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7月 なぜだか夢で会いました。 (14)
2009.04.22 Wed
「……話、て…?」
「…うん」
どこを見ていたらいいか分からなくて、伸ばした足、自分の爪先をジッと見ていた和衣だったが、返事をしたきり何も話し出さない祐介にチラリと視線を向ければ、バッチリと目が合ってしまって、そのまま動けなくなってしまった。
「……ぁ…、……あの、俺…」
「待って和衣、ゴメン!」
「え? え?」
「ゴメン、まず謝らせて! …ゴメン」
何か喋らなきゃ、と焦る和衣の言葉を制して、祐介は捲し立てるようにして謝った。
「ど…して、祐介…、何で謝んの…?」
「…和衣のこと、すごい傷付けたから」
「でも俺も今日、ひどいこと言った…」
自分の投げ付けたひどい言葉を思い出し、和衣は再び目を潤ませる。
「違う…、今日だけじゃなくて、俺、和衣がいろいろ悩んだり考えたりしてるのとか、全然分かってなくて…。和衣も一生懸命俺の話、聞こうとしてくれたのに、話すことないとか、俺、すげぇひどいこと言った」
「祐介のせいじゃない…。だって俺、しつこかったよね。言いたくないことだってあるのにさ、無理に聞こうとして……ゴメン」
祐介にずっと見られているのが堪らなくなって、和衣は顔を背けて目を伏せた。
「前はさぁ、和衣がそう思ってたのかな、て思ったんだ」
「え?」
「和衣が、睦月の話ばっかするから、……ちょっと嫉妬した」
「えっ」
思い掛けない言葉に、和衣は驚いて顔を上げる。
「え…、むっちゃん…?」
「睦月の、バイトのこと。和衣、ずっとそのこと気にしてるし、何か……うん」
「別にむっちゃんは…、俺、そんなつもりじゃなくて…」
「分かってる。俺だって睦月のこと、もうあんな目に遭わせたくはないし…。分かってたんだけどさ。何かすげぇイライラして……和衣が悪いわけじゃないのに、何か乱暴な言い方して、……ホント、ゴメン」
目の前で頭を下げる祐介に、和衣は何とも言えない気持ちになって、鼻の奥のほうがツンッ…てなって、泣かないように唇を噛んだ。
言われてみれば、祐介の前で、睦月の話ばかりしていた。
確かに睦月のことは心配で、バイトのときは亮も祐介もいないし、自分が何とかしなきゃ、て思っていたから、自分の都合を無理してでも、睦月のそばにいようと思ったし、そうしてしかるべきだと感じていた。
だから、今までずっと過保護なほど睦月のことを心配していたはずの祐介が、どうして理解してくれないのかとも思った。
でも考えてみれば、いくら心配だとは言っても、好きな人の前で、友だちのことを、それ以上に大切に思うような言い方をするなんて、軽率だったのかもしれない。
大丈夫だと言う睦月の言葉を、もう少し信じて上げてもよかった。
「…うん」
どこを見ていたらいいか分からなくて、伸ばした足、自分の爪先をジッと見ていた和衣だったが、返事をしたきり何も話し出さない祐介にチラリと視線を向ければ、バッチリと目が合ってしまって、そのまま動けなくなってしまった。
「……ぁ…、……あの、俺…」
「待って和衣、ゴメン!」
「え? え?」
「ゴメン、まず謝らせて! …ゴメン」
何か喋らなきゃ、と焦る和衣の言葉を制して、祐介は捲し立てるようにして謝った。
「ど…して、祐介…、何で謝んの…?」
「…和衣のこと、すごい傷付けたから」
「でも俺も今日、ひどいこと言った…」
自分の投げ付けたひどい言葉を思い出し、和衣は再び目を潤ませる。
「違う…、今日だけじゃなくて、俺、和衣がいろいろ悩んだり考えたりしてるのとか、全然分かってなくて…。和衣も一生懸命俺の話、聞こうとしてくれたのに、話すことないとか、俺、すげぇひどいこと言った」
「祐介のせいじゃない…。だって俺、しつこかったよね。言いたくないことだってあるのにさ、無理に聞こうとして……ゴメン」
祐介にずっと見られているのが堪らなくなって、和衣は顔を背けて目を伏せた。
「前はさぁ、和衣がそう思ってたのかな、て思ったんだ」
「え?」
「和衣が、睦月の話ばっかするから、……ちょっと嫉妬した」
「えっ」
思い掛けない言葉に、和衣は驚いて顔を上げる。
「え…、むっちゃん…?」
「睦月の、バイトのこと。和衣、ずっとそのこと気にしてるし、何か……うん」
「別にむっちゃんは…、俺、そんなつもりじゃなくて…」
「分かってる。俺だって睦月のこと、もうあんな目に遭わせたくはないし…。分かってたんだけどさ。何かすげぇイライラして……和衣が悪いわけじゃないのに、何か乱暴な言い方して、……ホント、ゴメン」
目の前で頭を下げる祐介に、和衣は何とも言えない気持ちになって、鼻の奥のほうがツンッ…てなって、泣かないように唇を噛んだ。
言われてみれば、祐介の前で、睦月の話ばかりしていた。
確かに睦月のことは心配で、バイトのときは亮も祐介もいないし、自分が何とかしなきゃ、て思っていたから、自分の都合を無理してでも、睦月のそばにいようと思ったし、そうしてしかるべきだと感じていた。
だから、今までずっと過保護なほど睦月のことを心配していたはずの祐介が、どうして理解してくれないのかとも思った。
でも考えてみれば、いくら心配だとは言っても、好きな人の前で、友だちのことを、それ以上に大切に思うような言い方をするなんて、軽率だったのかもしれない。
大丈夫だと言う睦月の言葉を、もう少し信じて上げてもよかった。
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柚子季杏 ⇒ うんうん
ちゃんとお互いの思ってる事を口にして理解し合う。
いい感じですね(*´∀`*)
喧嘩して、仲直りして
前よりもっと結び付きも深くなって
恋ってそういうものですよね♪
素直になったゆっちと、ちゃんと自分を振り返れたカズちゃん。
2人はもう、大丈夫かな?*:.。*(●´∀`)八(´∀`●)*。:*・'
いい感じですね(*´∀`*)
喧嘩して、仲直りして
前よりもっと結び付きも深くなって
恋ってそういうものですよね♪
素直になったゆっちと、ちゃんと自分を振り返れたカズちゃん。
2人はもう、大丈夫かな?*:.。*(●´∀`)八(´∀`●)*。:*・'
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> 喧嘩して、仲直りして
> 前よりもっと結び付きも深くなって
> 恋ってそういうものですよね♪
この子たちは、ラブストーリーを地で行く2人ですね。
でもこういう甘酸っぱい感じって、何かいいですよね(*^_^*)
> 2人はもう、大丈夫かな?*:.。*(●´∀`)八(´∀`●)*。:*・'
ようやく仲直りです。
ご心配をおかけしました。
コメントありがとうございました!
*:.。*(●´∀`)八(´∀`●)*。:*・' ←もうこの絵文字かわいすぎ!!
> 前よりもっと結び付きも深くなって
> 恋ってそういうものですよね♪
この子たちは、ラブストーリーを地で行く2人ですね。
でもこういう甘酸っぱい感じって、何かいいですよね(*^_^*)
> 2人はもう、大丈夫かな?*:.。*(●´∀`)八(´∀`●)*。:*・'
ようやく仲直りです。
ご心配をおかけしました。
コメントありがとうございました!
*:.。*(●´∀`)八(´∀`●)*。:*・' ←もうこの絵文字かわいすぎ!!