし、本当に何となく郁雅はこちら側に座っただけなのだが。
「え、並んで座る?」
蒼一郎の言いたいことが分かり、今度は郁雅が驚く番だった。
けれど蒼一郎は、当然並んで座るものだと思っていたらしく、何で驚くの? といった顔だ。
「え?」
「あれ」
郁雅の手から、空になったコーラの紙コップを取って、蒼一郎が立ち上がった。さりげなく紙コップを奪われた郁雅は、手持ち無沙汰になった手を持て余しながら後に続く。
当たり前のように郁雅の分まで片付けてくれるのは、いつものこと。
子どもみたいだし、手は掛かるし、情けない顔ばっかしているくせに、でも自然にカッコいいことをやってのけるし。
(だから、えっと…)
――――好き?
まぁ、そういうことだ。結局、何だかんだ言っても、全部引っ括めて、好きってこと。
「結構並んでんね」
「…、、えっ、何が?」
完全に思考がすっ飛んでいて、不意に掛けられた蒼一郎の言葉が、全然分からなかった。
よほど郁雅が驚いた顔をしていたのだろう、蒼一郎のほうを見れば、話し掛けた蒼一郎も、え? みたいな表情をしている。
「何がって……列?」
「……、列? いやゴメン、やっぱ聞いてなかった」
郁雅は何とか聞いてる振りをしてごまかそうかとしたけれど、ちょっと考えても分からず、結局諦め、聞いていなかったことを素直に認めた。
「何だよぉ、郁のバカー」
「ゴメンって。てか何、そんな重要なこと言ってたの?」
「えー…重要てか、うん、『結構並んでるね』て」
「何だよ、超普通のことじゃん」
いや、言っていることは何も間違っていないけれど。
でもそんな顔をして……さっきまでカッコいいとか思っていた、その余韻を返してほしい。
「…まぁいいけど」
「え、何で郁、ちょっと上から目線?」
「何でもない、こっちのこと」
観覧車はすでにイルミネーションが点灯していて、他のアトラクション同様、幾分か列が出来ていて、2人がその最後尾に付けば、すぐにその後ろにも人が並び出した。
やはり夜景目当てに、日が落ちてから乗る人も多いのかもしれない。
観覧車は片側に2人ずつ座れる4人乗りタイプで、混んでいるから、2人連れの蒼一郎と郁雅は他のグループと一緒にさせられるかと思ったが、運よく前は親子3人、後ろは女の子4人組だったので、結局、2人きりで乗れることになった。
2人がゴンドラに乗り込むとき、後ろの女の子たちの視線を感じないでもなかったが、そういうのはもう慣れているので、郁雅は気にしない振りをする。
「え、郁、そっち座んの?」
係員がドアを閉め、蒼一郎が進行方向に向かって座ったので、何となく郁雅はその向かいに座ったのだが、蒼一郎にはそれがすごく不思議だったようで、何で? 何で? としつこい。
「何でって……何となく?」
別に同じ側に座ったからって、ゴンドラのバランスが崩れるとかはないだろうけど、だって普通、ご飯を食べに行ってテーブル席に通されたって、こういうふうに座るし、本当に何となく郁雅はこちら側に座っただけなのだが。
「え、並んで座る?」
蒼一郎の言いたいことが分かり、今度は郁雅が驚く番だった。
けれど蒼一郎は、当然並んで座るものだと思っていたらしく、何で驚くの? といった顔だ。
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