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8月 暑気あたり、気づけば腕の中。 (1)
2009.04.24 Fri
朝ごはんの後、暑さに耐え兼ねて翔真がベッドでダラダラしていたら、蒼一郎はさっさと出掛ける支度を整えていた。
あの浮かれ具合からして、聞かなくても行き先は何となく分かるので、翔真は何も言わないでいる――――のに。
「ショウちゃん、郁んとこ行ってくるね。真大が来たら、知らないって言っといて」
わざわざ蒼一郎は、そんなことを翔真に頼んでくる。
蒼一郎が郁雅と出掛けていることが知れると、真大が怒るから――――というのが理由らしいが、怒るのは真大が蒼一郎を友情でなく"LOVE"として好きだからで、蒼一郎はそのことを分かっているのだろうか。
翔真は、蒼一郎と郁雅が付き合っているのを知っているから、黙っていろと言うなら黙っているが、それを知らない真大を騙しているような気がして、何となく申し訳ない気分になる。
「あのさぁ、蒼。どこに行ってるか言わないでほしいんだったら、俺に行き先言わないで出掛けたらいいんじゃね? 真大に聞かれたとき、知らないフリすんの、何だか心苦しいのですが…」
「……、あ、そっか!」
かねてから思っていたことを口にすれば、蒼一郎はしばしの沈黙の後、ようやく合点がいったのか、あぁ! みたいな顔をした。
本当に勘弁してほしい。
「じゃあ、今度からそうするね。今日のは聞かなかったことにして」
「あー…はいはい」
「じゃーね」
本当に分かったのかどうか怪しいが、蒼一郎は晴れやかに出て行った。
誤解が解けて以来、真大は前よりも打ち解けてくれるようにはなったけれど、翔真が、大好きな蒼一郎と同じ部屋であることに、やはりまだ蟠りがあるのか、亮や和衣に対してほど、気安くは接してくれない。
なのに、翔真の夢の中には勝手に現れるし、もう堪らない。
これじゃ、まるで真大に恋をしているみたいじゃないか。
(あーもう、面倒くさっ!)
彼女にでも連絡しようかと、翔真が携帯電話を手繰り寄せた、そのときだった。
『蒼ちゃん、いるー?』
ガンガンと乱暴なノックの後、廊下から真大の声が響いた。
このタイミングのよさ、いや悪さは、果たして本当に偶然だろうか。
「蒼ちゃん、またいないのー?」
「ちょっお前、」
翔真が返事をしないうちからドアが開いて、真大が上がり込んでくる。
「…何で蒼ちゃん、いないの?」
「出掛けたから」
「またぁ? 俺が来ると、いっつも出掛けてるんだけど!」
「知らねぇよ、お前がそういうタイミングで来るんだろ」
蒼一郎が、嫌でわざと避けているという様子でもないので、やはりタイミングが合わないだけなのだろう。
そんなに会いたければ、連絡でもしてから来ればいいのに。
「あーあ、じゃあ郁んとこでも行こうかな」
「えぇっ!?」
がっかりした真大が漏らした言葉に、翔真は過剰に反応する。
だって、郁は今、蒼一郎と一緒にいる――――翔真は知らないことになっているけれど。
「…何?」
「あ、いや…あの、真大、もしあれなら、俺と出掛ける!?」
「……、何で?」
「ですよねー」
訝しげな視線を向ける真大に、何とかごまかそうとして、けれどかえって墓穴を掘った気がしてならない。
「…考えとく」
「え!?」
ごまかすためとはいえ、自分から誘っておいて、真大にきっぱりとは拒絶されなかったことに、翔真は逆に驚きの声を上げてしまう。
真大は、そんな翔真を一瞥すると、部屋を出て行った。
(え…マジ…?)
あの浮かれ具合からして、聞かなくても行き先は何となく分かるので、翔真は何も言わないでいる――――のに。
「ショウちゃん、郁んとこ行ってくるね。真大が来たら、知らないって言っといて」
わざわざ蒼一郎は、そんなことを翔真に頼んでくる。
蒼一郎が郁雅と出掛けていることが知れると、真大が怒るから――――というのが理由らしいが、怒るのは真大が蒼一郎を友情でなく"LOVE"として好きだからで、蒼一郎はそのことを分かっているのだろうか。
翔真は、蒼一郎と郁雅が付き合っているのを知っているから、黙っていろと言うなら黙っているが、それを知らない真大を騙しているような気がして、何となく申し訳ない気分になる。
「あのさぁ、蒼。どこに行ってるか言わないでほしいんだったら、俺に行き先言わないで出掛けたらいいんじゃね? 真大に聞かれたとき、知らないフリすんの、何だか心苦しいのですが…」
「……、あ、そっか!」
かねてから思っていたことを口にすれば、蒼一郎はしばしの沈黙の後、ようやく合点がいったのか、あぁ! みたいな顔をした。
本当に勘弁してほしい。
「じゃあ、今度からそうするね。今日のは聞かなかったことにして」
「あー…はいはい」
「じゃーね」
本当に分かったのかどうか怪しいが、蒼一郎は晴れやかに出て行った。
誤解が解けて以来、真大は前よりも打ち解けてくれるようにはなったけれど、翔真が、大好きな蒼一郎と同じ部屋であることに、やはりまだ蟠りがあるのか、亮や和衣に対してほど、気安くは接してくれない。
なのに、翔真の夢の中には勝手に現れるし、もう堪らない。
これじゃ、まるで真大に恋をしているみたいじゃないか。
(あーもう、面倒くさっ!)
彼女にでも連絡しようかと、翔真が携帯電話を手繰り寄せた、そのときだった。
『蒼ちゃん、いるー?』
ガンガンと乱暴なノックの後、廊下から真大の声が響いた。
このタイミングのよさ、いや悪さは、果たして本当に偶然だろうか。
「蒼ちゃん、またいないのー?」
「ちょっお前、」
翔真が返事をしないうちからドアが開いて、真大が上がり込んでくる。
「…何で蒼ちゃん、いないの?」
「出掛けたから」
「またぁ? 俺が来ると、いっつも出掛けてるんだけど!」
「知らねぇよ、お前がそういうタイミングで来るんだろ」
蒼一郎が、嫌でわざと避けているという様子でもないので、やはりタイミングが合わないだけなのだろう。
そんなに会いたければ、連絡でもしてから来ればいいのに。
「あーあ、じゃあ郁んとこでも行こうかな」
「えぇっ!?」
がっかりした真大が漏らした言葉に、翔真は過剰に反応する。
だって、郁は今、蒼一郎と一緒にいる――――翔真は知らないことになっているけれど。
「…何?」
「あ、いや…あの、真大、もしあれなら、俺と出掛ける!?」
「……、何で?」
「ですよねー」
訝しげな視線を向ける真大に、何とかごまかそうとして、けれどかえって墓穴を掘った気がしてならない。
「…考えとく」
「え!?」
ごまかすためとはいえ、自分から誘っておいて、真大にきっぱりとは拒絶されなかったことに、翔真は逆に驚きの声を上げてしまう。
真大は、そんな翔真を一瞥すると、部屋を出て行った。
(え…マジ…?)
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ Σ(`・ω・屮)屮 オオォォォオォ
かかか考えとくって!!!
ちょこっと前進??う~わ~~♪
蒼くん相変わらずですねぇー天然さんなんだからww
翔ちゃんてば気苦労耐えないなぁ(^^;
翔ちゃん自身がしっかりさんタイプだから、自然に周りがそういうの集まっちゃうのかもしれないですね(苦笑)
8月のタイトル…これ、翔ちゃんが暑気あたりとかだとメッチャ萌えるなぁ~とか、ひとり勝手な妄想展開してますww(受けたんよりも攻めたんが弱ってるのに萌えますww)
いや、きっと違うんでしょうけども(´∀`;) エヘ
ちょこっと前進??う~わ~~♪
蒼くん相変わらずですねぇー天然さんなんだからww
翔ちゃんてば気苦労耐えないなぁ(^^;
翔ちゃん自身がしっかりさんタイプだから、自然に周りがそういうの集まっちゃうのかもしれないですね(苦笑)
8月のタイトル…これ、翔ちゃんが暑気あたりとかだとメッチャ萌えるなぁ~とか、ひとり勝手な妄想展開してますww(受けたんよりも攻めたんが弱ってるのに萌えますww)
いや、きっと違うんでしょうけども(´∀`;) エヘ
りり ⇒ 翔ちゃん
苦労人…。
周りがマイペースな子が多いからか?いろいろ見えちゃう分気苦労耐えないですね。
真大ちゃんのことが何だか好きになっちゃったみたいなだけに、これからますますしんどくなりそう。
真大ちゃん早く蒼ちゃんに失恋すればいいのに(´‐` ○)\(○`ε´○) コラ!コラ!
知らずにいるのが何だか可哀想。
知っていたことに対して翔ちゃんのこと、攻めちゃやだよ…。
周りがマイペースな子が多いからか?いろいろ見えちゃう分気苦労耐えないですね。
真大ちゃんのことが何だか好きになっちゃったみたいなだけに、これからますますしんどくなりそう。
真大ちゃん早く蒼ちゃんに失恋すればいいのに(´‐` ○)\(○`ε´○) コラ!コラ!
知らずにいるのが何だか可哀想。
知っていたことに対して翔ちゃんのこと、攻めちゃやだよ…。
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> かかか考えとくって!!!
> ちょこっと前進??う~わ~~♪
ようやくお互い、心を開き始めた、て感じです。
でもやっぱり素直になれない真大タン(笑)
> 8月のタイトル…これ、翔ちゃんが暑気あたりとかだとメッチャ萌えるなぁ~とか、ひとり勝手な妄想展開してますww(受けたんよりも攻めたんが弱ってるのに萌えますww)
> いや、きっと違うんでしょうけども(´∀`;) エヘ
何か柚子季さんの妄想の欠けらを聞いただけで、お話が書けそうvv
攻めタンが弱ってるほうが萌えなんですね!? ( ..)φメモメモ
また(勝手に)参考にしま~す。
コメントありがとうございました!
> ちょこっと前進??う~わ~~♪
ようやくお互い、心を開き始めた、て感じです。
でもやっぱり素直になれない真大タン(笑)
> 8月のタイトル…これ、翔ちゃんが暑気あたりとかだとメッチャ萌えるなぁ~とか、ひとり勝手な妄想展開してますww(受けたんよりも攻めたんが弱ってるのに萌えますww)
> いや、きっと違うんでしょうけども(´∀`;) エヘ
何か柚子季さんの妄想の欠けらを聞いただけで、お話が書けそうvv
攻めタンが弱ってるほうが萌えなんですね!? ( ..)φメモメモ
また(勝手に)参考にしま~す。
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >りりさん
> 苦労人…。
> 周りがマイペースな子が多いからか?いろいろ見えちゃう分気苦労耐えないですね。
蒼ちゃんは、マイペースなうえに天然なんで、さらに苦労が…(苦笑)
> 真大ちゃん早く蒼ちゃんに失恋すればいいのに(´‐` ○)\(○`ε´○) コラ!コラ!
でも翔ちゃんは翔ちゃんで、まだ彼女とお付き合いしてるんで(BLなのに…!)
8月まで来ましたが、この2人の先は、まだまだ全然見えてません(-_-;)
> 知らずにいるのが何だか可哀想。
> 知っていたことに対して翔ちゃんのこと、攻めちゃやだよ…。
あわわ。
けれど、相手は真大タンなんで、ね。
そんなに素直には…(^_^;)
コメントありがとうございました!
> 周りがマイペースな子が多いからか?いろいろ見えちゃう分気苦労耐えないですね。
蒼ちゃんは、マイペースなうえに天然なんで、さらに苦労が…(苦笑)
> 真大ちゃん早く蒼ちゃんに失恋すればいいのに(´‐` ○)\(○`ε´○) コラ!コラ!
でも翔ちゃんは翔ちゃんで、まだ彼女とお付き合いしてるんで(BLなのに…!)
8月まで来ましたが、この2人の先は、まだまだ全然見えてません(-_-;)
> 知らずにいるのが何だか可哀想。
> 知っていたことに対して翔ちゃんのこと、攻めちゃやだよ…。
あわわ。
けれど、相手は真大タンなんで、ね。
そんなに素直には…(^_^;)
コメントありがとうございました!