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7月 なぜだか夢で会いました。 (8)
2009.04.16 Thu
昨年の失敗を教訓として、今年のお盆は休みを取って帰省しようとしていた睦月だったが、店長に"お盆も出勤できる"という認識を持たれてしまっていたようで、睦月が来月の休みの希望を出す前に、お盆の出勤は決定していた。
店長にひどく期待に満ちた目で見られ、とても睦月はそれを裏切ることなど出来ず、結局今年もお盆に帰省の夢は叶わなかった。
「あぅ…」
いつものカフェテリアでその話をすると、みんなの何とも言えない視線が集まって、いたたまれなくなった睦月は、テーブルに突っ伏した。
「いいもん、俺、バイトがんばるもん! みんな実家帰って楽しんで来ればいいんだもん!」
わーん、と泣きまねする睦月を、仕方なく翔真があやしてやれば、亮が「何でお前がそんなことすんだよ!」て騒ぎ出す。
単に座っていた席の問題だったのだが、騒ぎ立てる亮を尻目に、睦月が翔真に甘えるものだから、亮はさらに悔しそうにテーブルを叩く。
そんな亮を制止しながら、和衣はけれど亮を羨ましく思った。
もし祐介が睦月みたいなことをしたら(彼の性質上、そんなことは絶対しないだろうが)、以前だったら和衣も、亮のように感情を露にしていたに違いない。
だって嫌だもん。
冗談でも、自分以外の人に抱き付くとか、甘えるとか、そんなの嫌だ。
でもそんなこといちいち言って、面倒くさいとか思われたくないし…。
「もー、亮しつこい!」
あんまりにもうるさい亮に、とうとう睦月がキレた。
もちろんそれが冗談なのは分かるし、言われたのは亮だけれど、思わず和衣までギクリとしてしまった。
横目でチラリと祐介の様子を窺えば、睦月にキレられて落ち込む亮に苦笑している。
(どう…思ってるのかな。俺が亮みたいなこと言ったら、祐介、何て言うのかな…?)
和衣は人知れず溜め息をついた。
「ねぇ、でもさぁ、カズはお盆は帰るんでしょ?」
「え、うん」
翔真の言葉に、何の気なしに返事をした和衣は、そこでふと気が付いた。
あ、という顔をする和衣に、睦月が「どうしたの?」と小首を傾げる。
「むっちゃん、ダメじゃん! そしたらむっちゃん、1人でバイトじゃん!」
「あ、そっか」
お盆に帰省する和衣と、そのままバイトを続ける睦月。
いくら何でも、一緒になんて帰れない。
「うん、まぁでもいいよ。何とかする」
「何とかって?」
「うー…ん、何とか。何とかは何とか!」
特に何の当てがあるわけでもなかったようで、和衣に突っ込まれた睦月は、全然言い訳にもならない言葉でごまかそうとする。
「大丈夫だよ、カズちゃん、実家帰んな?」
「でも…」
何かそんなの、納得がいかない。
睦月本人がいいとは言っているけれど、でも何かそんなの…。
「だったら亮が、ご飯係で残ればいいじゃん」
「ちょっショウ! 俺はご飯係じゃねぇ!」
「似たようなもんじゃないの?」
全然違ぇ! て、また亮が騒ぎ出すから、結局お盆の話はうやむやにそれで終わりになってしまった。
店長にひどく期待に満ちた目で見られ、とても睦月はそれを裏切ることなど出来ず、結局今年もお盆に帰省の夢は叶わなかった。
「あぅ…」
いつものカフェテリアでその話をすると、みんなの何とも言えない視線が集まって、いたたまれなくなった睦月は、テーブルに突っ伏した。
「いいもん、俺、バイトがんばるもん! みんな実家帰って楽しんで来ればいいんだもん!」
わーん、と泣きまねする睦月を、仕方なく翔真があやしてやれば、亮が「何でお前がそんなことすんだよ!」て騒ぎ出す。
単に座っていた席の問題だったのだが、騒ぎ立てる亮を尻目に、睦月が翔真に甘えるものだから、亮はさらに悔しそうにテーブルを叩く。
そんな亮を制止しながら、和衣はけれど亮を羨ましく思った。
もし祐介が睦月みたいなことをしたら(彼の性質上、そんなことは絶対しないだろうが)、以前だったら和衣も、亮のように感情を露にしていたに違いない。
だって嫌だもん。
冗談でも、自分以外の人に抱き付くとか、甘えるとか、そんなの嫌だ。
でもそんなこといちいち言って、面倒くさいとか思われたくないし…。
「もー、亮しつこい!」
あんまりにもうるさい亮に、とうとう睦月がキレた。
もちろんそれが冗談なのは分かるし、言われたのは亮だけれど、思わず和衣までギクリとしてしまった。
横目でチラリと祐介の様子を窺えば、睦月にキレられて落ち込む亮に苦笑している。
(どう…思ってるのかな。俺が亮みたいなこと言ったら、祐介、何て言うのかな…?)
和衣は人知れず溜め息をついた。
「ねぇ、でもさぁ、カズはお盆は帰るんでしょ?」
「え、うん」
翔真の言葉に、何の気なしに返事をした和衣は、そこでふと気が付いた。
あ、という顔をする和衣に、睦月が「どうしたの?」と小首を傾げる。
「むっちゃん、ダメじゃん! そしたらむっちゃん、1人でバイトじゃん!」
「あ、そっか」
お盆に帰省する和衣と、そのままバイトを続ける睦月。
いくら何でも、一緒になんて帰れない。
「うん、まぁでもいいよ。何とかする」
「何とかって?」
「うー…ん、何とか。何とかは何とか!」
特に何の当てがあるわけでもなかったようで、和衣に突っ込まれた睦月は、全然言い訳にもならない言葉でごまかそうとする。
「大丈夫だよ、カズちゃん、実家帰んな?」
「でも…」
何かそんなの、納得がいかない。
睦月本人がいいとは言っているけれど、でも何かそんなの…。
「だったら亮が、ご飯係で残ればいいじゃん」
「ちょっショウ! 俺はご飯係じゃねぇ!」
「似たようなもんじゃないの?」
全然違ぇ! て、また亮が騒ぎ出すから、結局お盆の話はうやむやにそれで終わりになってしまった。
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カテゴリー:恋するカレンダー12題
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ ((笑´∀`))ヶラヶラ
「だったら亮が、ご飯係で残ればいいじゃん」
「ちょっショウ! 俺はご飯係じゃねぇ!」
「似たようなもんじゃないの?」
↑
この掛け合いに爆笑してしまいました((笑´∀`))ヶラヶラ
当たらずも遠からずwww
翔ちゃんナイスだね( ´艸`)ムププ♪
好きな人には少しでも良く思われたい…和ちゃんの気持ちも分かるなー。
ゆっちも多くを語る人じゃない分、分かり合うのって大変かも。
お互い気持ちを出し惜しんじゃ駄目っすよね、それが愛しい相手に対してならば尚更言葉にしなくっちゃ。
「ちょっショウ! 俺はご飯係じゃねぇ!」
「似たようなもんじゃないの?」
↑
この掛け合いに爆笑してしまいました((笑´∀`))ヶラヶラ
当たらずも遠からずwww
翔ちゃんナイスだね( ´艸`)ムププ♪
好きな人には少しでも良く思われたい…和ちゃんの気持ちも分かるなー。
ゆっちも多くを語る人じゃない分、分かり合うのって大変かも。
お互い気持ちを出し惜しんじゃ駄目っすよね、それが愛しい相手に対してならば尚更言葉にしなくっちゃ。
りり ⇒ ご飯係…(*≧m≦*)ププッ
恋人なのにご飯係て言われて違和感ないとか可哀想な亮たん。
そんな亮たんがやっぱ好きだ!!
いつも優しいゆっちが、むっちゃんに過保護にすることには何だか奥歯に物が挟まったような態度でいるのは何故でしょう。
付き合うまでにあんなに頑張ったカズちゃん、ゆっちのことが大好きすぎてかえって聞けないのかなあ。頑張れカズちゃん。きっと何か理由があるはず。
そんな亮たんがやっぱ好きだ!!
いつも優しいゆっちが、むっちゃんに過保護にすることには何だか奥歯に物が挟まったような態度でいるのは何故でしょう。
付き合うまでにあんなに頑張ったカズちゃん、ゆっちのことが大好きすぎてかえって聞けないのかなあ。頑張れカズちゃん。きっと何か理由があるはず。
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
相変わらず、料理なんかする気ゼロの睦月さん。
今でも亮タンが作ってくれないなら、コンビニか他のお友達のところへ…。
翔ちゃんは1度、目の当たりにしてますからねぇ(苦笑)
> 好きな人には少しでも良く思われたい…和ちゃんの気持ちも分かるなー。
> ゆっちも多くを語る人じゃない分、分かり合うのって大変かも。
そうなんですよね。
ゆっちはあんまり自分のこと、話さない人なんですよね。
カズちゃんは素直でストレートだから、それがもどかしくてたまらないという…。
この2人のお話も、しばらく続きます~。
コメントありがとうございました!
今でも亮タンが作ってくれないなら、コンビニか他のお友達のところへ…。
翔ちゃんは1度、目の当たりにしてますからねぇ(苦笑)
> 好きな人には少しでも良く思われたい…和ちゃんの気持ちも分かるなー。
> ゆっちも多くを語る人じゃない分、分かり合うのって大変かも。
そうなんですよね。
ゆっちはあんまり自分のこと、話さない人なんですよね。
カズちゃんは素直でストレートだから、それがもどかしくてたまらないという…。
この2人のお話も、しばらく続きます~。
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >りりさん
恋人同士になってからも、ご飯係から昇格できない亮タン…。
翔ちゃんも、むっちゃんのあの出来なさっぷりを目の当たりにしてますからね(笑)
> 付き合うまでにあんなに頑張ったカズちゃん、ゆっちのことが大好きすぎてかえって聞けないのかなあ。頑張れカズちゃん。きっと何か理由があるはず。
嫌われたくない気持ちが強くなりすぎると、ありのままを見せられなくなること、ありますよね。
乙女カズちゃん、今まさにそんな感じです。
ゆっちさん、ただの寡黙なだけの男にならないためにも、もう少し頑張ってもらわないと(^_^;)
コメントありがとうございました!
翔ちゃんも、むっちゃんのあの出来なさっぷりを目の当たりにしてますからね(笑)
> 付き合うまでにあんなに頑張ったカズちゃん、ゆっちのことが大好きすぎてかえって聞けないのかなあ。頑張れカズちゃん。きっと何か理由があるはず。
嫌われたくない気持ちが強くなりすぎると、ありのままを見せられなくなること、ありますよね。
乙女カズちゃん、今まさにそんな感じです。
ゆっちさん、ただの寡黙なだけの男にならないためにも、もう少し頑張ってもらわないと(^_^;)
コメントありがとうございました!