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01. 決まらない服 (3)
2009.11.05 Thu
「和衣、かーずーい」
「……ん…」
幸せな夢の続きを、揺すり起こされる。
「ヤ…」
それでも体を揺すられ続けて、やっと重たい瞼をこじ開ける。
「あ、れ…?」
「やーっと起きた。おはよ」
「え…祐介…?」
何で祐介、ここにいるの?
俺、まだ夢見てるの?
「何でちゃんとふとん入って寝ないの? 風邪引いたらどうすんの。それにこの服……何でこんなに散らかして…」
「え…?? …………、あっ!!」
祐介の言葉に、和衣は一気に目が覚めて、飛び起きた。
そうだ、和衣は祐介とのデートのために服を選んでいたのだ。確か睦月には振られてしまって、風呂上がりに1人で服選びを…、……………………で、どうして祐介が?
「え? え? 何で祐介…」
「いや、約束の時間になっても和衣、来ないから」
「え、ウッソ!」
祐介の言葉に驚いて時計を見れば、確かに約束の時間…………10分過ぎ…。
その時刻が本気で信じられなくて、もしかして前日の夜なんじゃ…? なんて思ってみたけれど、祐介が開けてくれたのだろう、カーテンの開いた窓の向こう、外の景色は完全に昼間の風景だ。
「下で待ってたけど、全然降りて来ないから」
同じ建物の同じ階に住んでいるというのに、デートのときは寮の集合玄関で待ち合わせ。
だって待ち合わせとか、そのほうがデートぽいし、と亮や睦月たちにはいまいち理解できない乙女感覚の和衣の言い分で、祐介とのお出掛けのときは、ずっとそうしている。
それなのに。
(信じらんない、俺…)
ちゃんと昨日のうちに服を選んで準備して、朝だってバッチリ起きて祐介のこと待ってるつもりだったのに!
「何、服選びながら2度寝?」
「……違う」
「違うの?」
「2度寝…………ではない」
だって昨日の夜から、ずっと寝てしまってるし。
2度寝どころか、起こされるまで普通に爆睡だし。
(この前の祐介とのデート思い出して、幸せだーってなってるうちに、そのまま寝て、気が付いたら朝…………って、俺のバカ!)
激しい自己嫌悪に陥りながら、和衣はショックのあまり、頭を抱えたまま固まっている。
「え、昨日の夜から、このまんまで寝たての?」
コクリ。
もう今さら何の言い訳も出来なくて、和衣は素直に頷いた。
「よく風邪引かなかったな。熱とか、ない?」
服をよけてベッドに座った祐介が、和衣を抱き締めながら、おでこをコツンと押し当ててきた。
「ッ…」
風邪は引いていないけれど、今すぐにでも熱が上がりそう…!
もう顔なんて何遍でも見ているし、キスもその先もしているくせに、今さらこんなことでとは思うけれど、ものすごく近い位置に祐介の顔があって、和衣は顔が熱くなるのを感じる。
「へーき…」
「出かけられそう?」
「…うん」
答えれば、祐介はホッとしたように笑った。
「……ん…」
幸せな夢の続きを、揺すり起こされる。
「ヤ…」
それでも体を揺すられ続けて、やっと重たい瞼をこじ開ける。
「あ、れ…?」
「やーっと起きた。おはよ」
「え…祐介…?」
何で祐介、ここにいるの?
俺、まだ夢見てるの?
「何でちゃんとふとん入って寝ないの? 風邪引いたらどうすんの。それにこの服……何でこんなに散らかして…」
「え…?? …………、あっ!!」
祐介の言葉に、和衣は一気に目が覚めて、飛び起きた。
そうだ、和衣は祐介とのデートのために服を選んでいたのだ。確か睦月には振られてしまって、風呂上がりに1人で服選びを…、……………………で、どうして祐介が?
「え? え? 何で祐介…」
「いや、約束の時間になっても和衣、来ないから」
「え、ウッソ!」
祐介の言葉に驚いて時計を見れば、確かに約束の時間…………10分過ぎ…。
その時刻が本気で信じられなくて、もしかして前日の夜なんじゃ…? なんて思ってみたけれど、祐介が開けてくれたのだろう、カーテンの開いた窓の向こう、外の景色は完全に昼間の風景だ。
「下で待ってたけど、全然降りて来ないから」
同じ建物の同じ階に住んでいるというのに、デートのときは寮の集合玄関で待ち合わせ。
だって待ち合わせとか、そのほうがデートぽいし、と亮や睦月たちにはいまいち理解できない乙女感覚の和衣の言い分で、祐介とのお出掛けのときは、ずっとそうしている。
それなのに。
(信じらんない、俺…)
ちゃんと昨日のうちに服を選んで準備して、朝だってバッチリ起きて祐介のこと待ってるつもりだったのに!
「何、服選びながら2度寝?」
「……違う」
「違うの?」
「2度寝…………ではない」
だって昨日の夜から、ずっと寝てしまってるし。
2度寝どころか、起こされるまで普通に爆睡だし。
(この前の祐介とのデート思い出して、幸せだーってなってるうちに、そのまま寝て、気が付いたら朝…………って、俺のバカ!)
激しい自己嫌悪に陥りながら、和衣はショックのあまり、頭を抱えたまま固まっている。
「え、昨日の夜から、このまんまで寝たての?」
コクリ。
もう今さら何の言い訳も出来なくて、和衣は素直に頷いた。
「よく風邪引かなかったな。熱とか、ない?」
服をよけてベッドに座った祐介が、和衣を抱き締めながら、おでこをコツンと押し当ててきた。
「ッ…」
風邪は引いていないけれど、今すぐにでも熱が上がりそう…!
もう顔なんて何遍でも見ているし、キスもその先もしているくせに、今さらこんなことでとは思うけれど、ものすごく近い位置に祐介の顔があって、和衣は顔が熱くなるのを感じる。
「へーき…」
「出かけられそう?」
「…うん」
答えれば、祐介はホッとしたように笑った。
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COMMENT-FORM
りり ⇒ あぁ~~~(〃∇〃)
カズちゃんの乙女ちっく炸裂! お洋服が決まらないままに寝過ごしちゃうなんて……んも~~~可愛すぎる!
ゆっちはカズちゃんが何着てても可愛いっていうに決まってるのに~~~。
何か可愛すぎてジタバタしたくなっちゃうんですけど!
むっちゃんはむっちゃんで亮たんとラブラブの様子だし、翔ちゃんの気配がしただけで幸せ感じます。
一人一人が主役を張れるキャラだけに、個性が際だっていて実在する男の子のように生き生きと感じます。
デート、楽しんできてねカズちゃん!
ゆっちはカズちゃんが何着てても可愛いっていうに決まってるのに~~~。
何か可愛すぎてジタバタしたくなっちゃうんですけど!
むっちゃんはむっちゃんで亮たんとラブラブの様子だし、翔ちゃんの気配がしただけで幸せ感じます。
一人一人が主役を張れるキャラだけに、個性が際だっていて実在する男の子のように生き生きと感じます。
デート、楽しんできてねカズちゃん!
如月久美子 ⇒ >りりさん
> カズちゃんの乙女ちっく炸裂! お洋服が決まらないままに寝過ごしちゃうなんて……んも~~~可愛すぎる!
> ゆっちはカズちゃんが何着てても可愛いっていうに決まってるのに~~~。
服1つでこんなに幸せな気持ちになれるなんて、カズちゃんもお得な性格ですが…(^_^;)
でもそんな乙女なところが、またゆっちさんを夢中にさせちゃうんでしょうね。
> むっちゃんはむっちゃんで亮たんとラブラブの様子だし、翔ちゃんの気配がしただけで幸せ感じます。
翔ちゃんラブですか!?
ありがとうございます!
むっちゃんの場合、カズちゃんと違って嫉妬心が薄いんで、亮タンが飲み会で出かけようと、あんまり気にしません。
信頼しているのか、無頓着なのかは分かりませんが…(^_^;)
> 一人一人が主役を張れるキャラだけに、個性が際だっていて実在する男の子のように生き生きと感じます。
ありがとうございます。
リアルな感じの男の子を書きたいと常々思っているので、そう感じていただけたら、嬉しいです。
コメントありがとうございました!
> ゆっちはカズちゃんが何着てても可愛いっていうに決まってるのに~~~。
服1つでこんなに幸せな気持ちになれるなんて、カズちゃんもお得な性格ですが…(^_^;)
でもそんな乙女なところが、またゆっちさんを夢中にさせちゃうんでしょうね。
> むっちゃんはむっちゃんで亮たんとラブラブの様子だし、翔ちゃんの気配がしただけで幸せ感じます。
翔ちゃんラブですか!?
ありがとうございます!
むっちゃんの場合、カズちゃんと違って嫉妬心が薄いんで、亮タンが飲み会で出かけようと、あんまり気にしません。
信頼しているのか、無頓着なのかは分かりませんが…(^_^;)
> 一人一人が主役を張れるキャラだけに、個性が際だっていて実在する男の子のように生き生きと感じます。
ありがとうございます。
リアルな感じの男の子を書きたいと常々思っているので、そう感じていただけたら、嬉しいです。
コメントありがとうございました!