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落下星 (1)
2009.09.05 Sat
今回のお話は、「君といる十二か月」「恋するカレンダー12題」の番外編となります。本編を読んでいなくても多分通じると思いますが、カップリング等のネタバレにはなりますので、ご注意ください。
今度はむっちゃん番外編です~。時期はセカンドシーズン6月くらい。カズちゃん編より、ちょっと前になります。
「そういえばさー、最近カズ、超張り切ってるよね」
睦月が和衣とバイトに出掛けた部屋に上がり込んで来た翔真は、勝手に亮のベッドでマンガ本を読んでいたかと思ったら、いきなりそんなことを言い出した。
翔真に居場所(とマンガ本)を取られた亮は、部屋の真ん中で、おもしろくもない番組ばかり映すテレビを、チャンネルを変えながら見ていたのだが。
「…何が?」
意味が分からなくて、眉を顰めながら亮が聞き返せば、翔真はマンガを読み終えたのか、それを枕元に置いて、亮のほうを向き直った。
「むっちゃんのことは、俺が守んなきゃ! みたいな感じじゃん。バイト行くときとかさー」
「アイツ、思い込んだら一直線だからなー」
「亮、熱意が負けてんじゃね?」
「はぁっ?」
翔真の言葉に、亮はイラッと声を荒げたが、言った本人は涼しい顔をしている。
それが、あながち間違いでもないから。
今でも時おり睦月を苦しめる、忌わしい過去。
去年の秋、バイト帰りに睦月が過呼吸で倒れてしまって以来、それを目の当たりにした和衣は、祐介以上の過保護さでそばに付いている。
もちろん恋人である亮のことは尊重しているので、それを差し置いて出しゃばるまねはしないが、翔真に言われるまでもなく、和衣の熱意が半端ないことは、亮だって気付いていた。
「ただでさえ亮、祐介には負け気味なのにさぁ」
「うっせ」
「だーって、相変わらずむっちゃんのヒーローは、祐介なんだろ?」
「うっせぇ、つーの!」
亮は喚くが、反論が出来ない。
それも、決して間違いではないから。
真大に誘われて亮がサッカーを見に行った日の夜、過去の辛い出来事を思い出す夢を見た睦月が助けを求めたのは、泣きながら呼んだ名前は、亮ではなく――――祐介だった。
過去のあの日、実際に睦月を助けたのは祐介だし、過保護と言われようと、ずっと睦月を支え、ここまで立ち直らせたのも祐介だから、今でも睦月の中で、祐介が大きな存在を占めていても不思議はない。
亮はそれを仕方ないと思いつつ、歯がゆくも思う。
過去に共有した時間の長さや重さでは敵わないけれど、今、誰よりもそばにいて、睦月を支えているのは自分だと思いたいのに、けれど敵わない相手。
「そりゃ、祐介のほうが誠実だし、頼りがいあるからなー」
「うぅ…」
確かに誠実でしっかり者の祐介は、かといって真面目一辺倒でもなくて、中身も外見もトータルでいい男だと思う。そりゃ男の和衣だって惚れるだろうし、いつまで経っても睦月が頼りにするのも無理もない。
もしかして、同じ土俵に乗ろうとすること自体、大きな間違い?
ひょっとして、とんでもない相手をライバル視しようとしてる?
「勝ち目ねぇ…」
テレビのリモコンを手放して、亮はローテーブルに突っ伏す。
顔よし、性格よし、それにプラスして、睦月からの信頼度もばっちり獲得している祐介に勝とうなんて、100万光年ぐらい早かったかもしれない。
今度はむっちゃん番外編です~。時期はセカンドシーズン6月くらい。カズちゃん編より、ちょっと前になります。
「そういえばさー、最近カズ、超張り切ってるよね」
睦月が和衣とバイトに出掛けた部屋に上がり込んで来た翔真は、勝手に亮のベッドでマンガ本を読んでいたかと思ったら、いきなりそんなことを言い出した。
翔真に居場所(とマンガ本)を取られた亮は、部屋の真ん中で、おもしろくもない番組ばかり映すテレビを、チャンネルを変えながら見ていたのだが。
「…何が?」
意味が分からなくて、眉を顰めながら亮が聞き返せば、翔真はマンガを読み終えたのか、それを枕元に置いて、亮のほうを向き直った。
「むっちゃんのことは、俺が守んなきゃ! みたいな感じじゃん。バイト行くときとかさー」
「アイツ、思い込んだら一直線だからなー」
「亮、熱意が負けてんじゃね?」
「はぁっ?」
翔真の言葉に、亮はイラッと声を荒げたが、言った本人は涼しい顔をしている。
それが、あながち間違いでもないから。
今でも時おり睦月を苦しめる、忌わしい過去。
去年の秋、バイト帰りに睦月が過呼吸で倒れてしまって以来、それを目の当たりにした和衣は、祐介以上の過保護さでそばに付いている。
もちろん恋人である亮のことは尊重しているので、それを差し置いて出しゃばるまねはしないが、翔真に言われるまでもなく、和衣の熱意が半端ないことは、亮だって気付いていた。
「ただでさえ亮、祐介には負け気味なのにさぁ」
「うっせ」
「だーって、相変わらずむっちゃんのヒーローは、祐介なんだろ?」
「うっせぇ、つーの!」
亮は喚くが、反論が出来ない。
それも、決して間違いではないから。
真大に誘われて亮がサッカーを見に行った日の夜、過去の辛い出来事を思い出す夢を見た睦月が助けを求めたのは、泣きながら呼んだ名前は、亮ではなく――――祐介だった。
過去のあの日、実際に睦月を助けたのは祐介だし、過保護と言われようと、ずっと睦月を支え、ここまで立ち直らせたのも祐介だから、今でも睦月の中で、祐介が大きな存在を占めていても不思議はない。
亮はそれを仕方ないと思いつつ、歯がゆくも思う。
過去に共有した時間の長さや重さでは敵わないけれど、今、誰よりもそばにいて、睦月を支えているのは自分だと思いたいのに、けれど敵わない相手。
「そりゃ、祐介のほうが誠実だし、頼りがいあるからなー」
「うぅ…」
確かに誠実でしっかり者の祐介は、かといって真面目一辺倒でもなくて、中身も外見もトータルでいい男だと思う。そりゃ男の和衣だって惚れるだろうし、いつまで経っても睦月が頼りにするのも無理もない。
もしかして、同じ土俵に乗ろうとすること自体、大きな間違い?
ひょっとして、とんでもない相手をライバル視しようとしてる?
「勝ち目ねぇ…」
テレビのリモコンを手放して、亮はローテーブルに突っ伏す。
顔よし、性格よし、それにプラスして、睦月からの信頼度もばっちり獲得している祐介に勝とうなんて、100万光年ぐらい早かったかもしれない。
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テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ Σ(`・ω・屮)屮 オオォォォオォ
今度は亮たんむっちゃんなのですね!!
うんうん、これ気になってた~~~!!
うはっ、楽しみです♪
にしても、翔ちゃん、ズバッと直球ストレート(笑)
うんうん、これ気になってた~~~!!
うはっ、楽しみです♪
にしても、翔ちゃん、ズバッと直球ストレート(笑)
りり ⇒ オオーw(*゜o゜*)w
これ読みたかったんですよ!!
亮たんラブ(///∇///)
犬系男子が好きなようです。
だって最初はむっちゃん、ゆっちのこと一番頼りにしていて。
どこから二人は今のようになったんだろう?
そしてもしかしてこの子達のお初も?!
ああああ!!目が離せない!!
亮たんラブ(///∇///)
犬系男子が好きなようです。
だって最初はむっちゃん、ゆっちのこと一番頼りにしていて。
どこから二人は今のようになったんだろう?
そしてもしかしてこの子達のお初も?!
ああああ!!目が離せない!!
- |2009.09.05
- |Sat
- |20:07
- |URL
- |EDIT|
くろねこ ⇒ ■(ΦωΦ)フフフ
いつも亮くん、和ちゃんに邪魔されたり苦労多かったもんね。
ここらで、スポットライトあびて主役の座を・・・。
あのむっちゃんが亮ちゃんラブになったいきさつも知りたかったんです。
朝のひとときの楽しみ、満喫させていただきます。
ここらで、スポットライトあびて主役の座を・・・。
あのむっちゃんが亮ちゃんラブになったいきさつも知りたかったんです。
朝のひとときの楽しみ、満喫させていただきます。
- |2009.09.05
- |Sat
- |22:16
- |URL
- |EDIT|
如月久美子@携帯 ⇒ >柚子季さん
和ちゃんを書いたからには、この子たちも書かないわけには(笑)
しかもむっちゃんは、和ちゃんよりも重いテーマがあるんで、その辺が私にうまく書けるかどうか、というところなんですが。
幸せになるよう、応援してくださいね(*^_^*)
コメント、ありがとうございました!
しかもむっちゃんは、和ちゃんよりも重いテーマがあるんで、その辺が私にうまく書けるかどうか、というところなんですが。
幸せになるよう、応援してくださいね(*^_^*)
コメント、ありがとうございました!
- |2009.09.05
- |Sat
- |23:51
- |URL
- |EDIT|
如月久美子@携帯 ⇒ >りりさん
犬系男子!
確かに亮タンは犬ぽいですよね。
和ちゃん編を書く中で、むっちゃん編も避けて通れないと思ってたので、何とか公開に漕ぎ付けました。
むっちゃんの中で、亮タンの存在がどうなっていくか、うまく表せれば、ですが。
コメント、ありがとうございました!
確かに亮タンは犬ぽいですよね。
和ちゃん編を書く中で、むっちゃん編も避けて通れないと思ってたので、何とか公開に漕ぎ付けました。
むっちゃんの中で、亮タンの存在がどうなっていくか、うまく表せれば、ですが。
コメント、ありがとうございました!
- |2009.09.06
- |Sun
- |00:00
- |URL
- |EDIT|
如月久美子@携帯 ⇒ >くろねこさん
久々に亮タン、主役の座に返り咲きです(爆)
むっちゃんとのお初編、しばらくは亮タンの悶々が続きますが、どうぞお付き合いくださいませ(*^_^*)
コメント、ありがとうございました!
むっちゃんとのお初編、しばらくは亮タンの悶々が続きますが、どうぞお付き合いくださいませ(*^_^*)
コメント、ありがとうございました!
- |2009.09.06
- |Sun
- |00:04
- |URL
- |EDIT|