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1月 玄関開けたらあなたとはちあわせ。 (8)
2009.06.23 Tue
自分が友人たちにこうも簡単にカミングアウト出来たのは、周囲にそういう人間が多いことだと分かったとき、翔真はふと気が付かなくてもいいことまで気が付いてしまった。
(類友…)
自分が普段つるんでいる友人たち皆、恋人が同性だという事実。
同性愛に偏見はなく、ゲイなんだと打ち明けられても引くことはないが、たった今気が付いたこの現実には、若干引く。
「ショウちゃん、どうしたの? てか、このストーブ、調子悪いね。あったまんない」
ボロのストーブを弄くり回して、何とか部屋の温度を上げようとしていた蒼一郎が、落ち込み気味の翔真に気が付いて振り返った。
「なぁ蒼ー…。郁とヤるとき、お前が突っ込む側なんだろ? どうやって決めたの? ジャンケン?」
「…………、……、…うぇっ!?」
ごく普通の調子で尋ねてきた翔真の質問の内容に、蒼一郎は引っ繰り返った声を上げた。
ベッドの上での蒼一郎と郁雅の関係は、ここで開かれていた和衣のお勉強会のときに話していて、何気なく耳にしていたから、知っていた。
和衣も、その役割をどうやって決めたのか聞いていたが、蒼一郎はいつの間にかそうなったとか適当にごまかしていた。
けれど、こんな重要なこと、何となく決まるものではないと、翔真は踏んでいる。ましてや、お互い、男同士でやるのが初めてなのなら。
いろんな人を経験したり、どっちもやってみたりして、そのセクシュアリティが決まって来ると思うのだ。
「ななな何言い出してんの、急に!」
「何となくとか、いつの間にかとか、そんなの嘘だろ? どうやって決めたの? お前が入れたいっつったとき、郁、全然抵抗しなかった?」
「……、何でそんなこと聞くの? 興味本位?」
慌てていただけの蒼一郎が、眉を顰めて神妙な顔付きになった。
翔真が、男同士だとかそういったことに偏見がないことは知っているが、質問の内容が内容なだけに、単に興味だけで知りたがっているのであれば、答えたくはない。
「あ…いや、そうじゃないんだけど…」
蒼一郎の表情に、彼の思っていることを感じ取って、けれど翔真は言葉に詰まってしまった。
真大が、あとで自分から話すと言っていたから、余計なことはしないでいたのだが、蒼一郎の態度を見ていると、どうも真大もまだ話していないようだ。
ということは、蒼一郎は、翔真が興味以外の理由でそんなことを知りたがるなんて、思いも寄らないに違いない。
そんなつもりはないのだが、それを説明するには、真大との関係を話さなければならなくなってしまう。
「…興味じゃなくて、切実な悩み」
「……え…? …………、え?」
「何回も聞き返すなよ、バカ!」
間を置いて、何度も聞き返してくる蒼一郎の頭を、パコンと叩いた。
「だって、え? どういうこと? その……誰かに迫られちゃったとか…?」
「…………」
「えっマジ!? イッテ!」
黙りこくった翔真の反応を、肯定の返事と見做した蒼一郎は、仰天した拍子に振り上げた手をストーブにぶつけた。
(類友…)
自分が普段つるんでいる友人たち皆、恋人が同性だという事実。
同性愛に偏見はなく、ゲイなんだと打ち明けられても引くことはないが、たった今気が付いたこの現実には、若干引く。
「ショウちゃん、どうしたの? てか、このストーブ、調子悪いね。あったまんない」
ボロのストーブを弄くり回して、何とか部屋の温度を上げようとしていた蒼一郎が、落ち込み気味の翔真に気が付いて振り返った。
「なぁ蒼ー…。郁とヤるとき、お前が突っ込む側なんだろ? どうやって決めたの? ジャンケン?」
「…………、……、…うぇっ!?」
ごく普通の調子で尋ねてきた翔真の質問の内容に、蒼一郎は引っ繰り返った声を上げた。
ベッドの上での蒼一郎と郁雅の関係は、ここで開かれていた和衣のお勉強会のときに話していて、何気なく耳にしていたから、知っていた。
和衣も、その役割をどうやって決めたのか聞いていたが、蒼一郎はいつの間にかそうなったとか適当にごまかしていた。
けれど、こんな重要なこと、何となく決まるものではないと、翔真は踏んでいる。ましてや、お互い、男同士でやるのが初めてなのなら。
いろんな人を経験したり、どっちもやってみたりして、そのセクシュアリティが決まって来ると思うのだ。
「ななな何言い出してんの、急に!」
「何となくとか、いつの間にかとか、そんなの嘘だろ? どうやって決めたの? お前が入れたいっつったとき、郁、全然抵抗しなかった?」
「……、何でそんなこと聞くの? 興味本位?」
慌てていただけの蒼一郎が、眉を顰めて神妙な顔付きになった。
翔真が、男同士だとかそういったことに偏見がないことは知っているが、質問の内容が内容なだけに、単に興味だけで知りたがっているのであれば、答えたくはない。
「あ…いや、そうじゃないんだけど…」
蒼一郎の表情に、彼の思っていることを感じ取って、けれど翔真は言葉に詰まってしまった。
真大が、あとで自分から話すと言っていたから、余計なことはしないでいたのだが、蒼一郎の態度を見ていると、どうも真大もまだ話していないようだ。
ということは、蒼一郎は、翔真が興味以外の理由でそんなことを知りたがるなんて、思いも寄らないに違いない。
そんなつもりはないのだが、それを説明するには、真大との関係を話さなければならなくなってしまう。
「…興味じゃなくて、切実な悩み」
「……え…? …………、え?」
「何回も聞き返すなよ、バカ!」
間を置いて、何度も聞き返してくる蒼一郎の頭を、パコンと叩いた。
「だって、え? どういうこと? その……誰かに迫られちゃったとか…?」
「…………」
「えっマジ!? イッテ!」
黙りこくった翔真の反応を、肯定の返事と見做した蒼一郎は、仰天した拍子に振り上げた手をストーブにぶつけた。
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ 類友ww
ええ!そりゃもう人類総ホ○化計画推進委員会に強制加入させらております故((笑´∀`))ヶラヶラ
翔ちゃん、蒼くんに聞いちゃうんだ(笑)
まぁ、幼馴染2人は…それこそ自然に役割決まった感じがしますもんねww
切実だよねぇーーそうだよねぇーーーwww
あーもう、楽しい!←
翔ちゃん、蒼くんに聞いちゃうんだ(笑)
まぁ、幼馴染2人は…それこそ自然に役割決まった感じがしますもんねww
切実だよねぇーーそうだよねぇーーーwww
あーもう、楽しい!←
りり ⇒ 相談してるーー!!
女の子としか付き合ったことない男の子同士で、明らかに自分が受けネコタイプだと自覚してる子じゃないかぎり、入れられる側っていうのはかなり勇気がいるのかな?
どうせ同性だったら女子にするのと似たことをする側よりお得なのでは…とは普通思わないんでしょうか?(; ̄ー ̄A アセアセ・・・
怖い?プライドが?
今回蒼ちゃんの慌て振りが面白かったです[壁]・m・) プププ
どうせ同性だったら女子にするのと似たことをする側よりお得なのでは…とは普通思わないんでしょうか?(; ̄ー ̄A アセアセ・・・
怖い?プライドが?
今回蒼ちゃんの慌て振りが面白かったです[壁]・m・) プププ
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> ええ!そりゃもう人類総ホ○化計画推進委員会に強制加入させらております故((笑´∀`))ヶラヶラ
もうホントに!
私はどれだけの男をホ○にしたら気が済むんだろう…。
> 翔ちゃん、蒼くんに聞いちゃうんだ(笑)
翔ちゃんにとっては一大事なわけで。
聞くとしたら、カズちゃんよりは蒼ちゃんかなぁ、と。師匠ですし(笑)
> あーもう、楽しい!←
確かに!
他人事だと思えば、楽しいだけですよね。
この切実な悩み、いったいどうやって解消されるのか、蒼ちゃんとのやり取りはまだまだ続きます~。
コメントありがとうございました!
もうホントに!
私はどれだけの男をホ○にしたら気が済むんだろう…。
> 翔ちゃん、蒼くんに聞いちゃうんだ(笑)
翔ちゃんにとっては一大事なわけで。
聞くとしたら、カズちゃんよりは蒼ちゃんかなぁ、と。師匠ですし(笑)
> あーもう、楽しい!←
確かに!
他人事だと思えば、楽しいだけですよね。
この切実な悩み、いったいどうやって解消されるのか、蒼ちゃんとのやり取りはまだまだ続きます~。
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >りりさん
> 女の子としか付き合ったことない男の子同士で、明らかに自分が受けネコタイプだと自覚してる子じゃないかぎり、入れられる側っていうのはかなり勇気がいるのかな?
> どうせ同性だったら女子にするのと似たことをする側よりお得なのでは…とは普通思わないんでしょうか?(; ̄ー ̄A アセアセ・・・
うーん…やっぱり貞操の危機?? (爆)
やっぱり男としてのプライドでしょうか。
> 今回蒼ちゃんの慌て振りが面白かったです[壁]・m・) プププ
蒼ちゃん、やっぱり天然爆発で、真剣に相談に乗りたい気持ちと、ストーブ点かないことへの困った…と、何だかよく分かんないけど、もう大変!! が折り重なって、心は大変なことに…。
もう暑くてたまらないようなこの時期に、ストーブとか書いてる自分が寂しい限りですが……まだまだ冬のお話は続きますので、よろしくお願いします~。
コメントありがとうございました!
> どうせ同性だったら女子にするのと似たことをする側よりお得なのでは…とは普通思わないんでしょうか?(; ̄ー ̄A アセアセ・・・
うーん…やっぱり貞操の危機?? (爆)
やっぱり男としてのプライドでしょうか。
> 今回蒼ちゃんの慌て振りが面白かったです[壁]・m・) プププ
蒼ちゃん、やっぱり天然爆発で、真剣に相談に乗りたい気持ちと、ストーブ点かないことへの困った…と、何だかよく分かんないけど、もう大変!! が折り重なって、心は大変なことに…。
もう暑くてたまらないようなこの時期に、ストーブとか書いてる自分が寂しい限りですが……まだまだ冬のお話は続きますので、よろしくお願いします~。
コメントありがとうございました!