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11月 あったかい期待シタイみたい。 (2)
2009.05.28 Thu
「あ、すいませーん。フライドポテトと豆腐グラタン追加で」
学校帰りのファミレス。
通り掛かったフロア係のお姉さんを呼び止めて、翔真はさっさと注文した。
「おい、ちょ、待て! 何追加してんだ、お前」
焦った亮が突っ込んだときにはもう、お姉さんは「かしこまりましたー」とテーブルを離れて行った。
2人の座った席のテーブルには、すでにドリンクバーのグラスと、パスタとサラダ×2が乗っている。もちろん頼んだのは翔真だ。
「あー、これで俺、甘いモン食えたら、デザートとか頼むのになぁ」
「ぜってぇ頼むな」
パフェやらケーキやら、甘ったるそうなスイーツの載ったページを閉じてメニューを片付ける翔真を、亮はウンザリしたように睨んだ。
「あ、秋限定メニューだって。うまそう。やっぱこれも頼もっかな」
「ざけんな」
「だって亮が何でも奢ってくれるなんて、もうこれから先ないと思うしー」
「……」
授業が終わって早々に帰ろうとする翔真を、さりげなく呼び止めた亮は、眠いー、腹減ったー、て喚いている翔真を宥めるため、帰り道からちょっと外れたところにあるファミレスへと流れ込んだ。
『…帰れば、寝れるし、ただでメシ食えんのに』
翔真はそうぼやいた。
それは単に外食して無駄な金を遣いたくないという意味? でも冷蔵庫の中身は、自分で買ってるものだから、ただではないはず。
じゃあ、安らかに寝かせてくれて、ただメシを食わせてくれる誰かが、いるってこと?
いろいろ気になったけれど、亮は『メシくらい俺が奢ってやる』て言ってやった。そうでもしなければ、翔真をこのまま引き留めておくなんて出来なそうだったから。
けれど、通された席であくびをしながらメニューを広げた翔真が、やって来たフロア係のお姉さんに次々に注文するものだから、すぐに亮は、そんなことを言って失敗した! と後悔するはめになる。
「つーか、そんなに頼んで食えるわけ?」
「だって亮も食うでしょ? はい」
サラダに入っていたオリーブをフォークで突き刺して、翔真は向かいの亮のほうに差し出してきた。
まさかこれを食えと言うのか。
いやオリーブは好きだし、くれると言うなら食べるけれど、この状態からして、翔真が差し出すフォークから直に食べるということで。
「アホか、お前!」
「何で。亮、オリーブ好きだって言うから、上げようとしたのに!」
途端、拗ねたような顔をして、翔真はフォークに刺さったオリーブをバクリと食べた。
「…てかさぁ、ショウ、何で最近、寮に帰ってねぇの?」
モシャモシャとサラダを頬張っている翔真に直球で尋ねれば、ピタリとその手が止まった。
ゆっくりと顔を上げた翔真は、嫌そうな顔をしながらも、モグモグ口を動かしている。こんな状態で、何か答えろと言ったって、喋れるわけがない。
「あーいや、食ってからでいいから! 俺が悪かったって」
それから翔真は、亮が答えを待っているのが分かっていながら、十分に咀嚼してから飲み込んで、それからコーラを飲んで、ようやく「何のこと?」と聞き返した。
「何じゃねぇよ。何で帰んねぇの?」
「えー? 何となく?」
はぐらかすつもりなのか、本当に"何となく"以外の理由がないのか、翔真はそう言ってパスタに手を伸ばす。
学校帰りのファミレス。
通り掛かったフロア係のお姉さんを呼び止めて、翔真はさっさと注文した。
「おい、ちょ、待て! 何追加してんだ、お前」
焦った亮が突っ込んだときにはもう、お姉さんは「かしこまりましたー」とテーブルを離れて行った。
2人の座った席のテーブルには、すでにドリンクバーのグラスと、パスタとサラダ×2が乗っている。もちろん頼んだのは翔真だ。
「あー、これで俺、甘いモン食えたら、デザートとか頼むのになぁ」
「ぜってぇ頼むな」
パフェやらケーキやら、甘ったるそうなスイーツの載ったページを閉じてメニューを片付ける翔真を、亮はウンザリしたように睨んだ。
「あ、秋限定メニューだって。うまそう。やっぱこれも頼もっかな」
「ざけんな」
「だって亮が何でも奢ってくれるなんて、もうこれから先ないと思うしー」
「……」
授業が終わって早々に帰ろうとする翔真を、さりげなく呼び止めた亮は、眠いー、腹減ったー、て喚いている翔真を宥めるため、帰り道からちょっと外れたところにあるファミレスへと流れ込んだ。
『…帰れば、寝れるし、ただでメシ食えんのに』
翔真はそうぼやいた。
それは単に外食して無駄な金を遣いたくないという意味? でも冷蔵庫の中身は、自分で買ってるものだから、ただではないはず。
じゃあ、安らかに寝かせてくれて、ただメシを食わせてくれる誰かが、いるってこと?
いろいろ気になったけれど、亮は『メシくらい俺が奢ってやる』て言ってやった。そうでもしなければ、翔真をこのまま引き留めておくなんて出来なそうだったから。
けれど、通された席であくびをしながらメニューを広げた翔真が、やって来たフロア係のお姉さんに次々に注文するものだから、すぐに亮は、そんなことを言って失敗した! と後悔するはめになる。
「つーか、そんなに頼んで食えるわけ?」
「だって亮も食うでしょ? はい」
サラダに入っていたオリーブをフォークで突き刺して、翔真は向かいの亮のほうに差し出してきた。
まさかこれを食えと言うのか。
いやオリーブは好きだし、くれると言うなら食べるけれど、この状態からして、翔真が差し出すフォークから直に食べるということで。
「アホか、お前!」
「何で。亮、オリーブ好きだって言うから、上げようとしたのに!」
途端、拗ねたような顔をして、翔真はフォークに刺さったオリーブをバクリと食べた。
「…てかさぁ、ショウ、何で最近、寮に帰ってねぇの?」
モシャモシャとサラダを頬張っている翔真に直球で尋ねれば、ピタリとその手が止まった。
ゆっくりと顔を上げた翔真は、嫌そうな顔をしながらも、モグモグ口を動かしている。こんな状態で、何か答えろと言ったって、喋れるわけがない。
「あーいや、食ってからでいいから! 俺が悪かったって」
それから翔真は、亮が答えを待っているのが分かっていながら、十分に咀嚼してから飲み込んで、それからコーラを飲んで、ようやく「何のこと?」と聞き返した。
「何じゃねぇよ。何で帰んねぇの?」
「えー? 何となく?」
はぐらかすつもりなのか、本当に"何となく"以外の理由がないのか、翔真はそう言ってパスタに手を伸ばす。
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ ヤサグレ翔ちゃん(苦笑)
何だか子供っぽくなっちゃってますね(苦笑)
気心しれた亮ちゃんと一緒だから、何とな~く甘えてるのかな?
でも全てを曝け出すなんて出来なくて…。
毎日のように変わるお相手、タダ飯食えて寝れても、そこに心からの安らぎは無いんだろうなぁと思うと…(;つД`)
亮ちゃんもカズちゃんも、長い付き合いの中でこんな翔ちゃんと向き合うのは初めてでしょうし、心配だろうなぁ。
翔ちゃんの周りにガラス板みたいな膜が見える気がします(クスン
でもヤサグレてても、翔ちゃん好きです( ´艸`)ムププ♪
気心しれた亮ちゃんと一緒だから、何とな~く甘えてるのかな?
でも全てを曝け出すなんて出来なくて…。
毎日のように変わるお相手、タダ飯食えて寝れても、そこに心からの安らぎは無いんだろうなぁと思うと…(;つД`)
亮ちゃんもカズちゃんも、長い付き合いの中でこんな翔ちゃんと向き合うのは初めてでしょうし、心配だろうなぁ。
翔ちゃんの周りにガラス板みたいな膜が見える気がします(クスン
でもヤサグレてても、翔ちゃん好きです( ´艸`)ムププ♪
りり ⇒ 亮ちゃん何とかしてあげて~
異常事態に気付いてくれてよかったけど、
翔ちゃん素直に寮に落ち着いてくれるんだろうか。
自分でも自分の状態がよく分からないのかなあ。
親友に正直に話せばいいのに。
翔ちゃん素直に寮に落ち着いてくれるんだろうか。
自分でも自分の状態がよく分からないのかなあ。
親友に正直に話せばいいのに。
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> 何だか子供っぽくなっちゃってますね(苦笑)
> 気心しれた亮ちゃんと一緒だから、何とな~く甘えてるのかな?
こちらもゆっちさんと同じく、普段は大人びてますが、20歳の若者なんで。
でもそれにしても、ちょっと子どもっぽかったですかね?
子どもっぽい翔ちゃんも、私的にはお気に入りなんですが(笑)
> でもヤサグレてても、翔ちゃん好きです( ´艸`)ムププ♪
ありがとうございま~す!
ヤサグレ翔ちゃん、今までと違って、書いてるこちらも、ちょっと楽しかったりします( ´艸`)♪
コメントありがとうございました!
> 気心しれた亮ちゃんと一緒だから、何とな~く甘えてるのかな?
こちらもゆっちさんと同じく、普段は大人びてますが、20歳の若者なんで。
でもそれにしても、ちょっと子どもっぽかったですかね?
子どもっぽい翔ちゃんも、私的にはお気に入りなんですが(笑)
> でもヤサグレてても、翔ちゃん好きです( ´艸`)ムププ♪
ありがとうございま~す!
ヤサグレ翔ちゃん、今までと違って、書いてるこちらも、ちょっと楽しかったりします( ´艸`)♪
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >りりさん
翔ちゃん、もう完全に自棄です。
心配してくれる友だちに話せばいいのに、心配されると余計にイライラする悪循環。
こんなときこそ、親身になってくれるのが親友なんですけどね。
こんな状態がしばらく続くので、読んでるみなさんには、ハラハラ・モヤモヤさせてしまうかも~。
コメントありがとうございました!
心配してくれる友だちに話せばいいのに、心配されると余計にイライラする悪循環。
こんなときこそ、親身になってくれるのが親友なんですけどね。
こんな状態がしばらく続くので、読んでるみなさんには、ハラハラ・モヤモヤさせてしまうかも~。
コメントありがとうございました!