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02. うん、可愛いよ (3)
2009.11.10 Tue
「あ…あのですね、睦月さん」
「…」
ギロリと睨む目付きが、本気で怖い。
目力があるからこその怖さ。
けれど亮は怯まず、事の真相を問い質す。
「睦月、何で俺が嘘つきなの?」
「…嘘つくから」
「ついてないし」
「……、…そんな、似合うとか、取って付けたように言わなくていいから。変なら変て、さっきお店で言ってくれたらよかったのに」
「………………ふえぇ…??」
何と間の抜けた受け答えだろう。
けれど亮は、それだけ返すのが、本当に精いっぱいだったのだ。
え、変なら?
似合うとか?
え? え?
「……だって、」
よっぽど亮が間抜けな顔をしていたのだろう、睦月はようやく怒りのオーラを静め、口を開いた。
「だって俺がこの服選んだときから、ずっと微妙な顔してたじゃん、亮」
「え、してねぇよ」
「してた! それに『どう?』て聞いても、何か反応いまいちだったし。似合ってるとか、俺が無理やり言わせたようなもんだし、返事も超適当な感じだったし」
「あ、」
最後の、"返事が適当"の部分は、多少思い当たる節があって、亮は気まずく視線を逸らす。
別に適当に返事をしたわけではなくて、睦月がかわいくて思わず言葉を詰まらせたら、返事タイミングがおかしくなっただけだが。
「何だよ、亮のバカ!」
「ちょっ、ちが…!」
違う。
睦月が思っていることは、全部勘違いだ。
けれど、睦月がそう思うのも無理はない、そう思わせてしまったのは、全部亮の態度のせいだ。
「違う、睦月、待って。聞いて、俺の話」
「ちょっ…」
グイと睦月の腕を引いて、人の少ない通りに入り、そばの児童公園に入った。特に理由はなくて、誰も人がいないのが見えたからだ。
「睦月、聞いて、お願い。睦月がそんなふうに感じてたなら、マジ謝る、ゴメン。でもそうじゃない、似合わないとか思ってないし、嘘もついてない」
「…」
「睦月があの店でこの服見つけて、自分の前に当てて見せてくれたときから、超似合ってるって思ってたよ。…試着して出てきたときも」
「嘘ばっか。そんな反応じゃなかったもん。ずっと微妙な顔してたし、俺のほうも見てなかったくせに」
自分で言っていて切なくなってしまったのだろう、睦月は泣くのを堪えるような表情で、キュッと唇を噛んだ。
「違う、違うって、最初見たときから似合うって思ったし、超かわいいって思った。でも睦月、かわいいとか言われるの、嫌いでしょ?」
「…、」
「けど正直かわいいって思っちゃったし、そしたら何つっていいか分かんなくなって、試着のときも何かドキドキしちゃって、恥ずかしくなって……いや、だから…」
言いながら、何のろ気てんだ? と思って、亮は尻すぼみにモゴモゴと口を閉ざした。
「…」
ギロリと睨む目付きが、本気で怖い。
目力があるからこその怖さ。
けれど亮は怯まず、事の真相を問い質す。
「睦月、何で俺が嘘つきなの?」
「…嘘つくから」
「ついてないし」
「……、…そんな、似合うとか、取って付けたように言わなくていいから。変なら変て、さっきお店で言ってくれたらよかったのに」
「………………ふえぇ…??」
何と間の抜けた受け答えだろう。
けれど亮は、それだけ返すのが、本当に精いっぱいだったのだ。
え、変なら?
似合うとか?
え? え?
「……だって、」
よっぽど亮が間抜けな顔をしていたのだろう、睦月はようやく怒りのオーラを静め、口を開いた。
「だって俺がこの服選んだときから、ずっと微妙な顔してたじゃん、亮」
「え、してねぇよ」
「してた! それに『どう?』て聞いても、何か反応いまいちだったし。似合ってるとか、俺が無理やり言わせたようなもんだし、返事も超適当な感じだったし」
「あ、」
最後の、"返事が適当"の部分は、多少思い当たる節があって、亮は気まずく視線を逸らす。
別に適当に返事をしたわけではなくて、睦月がかわいくて思わず言葉を詰まらせたら、返事タイミングがおかしくなっただけだが。
「何だよ、亮のバカ!」
「ちょっ、ちが…!」
違う。
睦月が思っていることは、全部勘違いだ。
けれど、睦月がそう思うのも無理はない、そう思わせてしまったのは、全部亮の態度のせいだ。
「違う、睦月、待って。聞いて、俺の話」
「ちょっ…」
グイと睦月の腕を引いて、人の少ない通りに入り、そばの児童公園に入った。特に理由はなくて、誰も人がいないのが見えたからだ。
「睦月、聞いて、お願い。睦月がそんなふうに感じてたなら、マジ謝る、ゴメン。でもそうじゃない、似合わないとか思ってないし、嘘もついてない」
「…」
「睦月があの店でこの服見つけて、自分の前に当てて見せてくれたときから、超似合ってるって思ってたよ。…試着して出てきたときも」
「嘘ばっか。そんな反応じゃなかったもん。ずっと微妙な顔してたし、俺のほうも見てなかったくせに」
自分で言っていて切なくなってしまったのだろう、睦月は泣くのを堪えるような表情で、キュッと唇を噛んだ。
「違う、違うって、最初見たときから似合うって思ったし、超かわいいって思った。でも睦月、かわいいとか言われるの、嫌いでしょ?」
「…、」
「けど正直かわいいって思っちゃったし、そしたら何つっていいか分かんなくなって、試着のときも何かドキドキしちゃって、恥ずかしくなって……いや、だから…」
言いながら、何のろ気てんだ? と思って、亮は尻すぼみにモゴモゴと口を閉ざした。
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