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03. プラチナ・リング (2)
2009.11.13 Fri
「イッターイ…。何すんの、むっちゃんのバカー…」
両手でおでこを庇いつつ、和衣は恨めしげな視線を睦月に向ける。
何でそんなに嬉しげ?
やっぱり祐介にプレゼントすんの?
なかなかプレゼントを決められない和衣を放って、睦月は自分で選んだプレゼントを祐介に上げちゃうの??
「俺がゆっちにプレゼントなんかするわけないじゃんっ♪」
「え? え?」
引っ掛かったー、て笑い転げている睦月を見て、和衣はようやく、睦月にからかわれたのだということに気が付いた。
「むっちゃん、ひどいー。俺、本気で焦ったのに~!」
「でも、ゆっちにお礼する気ないの? て言ったの、カズちゃんだからね?」
「うぅ…」
そう言われると、返す言葉はない。
思ったことをつい口にしてしまうのは、和衣の悪い癖だ。
「ゴメンね、むっちゃん…」
「別にいいけど。てか、プレゼント探し、これ以上付き合わせる気なら、ちょっと休憩。マジで足痛い」
もうかれこれ数時間は立ちっ放しの、歩きっ放しなのだ。
本当に疲れたし、このままでは集中力も持たない。
「じゃあさ、どっかでお茶しよ? むっちゃん、どこがいい? お詫びに俺、奢る」
「最初っから、そのつもりだし」
奢ってもらって当然とばかりの態度を取っても、和衣はまるで気にすることなく、どこにするー? なんてのん気に言っている。
亮を含め、普段よく一緒にいる友人たちは、睦月の世間知らずさを心配するけれど、睦月にしたら、あまりにも素直すぎる和衣のほうを心配してあげたほうがいいのでは…? と、ときどき思ってしまう。
和衣が、睦月のことをとても心配して、いろいろ気に掛けてくれているのは分かっているけれど、それ以上に、睦月は危なっかしい和衣の面倒を見ている気がする。
全然そんなことないのに、なぜか和衣の前ではお兄ちゃんキャラになってしまうのだ。
「じゃーさー、Spica(スピカ)にしない? ここまで来たし」
「いいよ」
Spicaは、和衣たちがバイトをしているコンビニの隣にあるカフェレストランである。
そこで働く調理担当の相楽譲(さがらゆずる)とフロア係の水崎朋文(みずさきともふみ)は、和衣と睦月の友人で、睦月が初めて和衣の前で過呼吸を起して倒れたときに助けてくれたのも、この2人だ。
今日はバイト休みだけれど、Spicaはここから近いし、いくら和衣が乙女思考とはいえ、女の子みたく流行りのカフェをいろいろ知っているわけでもなく、睦月にしてもそれは同様なので、行くところは自然と決まって来る。
「いらっしゃいませー」
オープンテラスのあるような今どきの洒落たカフェとはまた違う、レトロな雰囲気のこじんまりとしたカフェレストランであるSpicaのドアを開ければ、笑顔の朋文が2人を出迎えてくれた。
元々Spicaは、朋文のおじいさんが開業したカフェバーだったが、年齢を重ねた今、現役を引退してしまったため、朋文がその後を継いだ。
しかし残念ながら、朋文にはカフェのメニューを出すだけの腕前がなかったので(決して不器用というわけでも、料理が出来ないというわけでもないのだが、譲いわくセンスの問題で)、実質上のオーナーでありながら、フロア係という立場だ。
本人も、俺、接客好きなんだよねぇ~、とのん気に構えていて、あまり気にする様子はない。
両手でおでこを庇いつつ、和衣は恨めしげな視線を睦月に向ける。
何でそんなに嬉しげ?
やっぱり祐介にプレゼントすんの?
なかなかプレゼントを決められない和衣を放って、睦月は自分で選んだプレゼントを祐介に上げちゃうの??
「俺がゆっちにプレゼントなんかするわけないじゃんっ♪」
「え? え?」
引っ掛かったー、て笑い転げている睦月を見て、和衣はようやく、睦月にからかわれたのだということに気が付いた。
「むっちゃん、ひどいー。俺、本気で焦ったのに~!」
「でも、ゆっちにお礼する気ないの? て言ったの、カズちゃんだからね?」
「うぅ…」
そう言われると、返す言葉はない。
思ったことをつい口にしてしまうのは、和衣の悪い癖だ。
「ゴメンね、むっちゃん…」
「別にいいけど。てか、プレゼント探し、これ以上付き合わせる気なら、ちょっと休憩。マジで足痛い」
もうかれこれ数時間は立ちっ放しの、歩きっ放しなのだ。
本当に疲れたし、このままでは集中力も持たない。
「じゃあさ、どっかでお茶しよ? むっちゃん、どこがいい? お詫びに俺、奢る」
「最初っから、そのつもりだし」
奢ってもらって当然とばかりの態度を取っても、和衣はまるで気にすることなく、どこにするー? なんてのん気に言っている。
亮を含め、普段よく一緒にいる友人たちは、睦月の世間知らずさを心配するけれど、睦月にしたら、あまりにも素直すぎる和衣のほうを心配してあげたほうがいいのでは…? と、ときどき思ってしまう。
和衣が、睦月のことをとても心配して、いろいろ気に掛けてくれているのは分かっているけれど、それ以上に、睦月は危なっかしい和衣の面倒を見ている気がする。
全然そんなことないのに、なぜか和衣の前ではお兄ちゃんキャラになってしまうのだ。
「じゃーさー、Spica(スピカ)にしない? ここまで来たし」
「いいよ」
Spicaは、和衣たちがバイトをしているコンビニの隣にあるカフェレストランである。
そこで働く調理担当の相楽譲(さがらゆずる)とフロア係の水崎朋文(みずさきともふみ)は、和衣と睦月の友人で、睦月が初めて和衣の前で過呼吸を起して倒れたときに助けてくれたのも、この2人だ。
今日はバイト休みだけれど、Spicaはここから近いし、いくら和衣が乙女思考とはいえ、女の子みたく流行りのカフェをいろいろ知っているわけでもなく、睦月にしてもそれは同様なので、行くところは自然と決まって来る。
「いらっしゃいませー」
オープンテラスのあるような今どきの洒落たカフェとはまた違う、レトロな雰囲気のこじんまりとしたカフェレストランであるSpicaのドアを開ければ、笑顔の朋文が2人を出迎えてくれた。
元々Spicaは、朋文のおじいさんが開業したカフェバーだったが、年齢を重ねた今、現役を引退してしまったため、朋文がその後を継いだ。
しかし残念ながら、朋文にはカフェのメニューを出すだけの腕前がなかったので(決して不器用というわけでも、料理が出来ないというわけでもないのだが、譲いわくセンスの問題で)、実質上のオーナーでありながら、フロア係という立場だ。
本人も、俺、接客好きなんだよねぇ~、とのん気に構えていて、あまり気にする様子はない。
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テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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COMMENT-FORM
りり ⇒ お?!
むっちゃん達の馴染みのお店、そして新キャラ登場ですか?
どんなお兄さん達なんだろう、わくわくしちゃいますね。
カズちゃんまだ一人でプレゼント選べないで数時間も……(;´Д`A ```
今となってはゆっちのことを一番知ってるのはカズちゃんなわけだから、何でも思ったものでいいと思うよ?
でもそれができるならこんなことになってないのか。
むっちゃんとは別の意味でマイペースな……。
それにブーブー言っても付き合ってあげるむっちゃんは、やっぱり優しいと思います。
どんなお兄さん達なんだろう、わくわくしちゃいますね。
カズちゃんまだ一人でプレゼント選べないで数時間も……(;´Д`A ```
今となってはゆっちのことを一番知ってるのはカズちゃんなわけだから、何でも思ったものでいいと思うよ?
でもそれができるならこんなことになってないのか。
むっちゃんとは別の意味でマイペースな……。
それにブーブー言っても付き合ってあげるむっちゃんは、やっぱり優しいと思います。
如月久美子 ⇒ >りりさん
> むっちゃん達の馴染みのお店、そして新キャラ登場ですか?
> どんなお兄さん達なんだろう、わくわくしちゃいますね。
むへへ、かつて、ほぼ新キャラも同然くらいの、超脇役で登場した彼らです。
今回、ようやくキャラが出来上がってきたという感じで…(^_^;)
> カズちゃんまだ一人でプレゼント選べないで数時間も……(;´Д`A ```
> 今となってはゆっちのことを一番知ってるのはカズちゃんなわけだから、何でも思ったものでいいと思うよ?
カズちゃん、こればっかりは一生変わらないかも…(-_-;)
本当は自分でも、ゆっちさんが何を欲しがっているかとか分かっているはずなのに、誰かかから、『それでいいよ』て言ってもらいたいんでしょうね。
> それにブーブー言っても付き合ってあげるむっちゃんは、やっぱり優しいと思います。
何だかんだで、みんな優しいです。
こういう友情カプを書くのも楽しくて好きなんです、私(笑)
コメントありがとうございました!
> どんなお兄さん達なんだろう、わくわくしちゃいますね。
むへへ、かつて、ほぼ新キャラも同然くらいの、超脇役で登場した彼らです。
今回、ようやくキャラが出来上がってきたという感じで…(^_^;)
> カズちゃんまだ一人でプレゼント選べないで数時間も……(;´Д`A ```
> 今となってはゆっちのことを一番知ってるのはカズちゃんなわけだから、何でも思ったものでいいと思うよ?
カズちゃん、こればっかりは一生変わらないかも…(-_-;)
本当は自分でも、ゆっちさんが何を欲しがっているかとか分かっているはずなのに、誰かかから、『それでいいよ』て言ってもらいたいんでしょうね。
> それにブーブー言っても付き合ってあげるむっちゃんは、やっぱり優しいと思います。
何だかんだで、みんな優しいです。
こういう友情カプを書くのも楽しくて好きなんです、私(笑)
コメントありがとうございました!