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10月 寝ても覚めても考えるのは。 (3)
2009.05.21 Thu
睦月はよく、翔真のことを大人だと言うけれど、翔真は、自分の恋愛の仕方を、決して大人だとは思わない。
彼女のことを1番に愛しているけれど、それだけに集中し切れないし、恋愛の中で、つい自分の都合で考えてしまいがちだし。
もし自分が女だったら、絶対こんなヤツ好きにならない! とは、何度も思ったことだ。
(亮もそうだと思ってたんだけどなぁ)
けれど亮は、睦月に恋をして、変わった。
本人は何も変わってないて言うけれど、一途で誠実になった。
和衣だってそうだ。
もともと一途で、恋に恋する乙女ではあったけれど、でも祐介にもっと愛されたいとか、ずっと好きでいてもらえるように、懸命に努力しているし。
(変わってないのは、俺だけか…)
人は恋で変わるとはよく言ったものだけれど、親友2人を見ていると、まさにその言葉がよく当てはまる気がする。
目の前でガツガツとピラフをがっついている亮を見ながら、ボンヤリと思った。
「あ、でもさ、ショウ」
「あー?」
「お前、誰か気になるヤツがいんの?」
「何で?」
スプーンを銜えたままで喋るなよ、と突っ込もうと思ったが、それよりも亮が何でそんなことを言い出すのかと思って、そっちのほうが気になった。
「だってさ、彼女にそういうふうに言われたんだろ?」
「あー…うん。気になるっていうか、うん、まぁ、気にはなるんだけど、好きなわけじゃないんだよね」
「そうなの?」
「うん」
好きじゃないっていうか、むしろ苦手。
嫌いとまではいかないけれど、でもやっぱ好きにはなれない。
そんな気がする。
「でも気になるんだろ?」
「うーん…、何か気付くと、そいつのこと考えてんだよね」
「??? やっぱ好きなんじゃねぇの?」
気になって、気付くとその子のことを考えていて、なのに翔真は、その相手のことを好きではないと言う。
何だか亮には、到底想像もつかないことだった。
だって、もし亮が翔真と同じような状態になって、そのことを打ち明ければ、翔真だったら絶対、それは恋だって言うだろうに。
どうして自分のそれは、恋ではないと断言できるの?
「でもさぁ、好きじゃないんだとしても、珍しくね?」
「何が?」
「ショウがそんなに執着すんの」
「してないよ」
「してんじゃん。気になって気になって、彼女と別れちゃうくらい」
そう言われると、返す言葉がない。
確かにそれが原因で、彼女とは別れたのだ。
「ねぇ亮、そんなに珍しい?」
「何が?」
「俺が1つのことに拘んの。俺って、そんなに執着心とか薄いかな?」
「自覚ねぇの?」
あっさりとそう返されて、翔真は言葉に詰まった。
自覚していないわけではない。
恋愛に限らず、1つのことへの拘りはあまりなくて、失ってもまた次を求めればいいというような、そんな性格なのは昔からだ。
「いっそ好きになったら楽なのに」
「ん?」
もしこれが恋なら。
真大のことが好きなら、こんなに悩まずに済んだ。
溺れるくらい恋にのめり込んで、何も見えなくなったら。
そうだったら、よかったのに。
彼女のことを1番に愛しているけれど、それだけに集中し切れないし、恋愛の中で、つい自分の都合で考えてしまいがちだし。
もし自分が女だったら、絶対こんなヤツ好きにならない! とは、何度も思ったことだ。
(亮もそうだと思ってたんだけどなぁ)
けれど亮は、睦月に恋をして、変わった。
本人は何も変わってないて言うけれど、一途で誠実になった。
和衣だってそうだ。
もともと一途で、恋に恋する乙女ではあったけれど、でも祐介にもっと愛されたいとか、ずっと好きでいてもらえるように、懸命に努力しているし。
(変わってないのは、俺だけか…)
人は恋で変わるとはよく言ったものだけれど、親友2人を見ていると、まさにその言葉がよく当てはまる気がする。
目の前でガツガツとピラフをがっついている亮を見ながら、ボンヤリと思った。
「あ、でもさ、ショウ」
「あー?」
「お前、誰か気になるヤツがいんの?」
「何で?」
スプーンを銜えたままで喋るなよ、と突っ込もうと思ったが、それよりも亮が何でそんなことを言い出すのかと思って、そっちのほうが気になった。
「だってさ、彼女にそういうふうに言われたんだろ?」
「あー…うん。気になるっていうか、うん、まぁ、気にはなるんだけど、好きなわけじゃないんだよね」
「そうなの?」
「うん」
好きじゃないっていうか、むしろ苦手。
嫌いとまではいかないけれど、でもやっぱ好きにはなれない。
そんな気がする。
「でも気になるんだろ?」
「うーん…、何か気付くと、そいつのこと考えてんだよね」
「??? やっぱ好きなんじゃねぇの?」
気になって、気付くとその子のことを考えていて、なのに翔真は、その相手のことを好きではないと言う。
何だか亮には、到底想像もつかないことだった。
だって、もし亮が翔真と同じような状態になって、そのことを打ち明ければ、翔真だったら絶対、それは恋だって言うだろうに。
どうして自分のそれは、恋ではないと断言できるの?
「でもさぁ、好きじゃないんだとしても、珍しくね?」
「何が?」
「ショウがそんなに執着すんの」
「してないよ」
「してんじゃん。気になって気になって、彼女と別れちゃうくらい」
そう言われると、返す言葉がない。
確かにそれが原因で、彼女とは別れたのだ。
「ねぇ亮、そんなに珍しい?」
「何が?」
「俺が1つのことに拘んの。俺って、そんなに執着心とか薄いかな?」
「自覚ねぇの?」
あっさりとそう返されて、翔真は言葉に詰まった。
自覚していないわけではない。
恋愛に限らず、1つのことへの拘りはあまりなくて、失ってもまた次を求めればいいというような、そんな性格なのは昔からだ。
「いっそ好きになったら楽なのに」
「ん?」
もしこれが恋なら。
真大のことが好きなら、こんなに悩まずに済んだ。
溺れるくらい恋にのめり込んで、何も見えなくなったら。
そうだったら、よかったのに。
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テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ 悩む翔ちゃんに
激萌え続行中@柚子季です!むはー(;゚∀゚)=3
亮ちゃんに言われたひと言、効いておりますね~。
そしてさすが2人とも幼馴染。
互いの事をよく見てるわ~キャッ(/∀\*))★
いいなぁ~~こういう関係…むふ
「好き」って認められる位の何かがあれば、本当、楽になれるんでしょうけどねぇ…。
苦手という感情にしても、気になるという行為自体が、惹かれてるって事…本当、これを言ってるのが亮ちゃんなら、翔ちゃんは間違いなく「恋だろ」って言ってるんだろうなぁと(笑)
あと半年かぁ~~どうなるのかな?♪((O(*・ω・*)O))♪ワクワク
やっぱ攻めたんが弱ってるの、いいわぁ~~( ´艸`)ムププ♪
亮ちゃんに言われたひと言、効いておりますね~。
そしてさすが2人とも幼馴染。
互いの事をよく見てるわ~キャッ(/∀\*))★
いいなぁ~~こういう関係…むふ
「好き」って認められる位の何かがあれば、本当、楽になれるんでしょうけどねぇ…。
苦手という感情にしても、気になるという行為自体が、惹かれてるって事…本当、これを言ってるのが亮ちゃんなら、翔ちゃんは間違いなく「恋だろ」って言ってるんだろうなぁと(笑)
あと半年かぁ~~どうなるのかな?♪((O(*・ω・*)O))♪ワクワク
やっぱ攻めたんが弱ってるの、いいわぁ~~( ´艸`)ムププ♪
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> 激萌え続行中@柚子季です!むはー(;゚∀゚)=3
ありがとうございまーす!!
翔ちゃん、今までずっといい子ちゃんでしたが、いろいろ悩んでおります。
でも幼馴染みだけあって、亮タンもちゃんと分かっております。
愛情ではないけれど、こんな関係、いいですよねぇ~。
> 苦手という感情にしても、気になるという行為自体が、惹かれてるって事…本当、これを言ってるのが亮ちゃんなら、翔ちゃんは間違いなく「恋だろ」って言ってるんだろうなぁと(笑)
翔ちゃん、他人のことなら分かるけれど、自分のことには鈍感……そういう意味では、むっちゃんに近いかも!?
あと半年で、どうなるやらですが……気長にお待ちくださいね♪
コメントありがとうございました!
ありがとうございまーす!!
翔ちゃん、今までずっといい子ちゃんでしたが、いろいろ悩んでおります。
でも幼馴染みだけあって、亮タンもちゃんと分かっております。
愛情ではないけれど、こんな関係、いいですよねぇ~。
> 苦手という感情にしても、気になるという行為自体が、惹かれてるって事…本当、これを言ってるのが亮ちゃんなら、翔ちゃんは間違いなく「恋だろ」って言ってるんだろうなぁと(笑)
翔ちゃん、他人のことなら分かるけれど、自分のことには鈍感……そういう意味では、むっちゃんに近いかも!?
あと半年で、どうなるやらですが……気長にお待ちくださいね♪
コメントありがとうございました!
りり ⇒ 柚子季さまと同じく
激萌え続行中です。
それは翔ちゃんと亮ちゃんの会話に…(〃∇〃) ぽっ
「好き」ってポジティブに言えないぐらい真大ちゃんにはつれなく冷たくされていますからねえ。
何かでぱあっと目の前が開けると、一気に「好き」ってなれるのかも。
それは翔ちゃんと亮ちゃんの会話に…(〃∇〃) ぽっ
「好き」ってポジティブに言えないぐらい真大ちゃんにはつれなく冷たくされていますからねえ。
何かでぱあっと目の前が開けると、一気に「好き」ってなれるのかも。
如月久美子 ⇒ >りりさん
> 激萌え続行中です。
きゃぁ~、激萌え、ありがとうございます~。
何だかんだ言っても2人は長い付き合いの幼馴染みですからね。
お互いよく分かっているし、言いたいことも言えちゃうんですね。
> 「好き」ってポジティブに言えないぐらい真大ちゃんにはつれなく冷たくされていますからねえ。
> 何かでぱあっと目の前が開けると、一気に「好き」ってなれるのかも。
そうですね。
何しろ真大タンの態度が、アレですからねぇ…(^_^;)
お互いモヤモヤしているのかも…。
コメントありがとうございました!
きゃぁ~、激萌え、ありがとうございます~。
何だかんだ言っても2人は長い付き合いの幼馴染みですからね。
お互いよく分かっているし、言いたいことも言えちゃうんですね。
> 「好き」ってポジティブに言えないぐらい真大ちゃんにはつれなく冷たくされていますからねえ。
> 何かでぱあっと目の前が開けると、一気に「好き」ってなれるのかも。
そうですね。
何しろ真大タンの態度が、アレですからねぇ…(^_^;)
お互いモヤモヤしているのかも…。
コメントありがとうございました!