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11月 あったかい期待シタイみたい。 (1)
2009.05.27 Wed
珍しく、その日の授業に翔真が1度も顔を見せなかった。
誰も特に連絡を受けていなくて、朝一のときは、寝坊? とみんな笑っていたが、次の授業になっても姿を見せず、心配になって和衣が携帯電話を鳴らしたが、呼び出せど、繋がらない。
具合でも悪いのかと思ったが、カフェテリアで昼食を取っているときに出くわした蒼一郎に尋ねれば、翔真は昨日から帰って来ていないという。
「どっか出掛けてんだ? でもショウちゃんが学校来ないほど遊んでるなんて、珍しいね」
同じ寮に住んでいるからといって、別に毎日一緒に登校しているわけではないから、実際のところ、翔真が今、遊び疲れて寮で寝ているのか、それとも別の場所にいるのかなんて、分からない。
今回に限らず、翔真が寮以外のところから学校に来ていたとしても、亮たちがそれを知る術はないが、それでも翔真が連絡もなしに授業を休むなんてことはなかったから、何だか妙な感じだ。
「でもショウにだって、そういうことくらいあんだろ」
翔真の友人は、別に自分たちばかりではないし、翔真にも自分の都合や用事があるだろうから、理由を告げず帰って来ないからといって、あまりとやかく言うこともないと思う。
やけにみんながしんみりと深刻そうに考え込むから、亮がそう言って翔真のフォローをしたけれど、蒼一郎だけが表情を変えない。
「蒼ちゃん、どした?」
「んー…つーか、最近しょっちゅう帰って来ないんだよねー。今までもさ、帰って来ないこととかあったけど、ここんとこ、しょっちゅうなの。先週なんて1日しか帰って来なかったし」
「えっ!?」
さすがに蒼一郎のその言葉には、亮も驚きの声を上げた。
蒼一郎と翔真は学部も学年も違って、取っている授業の開始時間が異なるから、蒼一郎が学校に行った後、翔真が帰って来たり、荷物を持ってまた出かけて行ったりしているのかもしれないけれど、とにかくここ数日まともに会ってはいなかった。
「そんなの知らない…。ショウちゃん、全然帰ってないんだ…。何で?」
「いや、何かあるんだろ? 友だちンち行ってるとか」
不安そうな顔をする和衣に、亮は慌てる。
寮に帰りたくないのか、他にもっといたい場所があって、帰らないだけなのか、それとも。
「…俺と一緒の部屋なの、ウザくなったとか…?」
「…………」
「――――て、冗談なんだから、誰か突っ込んでよ!」
まさか今さら蒼一郎のことが嫌になったなんて思わないけれど、あまりに蒼一郎が深刻そうに言うから、本気かと思って誰も突っ込めないでいたら、ノリ突っ込みみたく、自分で突っ込みを入れた。
「蒼ちゃん、それ全然笑えないし」
「だって…」
「彼女のとこ行ってんじゃないの? ラブラブなの」
みんなが戸惑う中、睦月が思い付いたようにそう言った。
翔真が、恋人とそんなにべったりするタイプでないことを知っている亮と和衣は、そうかなぁ? と顔を見合わせたが、幾日も寮に帰って来ない理由としては、妥当なところだろう。
亮は、翔真が彼女と別れたと聞いていたが、もしかしたら新しい彼女が出来て、今はそれこそラブラブなのかもしれない。
「俺、ショウちゃんの彼女知ってるよ! この前見た。髪の毛クリンクリンでね、お嬢様系だった」
ウェーブの掛かったヘアスタイルを表現したかったのか、顔の横で両手を動かしてジェスチャーまでしてみせる睦月に、みんな思わず笑ってしまった。
「でもさぁ、あーゆうのって、お嬢様系って言うの? 俺も見たことあるけど、髪の毛、超金髪だったし、ギャル系じゃない?」
自分のチャラ付いた格好を棚に上げて、蒼一郎は先日翔真と並んで歩いていた女のことを思い出してそう言った。
睦月の言うとおり、髪の毛はクリンクリンという感じだったが、とてもお嬢様系とは言い難い雰囲気だった。
「…イメチェンした?」
「すごい方向転換だな」
お嬢様からギャルへ。もしくはその逆。
どちらだとしても、すごいことはすごい。
「……、でも、俺が見た子、髪短かったけど」
ずっと黙って話を聞いていた祐介が、ポツリと口を開いた。
言うべきか迷っていたが、あまりに自分の見掛けた女の子と、睦月や蒼一郎が話す女の子像が違うものだから、祐介は思い切って言ってみた。
「ゆっちも見たことあんの?」
「この前…。でも髪短くて、背高くて……何か年上、て感じだった」
「お姉さん系?」
「何系て言うかは知らないけど…」
「…………」
「…………」
さすがに三者三様の言い分に、とてもその3人が、イメチェンを繰り返す同一人物とは思えなってくる。
彼女でなく、単なる友だち?
それとも考えたくはないけれど、こんな短期間に3人も彼女を変えたってこと?
「でもいくら何でも、ショウちゃん、そんなことしないでしょ。ねぇ?」
「…」
和衣の言葉に、亮は曖昧に頷いた。
誰も特に連絡を受けていなくて、朝一のときは、寝坊? とみんな笑っていたが、次の授業になっても姿を見せず、心配になって和衣が携帯電話を鳴らしたが、呼び出せど、繋がらない。
具合でも悪いのかと思ったが、カフェテリアで昼食を取っているときに出くわした蒼一郎に尋ねれば、翔真は昨日から帰って来ていないという。
「どっか出掛けてんだ? でもショウちゃんが学校来ないほど遊んでるなんて、珍しいね」
同じ寮に住んでいるからといって、別に毎日一緒に登校しているわけではないから、実際のところ、翔真が今、遊び疲れて寮で寝ているのか、それとも別の場所にいるのかなんて、分からない。
今回に限らず、翔真が寮以外のところから学校に来ていたとしても、亮たちがそれを知る術はないが、それでも翔真が連絡もなしに授業を休むなんてことはなかったから、何だか妙な感じだ。
「でもショウにだって、そういうことくらいあんだろ」
翔真の友人は、別に自分たちばかりではないし、翔真にも自分の都合や用事があるだろうから、理由を告げず帰って来ないからといって、あまりとやかく言うこともないと思う。
やけにみんながしんみりと深刻そうに考え込むから、亮がそう言って翔真のフォローをしたけれど、蒼一郎だけが表情を変えない。
「蒼ちゃん、どした?」
「んー…つーか、最近しょっちゅう帰って来ないんだよねー。今までもさ、帰って来ないこととかあったけど、ここんとこ、しょっちゅうなの。先週なんて1日しか帰って来なかったし」
「えっ!?」
さすがに蒼一郎のその言葉には、亮も驚きの声を上げた。
蒼一郎と翔真は学部も学年も違って、取っている授業の開始時間が異なるから、蒼一郎が学校に行った後、翔真が帰って来たり、荷物を持ってまた出かけて行ったりしているのかもしれないけれど、とにかくここ数日まともに会ってはいなかった。
「そんなの知らない…。ショウちゃん、全然帰ってないんだ…。何で?」
「いや、何かあるんだろ? 友だちンち行ってるとか」
不安そうな顔をする和衣に、亮は慌てる。
寮に帰りたくないのか、他にもっといたい場所があって、帰らないだけなのか、それとも。
「…俺と一緒の部屋なの、ウザくなったとか…?」
「…………」
「――――て、冗談なんだから、誰か突っ込んでよ!」
まさか今さら蒼一郎のことが嫌になったなんて思わないけれど、あまりに蒼一郎が深刻そうに言うから、本気かと思って誰も突っ込めないでいたら、ノリ突っ込みみたく、自分で突っ込みを入れた。
「蒼ちゃん、それ全然笑えないし」
「だって…」
「彼女のとこ行ってんじゃないの? ラブラブなの」
みんなが戸惑う中、睦月が思い付いたようにそう言った。
翔真が、恋人とそんなにべったりするタイプでないことを知っている亮と和衣は、そうかなぁ? と顔を見合わせたが、幾日も寮に帰って来ない理由としては、妥当なところだろう。
亮は、翔真が彼女と別れたと聞いていたが、もしかしたら新しい彼女が出来て、今はそれこそラブラブなのかもしれない。
「俺、ショウちゃんの彼女知ってるよ! この前見た。髪の毛クリンクリンでね、お嬢様系だった」
ウェーブの掛かったヘアスタイルを表現したかったのか、顔の横で両手を動かしてジェスチャーまでしてみせる睦月に、みんな思わず笑ってしまった。
「でもさぁ、あーゆうのって、お嬢様系って言うの? 俺も見たことあるけど、髪の毛、超金髪だったし、ギャル系じゃない?」
自分のチャラ付いた格好を棚に上げて、蒼一郎は先日翔真と並んで歩いていた女のことを思い出してそう言った。
睦月の言うとおり、髪の毛はクリンクリンという感じだったが、とてもお嬢様系とは言い難い雰囲気だった。
「…イメチェンした?」
「すごい方向転換だな」
お嬢様からギャルへ。もしくはその逆。
どちらだとしても、すごいことはすごい。
「……、でも、俺が見た子、髪短かったけど」
ずっと黙って話を聞いていた祐介が、ポツリと口を開いた。
言うべきか迷っていたが、あまりに自分の見掛けた女の子と、睦月や蒼一郎が話す女の子像が違うものだから、祐介は思い切って言ってみた。
「ゆっちも見たことあんの?」
「この前…。でも髪短くて、背高くて……何か年上、て感じだった」
「お姉さん系?」
「何系て言うかは知らないけど…」
「…………」
「…………」
さすがに三者三様の言い分に、とてもその3人が、イメチェンを繰り返す同一人物とは思えなってくる。
彼女でなく、単なる友だち?
それとも考えたくはないけれど、こんな短期間に3人も彼女を変えたってこと?
「でもいくら何でも、ショウちゃん、そんなことしないでしょ。ねぇ?」
「…」
和衣の言葉に、亮は曖昧に頷いた。
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柚子季杏 ⇒ あわゎゎゎヽ(≧Д≦;)ノ
翔ちゃん…めっちゃ自棄になってるやん(;つД`)
そんな事しても自分が虚しくなるだけなのになぁ…分かってるだろうになぁ。
亮ちゃんやカズちゃんたちにまで距離取っちゃって(涙
自ら自分を孤独へと追い込んでる気がして切ないです(;´Д`)
でもこういう時って、下手に心配とかされても「ウザイ」とか思っちゃうんですよねぇ…放っとけよ!みたいな…。
誰か~~翔ちゃんを救ってあげてーー!!゜+.゜.(⊃Д`*)゜+.゜
そんな事しても自分が虚しくなるだけなのになぁ…分かってるだろうになぁ。
亮ちゃんやカズちゃんたちにまで距離取っちゃって(涙
自ら自分を孤独へと追い込んでる気がして切ないです(;´Д`)
でもこういう時って、下手に心配とかされても「ウザイ」とか思っちゃうんですよねぇ…放っとけよ!みたいな…。
誰か~~翔ちゃんを救ってあげてーー!!゜+.゜.(⊃Д`*)゜+.゜
りり ⇒ 荒れてる~~
今までモテモテでもそれなりに筋の通ったつきあい方しかしてこなかったはずの翔ちゃんが…。
手当たり次第?!
オロオロ(゜ロ゜;))((;゜ロ゜)オロオロ
迷走しているんでしょうね~。とにかく苦しいから逃れたくてあがくけど、余計にどつぼにはまっていってしまう。親友を未遂とはいえ押し倒しかけたこともこたえているんだろうなあ。
遠~い昔にそんなことありましたよ!
ホントはじっとしている方がいいのに、じっとしていられないんですよねえ…(ため息
心配だ。心配だよ翔ちゃん!
手当たり次第?!
オロオロ(゜ロ゜;))((;゜ロ゜)オロオロ
迷走しているんでしょうね~。とにかく苦しいから逃れたくてあがくけど、余計にどつぼにはまっていってしまう。親友を未遂とはいえ押し倒しかけたこともこたえているんだろうなあ。
遠~い昔にそんなことありましたよ!
ホントはじっとしている方がいいのに、じっとしていられないんですよねえ…(ため息
心配だ。心配だよ翔ちゃん!
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> 翔ちゃん…めっちゃ自棄になってるやん(;つД`)
> そんな事しても自分が虚しくなるだけなのになぁ…分かってるだろうになぁ。
そうなんです~。
今までの反動が一気に出ちゃったのか、翔ちゃん、完全に自棄になってます。
自分はちゃんとしてるのに、勝手に遊んでるとか思われちゃうし……疲れ切ってます。
> でもこういう時って、下手に心配とかされても「ウザイ」とか思っちゃうんですよねぇ…放っとけよ!みたいな…。
きっと翔ちゃんも、心のどこかでは心配されてるの、分かってるはずなんですけどね。
素直になれずにいます。
でもこういうときって、みんなそんな感じになっちゃいますよね。
やさぐれ翔ちゃん、しばらく続きますが、嫌いにならないでくださいね~(心配!)
コメントありがとうございました!
> そんな事しても自分が虚しくなるだけなのになぁ…分かってるだろうになぁ。
そうなんです~。
今までの反動が一気に出ちゃったのか、翔ちゃん、完全に自棄になってます。
自分はちゃんとしてるのに、勝手に遊んでるとか思われちゃうし……疲れ切ってます。
> でもこういう時って、下手に心配とかされても「ウザイ」とか思っちゃうんですよねぇ…放っとけよ!みたいな…。
きっと翔ちゃんも、心のどこかでは心配されてるの、分かってるはずなんですけどね。
素直になれずにいます。
でもこういうときって、みんなそんな感じになっちゃいますよね。
やさぐれ翔ちゃん、しばらく続きますが、嫌いにならないでくださいね~(心配!)
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >りりさん
> 今までモテモテでもそれなりに筋の通ったつきあい方しかしてこなかったはずの翔ちゃんが…。
> 手当たり次第?!
そうなんです。
今まで翔ちゃんは、見た目とは違って、ちゃんとしてる子だったのに、こんなことに…。
そういうことを含めて、知らず蓄積したフラストレーションが爆発しちゃったみたいです。
> 遠~い昔にそんなことありましたよ!
> ホントはじっとしている方がいいのに、じっとしていられないんですよねえ…(ため息
りりさんにもそんな経験がありましたか。
でも、こういう想いって、誰でも1度は経験するんでしょうね。
> 心配だ。心配だよ翔ちゃん!
わーん、こんなにみんなに心配されてるってこと、翔ちゃんに伝えてあげたいー!
コメントありがとうございました!
> 手当たり次第?!
そうなんです。
今まで翔ちゃんは、見た目とは違って、ちゃんとしてる子だったのに、こんなことに…。
そういうことを含めて、知らず蓄積したフラストレーションが爆発しちゃったみたいです。
> 遠~い昔にそんなことありましたよ!
> ホントはじっとしている方がいいのに、じっとしていられないんですよねえ…(ため息
りりさんにもそんな経験がありましたか。
でも、こういう想いって、誰でも1度は経験するんでしょうね。
> 心配だ。心配だよ翔ちゃん!
わーん、こんなにみんなに心配されてるってこと、翔ちゃんに伝えてあげたいー!
コメントありがとうございました!