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落下星 (2)
2009.09.06 Sun
「でも、むっちゃんてさぁ、ホント愛されてるよねぇ。何だかんだ言っても、祐介は未だにむっちゃんに甘いし、カズもむっちゃん大好きだし。お前の出る幕ねぇじゃん」
「うっせぇよ!」
けれどそう言われると、祐介のみならず、睦月の様子が違うことを敏感に感じ取って、懸命に睦月を守ろうとする和衣にも、本気で勝てない気がしてくる。
「うぅ…カズには負けたくないー…」
「お前、そこはがんばれよ。祐介はともかく、カズとはスタートライン一緒なんだから」
翔真の言うとおり、睦月とは去年の春、ファストフード店で衝撃的な出会いをし、大学の寮で再会を果たしたときも、亮と和衣、そして翔真は一緒にいたのだ。
それなのに、恋人である自分が、和衣より遅れを取るわけにはいかない。
「ショウ~、俺、どうすればいいー!?」
「ウゼェー!」
わーん! と、ベッドの翔真に泣き付けば、すごく面倒臭そうに足蹴にされる。
けれど、本当に分からないのだ。
亮は年齢のわりに恋愛経験は豊富だが、睦月のようなタイプとは出会ったことがなくて、どうすれば睦月の気持ちをもっと満足させてあげられるのか、どうやったらもっと睦月の心の支えになってあげられるのか、分からない。
祐介の過保護の賜物か、睦月は自分の欲求にとても素直で、仰天するほどの世間知らずだけれど、かといって、「あれが欲しい」とか「これ買って」とか、そんな分かりやすいわがままを言うわけでもない。
単純かと思えば、すごく複雑。
「別にいいじゃん、どうもしなくて。むっちゃんもお前のことが好きなんだし、お前だってむっちゃんのこと好きなんだから」
「そうだけど! それは分かってるけど! そうじゃなくてー!」
子どものようにジタバタし出す亮に、自分から話を振っておいて、翔真はちょっと面倒くさくなる。
和衣も相当の恋する乙女だが、もしかしたら亮もそれに匹敵するかもしれない。
(コイツって、もっと器用なヤツじゃなかったっけ…?)
殊に恋愛に関しては。
以前の亮だったらこんなこと、悩みもしなかっただろうし、それ以前に思いも付かなかったに違いない。
相思相愛でも、いや、だからこそ感じる不安。
今まで亮が不誠実だったとは言わないが、恐らく亮がここまで一途に想った相手は、睦月が初めてだろう。これまで亮と付き合ってきた女の子たちには悪いが。
「俺が思うにさー、むっちゃんの中で祐介って別枠なんじゃねぇの? 何つーか、家族的な? だから恋人がいたって、祐介に頼ったり、助けてもらったりするのに抵抗がないっつーか。だって家族なら、どんなときだって頼りにすんじゃん」
恋人である亮よりも祐介を頼りにしたり、祐介に恋人がいても自分のほうを向かせようとしたり、何か他意があるわけではなくて、単純にそれでいいと思っている。
ひどく子ども染みた独占欲だけれど、長年かけて形成された睦月の性格が、亮と出会ったからと言って、そう簡単に変わるとも思えない。
「それを変えるのが、愛の力だろ!」
「……、何か恥ずかしいヤツだな、お前」
コブシを握って力説する亮に、翔真は口元を引き攣らせた。
「うっせぇよ!」
けれどそう言われると、祐介のみならず、睦月の様子が違うことを敏感に感じ取って、懸命に睦月を守ろうとする和衣にも、本気で勝てない気がしてくる。
「うぅ…カズには負けたくないー…」
「お前、そこはがんばれよ。祐介はともかく、カズとはスタートライン一緒なんだから」
翔真の言うとおり、睦月とは去年の春、ファストフード店で衝撃的な出会いをし、大学の寮で再会を果たしたときも、亮と和衣、そして翔真は一緒にいたのだ。
それなのに、恋人である自分が、和衣より遅れを取るわけにはいかない。
「ショウ~、俺、どうすればいいー!?」
「ウゼェー!」
わーん! と、ベッドの翔真に泣き付けば、すごく面倒臭そうに足蹴にされる。
けれど、本当に分からないのだ。
亮は年齢のわりに恋愛経験は豊富だが、睦月のようなタイプとは出会ったことがなくて、どうすれば睦月の気持ちをもっと満足させてあげられるのか、どうやったらもっと睦月の心の支えになってあげられるのか、分からない。
祐介の過保護の賜物か、睦月は自分の欲求にとても素直で、仰天するほどの世間知らずだけれど、かといって、「あれが欲しい」とか「これ買って」とか、そんな分かりやすいわがままを言うわけでもない。
単純かと思えば、すごく複雑。
「別にいいじゃん、どうもしなくて。むっちゃんもお前のことが好きなんだし、お前だってむっちゃんのこと好きなんだから」
「そうだけど! それは分かってるけど! そうじゃなくてー!」
子どものようにジタバタし出す亮に、自分から話を振っておいて、翔真はちょっと面倒くさくなる。
和衣も相当の恋する乙女だが、もしかしたら亮もそれに匹敵するかもしれない。
(コイツって、もっと器用なヤツじゃなかったっけ…?)
殊に恋愛に関しては。
以前の亮だったらこんなこと、悩みもしなかっただろうし、それ以前に思いも付かなかったに違いない。
相思相愛でも、いや、だからこそ感じる不安。
今まで亮が不誠実だったとは言わないが、恐らく亮がここまで一途に想った相手は、睦月が初めてだろう。これまで亮と付き合ってきた女の子たちには悪いが。
「俺が思うにさー、むっちゃんの中で祐介って別枠なんじゃねぇの? 何つーか、家族的な? だから恋人がいたって、祐介に頼ったり、助けてもらったりするのに抵抗がないっつーか。だって家族なら、どんなときだって頼りにすんじゃん」
恋人である亮よりも祐介を頼りにしたり、祐介に恋人がいても自分のほうを向かせようとしたり、何か他意があるわけではなくて、単純にそれでいいと思っている。
ひどく子ども染みた独占欲だけれど、長年かけて形成された睦月の性格が、亮と出会ったからと言って、そう簡単に変わるとも思えない。
「それを変えるのが、愛の力だろ!」
「……、何か恥ずかしいヤツだな、お前」
コブシを握って力説する亮に、翔真は口元を引き攣らせた。
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カテゴリー:Baby Baby Baby Love
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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COMMENT-FORM
如月久美子 ⇒ >拍手コメ→Sさん
カズちゃん編を書くなら、やっぱりむっちゃん編もでしょ、てことで始まりましたむっちゃん初めて物語です~。
恋人同士もいいですが、友情カプを書くのも楽しいんで、喜んでもらえると嬉しいです。
おっしゃるとおり、恋人同士なんだけれど、乗り越えるものの大きい2人ですが、温かく見守っていたいただければ。
コメントありがとうございました!
恋人同士もいいですが、友情カプを書くのも楽しいんで、喜んでもらえると嬉しいです。
おっしゃるとおり、恋人同士なんだけれど、乗り越えるものの大きい2人ですが、温かく見守っていたいただければ。
コメントありがとうございました!
りり ⇒ むあ~~~~(///∇///)
何気にこのふたりの会話が一番の萌えだったりするわたしです。
かっこいい翔ちゃんとワンコな亮たん…もっとふたりでしゃべって~~~!!
(それにしても翔ちゃん受けには驚きましたが、いや、今それはいいんだ
恋人だけど果たして一番かと言われると自身がない亮たん。
はたしてどんな風にお話は進むのか、目が離せません。
かっこいい翔ちゃんとワンコな亮たん…もっとふたりでしゃべって~~~!!
(それにしても翔ちゃん受けには驚きましたが、いや、今それはいいんだ
恋人だけど果たして一番かと言われると自身がない亮たん。
はたしてどんな風にお話は進むのか、目が離せません。
如月久美子 ⇒ >りりさん
> 何気にこのふたりの会話が一番の萌えだったりするわたしです。
> かっこいい翔ちゃんとワンコな亮たん…もっとふたりでしゃべって~~~!!
友情カプ、気に入ってくださって、ありがとうございます~。
書いてるほうは、楽しくて仕方ないんですけどね(^_^;)
> (それにしても翔ちゃん受けには驚きましたが、いや、今それはいいんだ
このときはまだ、翔ちゃんと真大タン、めっちゃギクシャク中でしたけどね。
その後、衝撃の…(爆)
> 恋人だけど果たして一番かと言われると自身がない亮たん。
> はたしてどんな風にお話は進むのか、目が離せません。
恋をしてると、何かにつけて不安になりますよね。
それに加えて、相手はむっちゃん。
一筋縄で行くやら……どうか応援してください。
コメントありがとうございました!
> かっこいい翔ちゃんとワンコな亮たん…もっとふたりでしゃべって~~~!!
友情カプ、気に入ってくださって、ありがとうございます~。
書いてるほうは、楽しくて仕方ないんですけどね(^_^;)
> (それにしても翔ちゃん受けには驚きましたが、いや、今それはいいんだ
このときはまだ、翔ちゃんと真大タン、めっちゃギクシャク中でしたけどね。
その後、衝撃の…(爆)
> 恋人だけど果たして一番かと言われると自身がない亮たん。
> はたしてどんな風にお話は進むのか、目が離せません。
恋をしてると、何かにつけて不安になりますよね。
それに加えて、相手はむっちゃん。
一筋縄で行くやら……どうか応援してください。
コメントありがとうございました!