スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
06. 並んですわる? (1)
2009.11.26 Thu
何て言うか…………平和だなぁ、て思う。
うん、世の中は平和だ。
目の前で幸せそうな顔をしてクレープを頬張る蒼一郎を見ていると、つくづくそう感じる、と郁雅は思った。
「ぅん? 郁も食う?」
「いらね。つーかクリーム付いてるけど、口と…………鼻の頭に」
郁雅の視線を、クレープが食べたくて見ているのだと思ったらしい蒼一郎が、食べ掛けのクレープを郁雅のほうに差し出してきたが、甘いものの苦手な郁雅は、それをお断りした。
それにしても、いい年をした男が遊園地でクレープを食べるってどうなの? という以前に、どういう食べ方をすると、鼻の頭にまでクリームが付くのか教えてほしい。
(まぁ、いいんだけど)
見当違いなところを拭っている蒼一郎にあえて手を貸さず、郁雅は笑いを堪えながらその様子を眺める。
見た目はチャラいくせに、こういうところは癒し系だなぁ、とか思ってしまう。
年上のくせに手は掛かるわ、世話は焼けるわで、面倒を見るのは結構大変なんだけれど、でもこういうところが癖になる。
久々に来た遊園地は予想以上に2人のテンションを上げさせ、うっかり5連続絶叫マシンとか、2連チャンお化け屋敷とか、無駄に心拍数を上げまくった後、ちょっと休憩と、蒼一郎はクレープを、郁雅はコーラを買って座ったのだ。
浮かれてる?
いや、一緒にいる蒼一郎が普段からこんなだから、郁雅がすごーく大人な感じがするけれど、実際は蒼一郎より1つ年下だし、まだ20歳だし、こういうところに来れば楽しいに決まっている。
「郁ー、次何乗る?」
「…まだ付いてる、鼻んとこ」
呆れてそう言えば、取ってよぉ~、と情けない顔で蒼一郎が顔を寄せてくるので、仕方なく拭ってやる。
…うん。世の中は平和だ。
「で、何乗る? ねぇ、何乗る?」
「んー…」
蒼一郎に言われ、郁雅は薄暗くなり始めた園内をグルリと見回した。
日曜日の遊園地で並ばず乗れるアトラクションなど、そうあるはずもなく、待ち時間にもだいぶ費やしてしまったので、来場してから、結構な時間が経っていた。
これから並んで乗れるとしても、2つくらいが限界かもしれない。
「なぁなぁ郁ー、やっぱ最後は、…………アレ、行っとく?」
「ん?」
最後の一口に齧り付いた後(結局また、口元にクリームを付けている)、ニヤリと笑って蒼一郎が言って来るので、何かと思って指差す方向を見れば、大きな観覧車。
郁雅は、観覧車と蒼一郎を交互に見た。
「郁?」
「まぁ…………うん」
まったく羞恥心がないと言ったら嘘になるけれど、でも乗りたい気持ちのほうが勝って、郁雅はモゴモゴと頷いた。
べたに日曜日の恋人たちを演じている自分たちが、何だかちょっと恥ずかしい。というか、それを全然嫌だと思っていない自分が恥ずかしい。
何となく顔が熱い気がして、郁雅は一気にコーラを飲み干した。
うん、世の中は平和だ。
目の前で幸せそうな顔をしてクレープを頬張る蒼一郎を見ていると、つくづくそう感じる、と郁雅は思った。
「ぅん? 郁も食う?」
「いらね。つーかクリーム付いてるけど、口と…………鼻の頭に」
郁雅の視線を、クレープが食べたくて見ているのだと思ったらしい蒼一郎が、食べ掛けのクレープを郁雅のほうに差し出してきたが、甘いものの苦手な郁雅は、それをお断りした。
それにしても、いい年をした男が遊園地でクレープを食べるってどうなの? という以前に、どういう食べ方をすると、鼻の頭にまでクリームが付くのか教えてほしい。
(まぁ、いいんだけど)
見当違いなところを拭っている蒼一郎にあえて手を貸さず、郁雅は笑いを堪えながらその様子を眺める。
見た目はチャラいくせに、こういうところは癒し系だなぁ、とか思ってしまう。
年上のくせに手は掛かるわ、世話は焼けるわで、面倒を見るのは結構大変なんだけれど、でもこういうところが癖になる。
久々に来た遊園地は予想以上に2人のテンションを上げさせ、うっかり5連続絶叫マシンとか、2連チャンお化け屋敷とか、無駄に心拍数を上げまくった後、ちょっと休憩と、蒼一郎はクレープを、郁雅はコーラを買って座ったのだ。
浮かれてる?
いや、一緒にいる蒼一郎が普段からこんなだから、郁雅がすごーく大人な感じがするけれど、実際は蒼一郎より1つ年下だし、まだ20歳だし、こういうところに来れば楽しいに決まっている。
「郁ー、次何乗る?」
「…まだ付いてる、鼻んとこ」
呆れてそう言えば、取ってよぉ~、と情けない顔で蒼一郎が顔を寄せてくるので、仕方なく拭ってやる。
…うん。世の中は平和だ。
「で、何乗る? ねぇ、何乗る?」
「んー…」
蒼一郎に言われ、郁雅は薄暗くなり始めた園内をグルリと見回した。
日曜日の遊園地で並ばず乗れるアトラクションなど、そうあるはずもなく、待ち時間にもだいぶ費やしてしまったので、来場してから、結構な時間が経っていた。
これから並んで乗れるとしても、2つくらいが限界かもしれない。
「なぁなぁ郁ー、やっぱ最後は、…………アレ、行っとく?」
「ん?」
最後の一口に齧り付いた後(結局また、口元にクリームを付けている)、ニヤリと笑って蒼一郎が言って来るので、何かと思って指差す方向を見れば、大きな観覧車。
郁雅は、観覧車と蒼一郎を交互に見た。
「郁?」
「まぁ…………うん」
まったく羞恥心がないと言ったら嘘になるけれど、でも乗りたい気持ちのほうが勝って、郁雅はモゴモゴと頷いた。
べたに日曜日の恋人たちを演じている自分たちが、何だかちょっと恥ずかしい。というか、それを全然嫌だと思っていない自分が恥ずかしい。
何となく顔が熱い気がして、郁雅は一気にコーラを飲み干した。
- 関連記事
-
- 06. 並んですわる? (2) (2009/11/27)
- 06. 並んですわる? (1) (2009/11/26)
- 05. アフタヌーン・ティー (3) (2009/11/25)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:Baby Baby Baby Love
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
コメントの投稿はこちらから ♥
COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ おわ!
今度は蒼ちゃんと郁ちゃん?!
次々と気になってた子達が出て来て、んもぅ~幸せ♪
この天然癒し系の蒼ちゃんが、本気で男を見せたりしたら、そのギャップにクラクラしそうですよね~(///∇//)テレテレ☆
想像だけで萌えるww
マヒロたんと翔ちゃんは、ペアリング、買えたのかしらん?にやにや
次々と気になってた子達が出て来て、んもぅ~幸せ♪
この天然癒し系の蒼ちゃんが、本気で男を見せたりしたら、そのギャップにクラクラしそうですよね~(///∇//)テレテレ☆
想像だけで萌えるww
マヒロたんと翔ちゃんは、ペアリング、買えたのかしらん?にやにや
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> 今度は蒼ちゃんと郁ちゃん?!
> 次々と気になってた子達が出て来て、んもぅ~幸せ♪
ありがとうございます~。
短編集て感じなんで、いろんなカプを登場させてみました!
> この天然癒し系の蒼ちゃんが、本気で男を見せたりしたら、そのギャップにクラクラしそうですよね~(///∇//)テレテレ☆
> 想像だけで萌えるww
天然ちゃん登場率が高い中で、攻めタンの天然は今のところ彼だけです。
郁タンの前では、男を見せるんだと思います。
> マヒロたんと翔ちゃんは、ペアリング、買えたのかしらん?にやにや
真大タンと翔ちゃんのお話、このデート短編集の中で登場します。
お楽しみに!
コメントありがとうございました!
> 次々と気になってた子達が出て来て、んもぅ~幸せ♪
ありがとうございます~。
短編集て感じなんで、いろんなカプを登場させてみました!
> この天然癒し系の蒼ちゃんが、本気で男を見せたりしたら、そのギャップにクラクラしそうですよね~(///∇//)テレテレ☆
> 想像だけで萌えるww
天然ちゃん登場率が高い中で、攻めタンの天然は今のところ彼だけです。
郁タンの前では、男を見せるんだと思います。
> マヒロたんと翔ちゃんは、ペアリング、買えたのかしらん?にやにや
真大タンと翔ちゃんのお話、このデート短編集の中で登場します。
お楽しみに!
コメントありがとうございました!