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03. プラチナ・リング (1)
2009.11.12 Thu
「あ゛~~~~っっ!!! もうヤダッ!! 俺、帰るっ!」
「ダメッ、むっちゃん、ダメェ~~~~!!!」
もう十二分に、嫌と言うほど分かっていたというのに、押し切られるがまま和衣のプレゼント選びに付き合ってやれば、案の定すんなりと決まることはなく、優柔不断な和衣が迷い始めてから早数時間。
睦月はとうとう痺れを切らし、根を上げた――――というよりは、ぶち切れた。
「なぁーんで俺が、ゆっちの誕生日プレゼントなんか選ばなきゃいけないのっ」
「だって俺1人じゃ選べないもんっ」
「俺がいたって、選べてないじゃん! 俺の存在、意味ないじゃん!」
「意味なくない、意味なくないー! むっちゃんがいないとダメなのぉ~。お願いっ、一緒に探して!」
本気で帰ろうとする睦月の腕を掴んで、和衣は必死に引き止める。
これまで何度も睦月をプレゼント選びに付き合わせては、呆れと疲れと怒りを買っていることは、和衣だってちゃんと自覚しているし、申し訳ないとも思っているのだが、1人で選べないものは選べないのだ。
「だって知らないもん、ゆっちが何欲しいかなんて。ゆっちになんかプレゼントしたことないし、する気もないし」
「えーむっちゃん、祐介にいっぱいお世話になってるのに、お礼する気ないの?」
「…………」
もちろん悪気のない言葉だとは分かっているが、和衣の言い方はちょっと引っ掛かる。
一向に決まらないプレゼント選びの疲れも相俟って、睦月はピクピクと口元を引き攣らせた。
「むっちゃん?」
「…じゃあ、俺もゆっちに何かプレゼントする」
「ぅ?」
そう言って睦月は、クルリと回れ右をして、今出てきたばかりの店にもう1度戻ろうとする。
「俺は1人でちゃーんと決められるから、カズちゃんも1人で選んでよね」
「えっ? えっ?」
「あ、真似したら絶交」
「えっ、ちょっ、むっちゃん、待って!」
何で? 何でそんなことになってるの?
和衣が祐介に上げるプレゼントを選んでいたはずなのに、いつの間にか睦月のほうが買うことになっているし、先に買われそうだし、何か絶交とか言われてるし。
「むっちゃんっ!」
「うわっ」
慌てた和衣が、力任せに睦月の腕を引っ張った。
グイッと腕を引かれた睦月は、予想外に強かった和衣の力に、ガクリと体ごと引っ張られる。
「イッター…腕抜けるじゃん、もー」
「だって、むっちゃんがぁ…」
「俺が、何?」
「何でむっちゃんが祐介に誕生日プレゼントすんの…?」
いらない嫉妬と、子どもじみた猜疑心。
疑うつもりなんかないけれど、睦月が祐介にプレゼントを上げるなんて、何かおもしろくないし、ヤダ…。
「だってカズちゃんが、ゆっちにプレゼントする気ないの? て言ったんじゃん」
「うっ…」
確かにそう言った。
言ったけれど。
「なーにそんな顔してんの!」
「イダッ」
完全に拗ね拗ねの顔で、アヒルみたいに口を突き出している和衣のおでこに、睦月はにんまり笑顔でデコピンをした。
「ダメッ、むっちゃん、ダメェ~~~~!!!」
もう十二分に、嫌と言うほど分かっていたというのに、押し切られるがまま和衣のプレゼント選びに付き合ってやれば、案の定すんなりと決まることはなく、優柔不断な和衣が迷い始めてから早数時間。
睦月はとうとう痺れを切らし、根を上げた――――というよりは、ぶち切れた。
「なぁーんで俺が、ゆっちの誕生日プレゼントなんか選ばなきゃいけないのっ」
「だって俺1人じゃ選べないもんっ」
「俺がいたって、選べてないじゃん! 俺の存在、意味ないじゃん!」
「意味なくない、意味なくないー! むっちゃんがいないとダメなのぉ~。お願いっ、一緒に探して!」
本気で帰ろうとする睦月の腕を掴んで、和衣は必死に引き止める。
これまで何度も睦月をプレゼント選びに付き合わせては、呆れと疲れと怒りを買っていることは、和衣だってちゃんと自覚しているし、申し訳ないとも思っているのだが、1人で選べないものは選べないのだ。
「だって知らないもん、ゆっちが何欲しいかなんて。ゆっちになんかプレゼントしたことないし、する気もないし」
「えーむっちゃん、祐介にいっぱいお世話になってるのに、お礼する気ないの?」
「…………」
もちろん悪気のない言葉だとは分かっているが、和衣の言い方はちょっと引っ掛かる。
一向に決まらないプレゼント選びの疲れも相俟って、睦月はピクピクと口元を引き攣らせた。
「むっちゃん?」
「…じゃあ、俺もゆっちに何かプレゼントする」
「ぅ?」
そう言って睦月は、クルリと回れ右をして、今出てきたばかりの店にもう1度戻ろうとする。
「俺は1人でちゃーんと決められるから、カズちゃんも1人で選んでよね」
「えっ? えっ?」
「あ、真似したら絶交」
「えっ、ちょっ、むっちゃん、待って!」
何で? 何でそんなことになってるの?
和衣が祐介に上げるプレゼントを選んでいたはずなのに、いつの間にか睦月のほうが買うことになっているし、先に買われそうだし、何か絶交とか言われてるし。
「むっちゃんっ!」
「うわっ」
慌てた和衣が、力任せに睦月の腕を引っ張った。
グイッと腕を引かれた睦月は、予想外に強かった和衣の力に、ガクリと体ごと引っ張られる。
「イッター…腕抜けるじゃん、もー」
「だって、むっちゃんがぁ…」
「俺が、何?」
「何でむっちゃんが祐介に誕生日プレゼントすんの…?」
いらない嫉妬と、子どもじみた猜疑心。
疑うつもりなんかないけれど、睦月が祐介にプレゼントを上げるなんて、何かおもしろくないし、ヤダ…。
「だってカズちゃんが、ゆっちにプレゼントする気ないの? て言ったんじゃん」
「うっ…」
確かにそう言った。
言ったけれど。
「なーにそんな顔してんの!」
「イダッ」
完全に拗ね拗ねの顔で、アヒルみたいに口を突き出している和衣のおでこに、睦月はにんまり笑顔でデコピンをした。
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