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02. うん、可愛いよ (2)
2009.11.09 Mon
お気に入りの一品を購入したはずなのに、なぜか睦月の機嫌がよろしくない。
店を出て以来、ずっと無口だし、亮の話も聞こえているだろうに、あまり相槌も打たない。
「睦月? どうしたの?」
「…何が?」
「お腹空いた?」
「空いてないし」
お腹が空いてご機嫌斜めなのかと思いきや、そうではないらしい。
さすがにそこまで単純ではなかったか。
「じゃあ、どうしたの?」
「だから何が?」
「だって睦月、超機嫌悪ぃじゃん」
「悪いよ? だから? 悪い?」
「え、いや…」
そんなにはっきり切り返されると、二の句が継げなくなってしまう。
ついさっきまでは、間違いなく睦月は上機嫌だったのだ。
ブラブラと2人並んで歩いているときも、店に入ったときも、お気に入りの服を見つけたときも、それを試着してフィッティングルームから出てきたときも。
ずっとずっとずーっと、睦月はご機嫌だったのに。
「睦月?」
「…やっぱさっきの店戻って、この服返してくる」
「はぁ!?」
さすがに睦月のこの言葉には、亮も声を大きくした。
一体全体、何がここまで睦月の臍を曲げさせてしまったのだろうか。
「なっ…、…………何で?」
勢いのままに質問攻めにしそうになって、亮は大きく深呼吸してから、なるべく普通に尋ねた。
店員さんに服を褒められたときはご機嫌で、そこから先に何かあったとすれば、亮が何かしたということだろう……身に覚えはまったくないが。
「ちょっ、睦月!」
くるりと踵を返した睦月は、本気で先ほどの店まで戻るつもりのようで、亮は慌てて睦月を引き留めた。
「睦月、何で? どうしたの? それ、気に入ったんじゃないの?」
「関係ないもん」
睦月はブンッと亮の腕を振り払った。
こんなところで痴話ゲンカを繰り広げるなんて恥ずかしいマネも出来なくて、亮は、今来た道をズンズンと戻る睦月の隣を並んで歩くしかない。
「睦月、」
「別にいいじゃん、亮には関係なくね?」
「何で! だってその服、気に入ったんだろ? 睦月に似合ってたし、」
「嘘つき」
「えっ」
ピタリと足を止めた睦月は、亮のほうを向いてはっきりとそう言った。
その言葉に驚いて、亮も立ち止まる。
「は? な…何で? 何でそう思うの??」
何でいきなり嘘つき呼ばわり?
そりゃ人間ですから、生まれて此の方、嘘一つついたことがない、なんてことはないけれど、少なくとも今日朝起きてからは嘘なんてついた覚えはないし、そんな頭ごなしに嘘つき呼ばわりされる謂れはない。
「ちょっ、睦月っ」
「…何?」
いきなり嘘つきとか言われて、亮もちょっと怒りたい気分だったが、睦月が低い声で聞き返してきたから、その勢いもそがれてしまう。
想像以上に睦月はご立腹のようだ。
店を出て以来、ずっと無口だし、亮の話も聞こえているだろうに、あまり相槌も打たない。
「睦月? どうしたの?」
「…何が?」
「お腹空いた?」
「空いてないし」
お腹が空いてご機嫌斜めなのかと思いきや、そうではないらしい。
さすがにそこまで単純ではなかったか。
「じゃあ、どうしたの?」
「だから何が?」
「だって睦月、超機嫌悪ぃじゃん」
「悪いよ? だから? 悪い?」
「え、いや…」
そんなにはっきり切り返されると、二の句が継げなくなってしまう。
ついさっきまでは、間違いなく睦月は上機嫌だったのだ。
ブラブラと2人並んで歩いているときも、店に入ったときも、お気に入りの服を見つけたときも、それを試着してフィッティングルームから出てきたときも。
ずっとずっとずーっと、睦月はご機嫌だったのに。
「睦月?」
「…やっぱさっきの店戻って、この服返してくる」
「はぁ!?」
さすがに睦月のこの言葉には、亮も声を大きくした。
一体全体、何がここまで睦月の臍を曲げさせてしまったのだろうか。
「なっ…、…………何で?」
勢いのままに質問攻めにしそうになって、亮は大きく深呼吸してから、なるべく普通に尋ねた。
店員さんに服を褒められたときはご機嫌で、そこから先に何かあったとすれば、亮が何かしたということだろう……身に覚えはまったくないが。
「ちょっ、睦月!」
くるりと踵を返した睦月は、本気で先ほどの店まで戻るつもりのようで、亮は慌てて睦月を引き留めた。
「睦月、何で? どうしたの? それ、気に入ったんじゃないの?」
「関係ないもん」
睦月はブンッと亮の腕を振り払った。
こんなところで痴話ゲンカを繰り広げるなんて恥ずかしいマネも出来なくて、亮は、今来た道をズンズンと戻る睦月の隣を並んで歩くしかない。
「睦月、」
「別にいいじゃん、亮には関係なくね?」
「何で! だってその服、気に入ったんだろ? 睦月に似合ってたし、」
「嘘つき」
「えっ」
ピタリと足を止めた睦月は、亮のほうを向いてはっきりとそう言った。
その言葉に驚いて、亮も立ち止まる。
「は? な…何で? 何でそう思うの??」
何でいきなり嘘つき呼ばわり?
そりゃ人間ですから、生まれて此の方、嘘一つついたことがない、なんてことはないけれど、少なくとも今日朝起きてからは嘘なんてついた覚えはないし、そんな頭ごなしに嘘つき呼ばわりされる謂れはない。
「ちょっ、睦月っ」
「…何?」
いきなり嘘つきとか言われて、亮もちょっと怒りたい気分だったが、睦月が低い声で聞き返してきたから、その勢いもそがれてしまう。
想像以上に睦月はご立腹のようだ。
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カテゴリー:Baby Baby Baby Love
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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COMMENT-FORM
りり ⇒ うわああ…
禁句「可愛い」を裂けるがために微妙な反応になってしまった亮たん。
いってしまった方がよかったのかなあ……?
予測不能なむっちゃんに振る舞わされる亮たんに萌えます(・m・ )クスッ
むっちゃん、機嫌なおるといいな~。
いってしまった方がよかったのかなあ……?
予測不能なむっちゃんに振る舞わされる亮たんに萌えます(・m・ )クスッ
むっちゃん、機嫌なおるといいな~。
如月久美子 ⇒ >りりさん
こちらにもコメントありがとうございます!
> 禁句「可愛い」を裂けるがために微妙な反応になってしまった亮たん。
> いってしまった方がよかったのかなあ……?
うっかり「かわいい」て言ったがゆえに、締め上げられたこと多数による、亮タンなりの学習だったんですが…(^_^;)
こんなときは裏目に出てしまったようです。
> 予測不能なむっちゃんに振る舞わされる亮たんに萌えます(・m・ )クスッ
> むっちゃん、機嫌なおるといいな~。
まったく!
予測不能という言葉が、こんなにぴったりな子って、他にいないと思います。
でもそんなところも、亮タンを虜にしちゃうんでしょうが(笑)
コメントありがとうございました!
> 禁句「可愛い」を裂けるがために微妙な反応になってしまった亮たん。
> いってしまった方がよかったのかなあ……?
うっかり「かわいい」て言ったがゆえに、締め上げられたこと多数による、亮タンなりの学習だったんですが…(^_^;)
こんなときは裏目に出てしまったようです。
> 予測不能なむっちゃんに振る舞わされる亮たんに萌えます(・m・ )クスッ
> むっちゃん、機嫌なおるといいな~。
まったく!
予測不能という言葉が、こんなにぴったりな子って、他にいないと思います。
でもそんなところも、亮タンを虜にしちゃうんでしょうが(笑)
コメントありがとうございました!