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落下星 (7)
2009.09.11 Fri
昨夜の、いや日付の変わった真夜中の、睦月の発言の真意を知りたくて、けれど朝起きると、睦月はそんなことすっかり忘れているのか、それとも気付かないふりをしているのか、何でもない様子でいるから、亮は声を掛けるタイミングを失ってしまった。
やっぱり寝惚けていただけかなぁ、とも思うが、だとしても、少なからず睦月は亮に対してそう思っている部分があるからこそ、あんなことを口走ったわけで。
『亮はぁ…俺の気持ちなんか、分かってなぁい…』
昨夜の睦月の言葉が、耳から離れない。
確かに分かっていないのかもしれないが、そんなことを言われたら、一体どういうつもりで、いきなりそんなことを言ったのかなんて思い始めて、余計に睦月の考えていることが分からなくなる。
いきなり――――いや、言ったのはいきなりでも、そんなことを言い出すからには、ずっとそういう思いがあったのかもしれない。
寝惚けていたのだとしても、昨日の睦月の態度は、いつもと違っていたし。
このままうやむやにはしたくないけれど、もしかしたら睦月は、言ったこと自体を覚えていないんじゃないかとも思うし、それ以前に、授業が始まる前の講堂で、そんな話を切り出せそうもないし、それでもと思って睦月を見れば、昨日途中で寝てしまって読み掛けで終えたマンガに夢中になっているし。
何だかもう、すべてのタイミングが悪い気がしてならない。
「亮、どうしたよ」
「あ?」
どうしたものかと亮が1人でヤキモキしていれば、隣に座っていた翔真が、シャーペンの先で亮の腕をつついた。
「…んだよ、ショウ」
「目、据わってんぞ、お前」
「うっせ」
そういえば翔真には、睦月とのことをボヤキ半分に相談していたのだ。
その彼にこの態度はないな、と亮は少々反省したが、翔真は特に気にするふうもなく、「とうとう当たって砕けちゃった?」と、逆に切り返された。
「砕けてねぇよ、…………まだ」
「"まだ"、ねぇ」
「うるせぇっつの」
ニヤリと口元を歪ませた翔真の頭を1発ど突いてやれば、大げさな素振りで亮から離れた。
「はぁ…」
当たって砕けるどころか、睦月の気持ちが余計に分からなくなっているというのに。
元気付けようとしているのか、からかおうとしているのか分からない翔真の言葉にさえ、心を折られてしまって。
(砕けてねぇよ、まだ)
砕けるほども、何も進んでいない。
何も変わっていない。
ふと睦月に視線をやれば、その前の席に座った和衣が後ろを振り返り、マンガを読んでいる睦月にちょっかいを出しては、鬱陶しがられている。
相変わらず和衣は、睦月を守ってあげなきゃ! という意識をバンバンに醸し出していて、負けたくはないが、本気で負けそう…と亮はまた弱気になる。
(つーかアイツ、自分のほうこそ、大丈夫なわけ?)
恐らく嫉妬からだろう、苛付いた表情をしている祐介に、和衣は気付く様子もなく睦月にかまけている。
確かに和衣は昔から、1つのことを思い始めると、そればかりにひた向きになるタイプだったから、今も他のことにはあまり気が回らないのだろう。
後で泣かなきゃいいけど…と、亮は気持ち一直線な幼馴染みのことを思いつつ、視線を外した。
やっぱり寝惚けていただけかなぁ、とも思うが、だとしても、少なからず睦月は亮に対してそう思っている部分があるからこそ、あんなことを口走ったわけで。
『亮はぁ…俺の気持ちなんか、分かってなぁい…』
昨夜の睦月の言葉が、耳から離れない。
確かに分かっていないのかもしれないが、そんなことを言われたら、一体どういうつもりで、いきなりそんなことを言ったのかなんて思い始めて、余計に睦月の考えていることが分からなくなる。
いきなり――――いや、言ったのはいきなりでも、そんなことを言い出すからには、ずっとそういう思いがあったのかもしれない。
寝惚けていたのだとしても、昨日の睦月の態度は、いつもと違っていたし。
このままうやむやにはしたくないけれど、もしかしたら睦月は、言ったこと自体を覚えていないんじゃないかとも思うし、それ以前に、授業が始まる前の講堂で、そんな話を切り出せそうもないし、それでもと思って睦月を見れば、昨日途中で寝てしまって読み掛けで終えたマンガに夢中になっているし。
何だかもう、すべてのタイミングが悪い気がしてならない。
「亮、どうしたよ」
「あ?」
どうしたものかと亮が1人でヤキモキしていれば、隣に座っていた翔真が、シャーペンの先で亮の腕をつついた。
「…んだよ、ショウ」
「目、据わってんぞ、お前」
「うっせ」
そういえば翔真には、睦月とのことをボヤキ半分に相談していたのだ。
その彼にこの態度はないな、と亮は少々反省したが、翔真は特に気にするふうもなく、「とうとう当たって砕けちゃった?」と、逆に切り返された。
「砕けてねぇよ、…………まだ」
「"まだ"、ねぇ」
「うるせぇっつの」
ニヤリと口元を歪ませた翔真の頭を1発ど突いてやれば、大げさな素振りで亮から離れた。
「はぁ…」
当たって砕けるどころか、睦月の気持ちが余計に分からなくなっているというのに。
元気付けようとしているのか、からかおうとしているのか分からない翔真の言葉にさえ、心を折られてしまって。
(砕けてねぇよ、まだ)
砕けるほども、何も進んでいない。
何も変わっていない。
ふと睦月に視線をやれば、その前の席に座った和衣が後ろを振り返り、マンガを読んでいる睦月にちょっかいを出しては、鬱陶しがられている。
相変わらず和衣は、睦月を守ってあげなきゃ! という意識をバンバンに醸し出していて、負けたくはないが、本気で負けそう…と亮はまた弱気になる。
(つーかアイツ、自分のほうこそ、大丈夫なわけ?)
恐らく嫉妬からだろう、苛付いた表情をしている祐介に、和衣は気付く様子もなく睦月にかまけている。
確かに和衣は昔から、1つのことを思い始めると、そればかりにひた向きになるタイプだったから、今も他のことにはあまり気が回らないのだろう。
後で泣かなきゃいいけど…と、亮は気持ち一直線な幼馴染みのことを思いつつ、視線を外した。
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テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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如月久美子 ⇒ >拍手コメ→Sさん
周りのことは分かっても、自分たちのことはなかなか分からないものですよね。
ゆっちさんやカズちゃんのことは見ててすぐに分かるのに、肝心のむっちゃんの気持ちは…。
むっちゃんは複雑な子なんで、人並み以上に難しいかもですね。
恋人だけでなく、友情カプも書くのが好きなんで、友情部分を感じ取ってもらえると嬉しいです~。
亮タンのがんばり、これからも応援してくださいね。
拍手&コメントありがとうございました!
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亮タンのがんばり、これからも応援してくださいね。
拍手&コメントありがとうございました!