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7月 なぜだか夢で会いました。 (6)
2009.04.14 Tue
受ける試験の数の違いから、蒼一郎より一足先試験の終わった翔真は、風呂から戻って来てもまだ机に向かっている蒼一郎の邪魔にならないよう、テレビは点けずにベッドに転がった。
試験が終わった解放感から、打ち上げと称して飲みに行った連中もいたが、翔真は何となくそんな気にもなれず、ごく普通に帰宅した。
ギシリ。
椅子の軋む音に目を開ければ、蒼一郎が部屋を出て行こうとしている。
「あ、悪ぃ、俺がいると集中できない?」
一応静かにしていたつもりだが、人の気配がするせいで蒼一郎が勉強に集中できないのだとしたら、申し訳ない。
蒼一郎がそんなに繊細なヤツだとは思わないが、何しろ蒼一郎はこの試験で悪い点を取るわけにはいかないのだから、気を遣ってあげたい。
「うぅん、違う。ちょっと真大のとこ行ってくる」
「え、真大?」
「分かんないとこあるからさ、聞きに」
蒼一郎が勉強を聞く相手は郁雅だろうと思ったが、今、手っ取り早くそばにいるのは真大だし、意外にも(と言ったら悪いが)真大の成績は結構いいらしい。
「電気消してくよー」
「えー…そんなんしたら、俺寝ちゃうー…」
「ショウちゃん、超眠そうじゃん」
「んー…」
試験が終わって気が抜けたせいか、まだ寝るような時間でもないのに、本当にウトウトしてきてしまった。
蒼一郎に適当に返事をして目を閉じると、数分もしないうちに眠りに落ちた。
翔真の意識が浮上したのは、あれからどのくらい経ってからだろうか。
目を開ければ、蒼一郎が消していった部屋の電気が点いていて、眩しい。部屋の中は静かで、この明るさのせいで目が覚めたのだろう。
部屋の電気が点いているということは、まだ朝にはなっていないということだ。
「蒼…?」
人影が見えて声を掛ければ、起きたばかりでうまく声が出ない。
寝返りを打ってその人影を見れば、それは蒼一郎ではなく真大だった。蒼一郎と一緒に来たのだろうか、けれど他に人の気配はない。
「真大…?」
「あ、山口くん、おはよう」
「おはようって……まだ夜じゃん」
翔真は何となくそう突っ込んだが、気になったのはそこではない。
どうやら1人でここに来たらしい真大が、どうしてか翔真ににこやかに笑い掛けている。
「え…何で…」
驚いて体を起こせば、「何そんなに驚いてんの?」と、真大はケラケラ笑い出す。
これが驚かずにいられるだろうか。
いくら誤解が解けて少しは打ち解けたとはいっても、それは"前に比べたら"というだけで、実際はこんなに笑って話が出来るほど仲良くなったわけではない。
なのに。
「山口くん、何でそんな顔してんの?」
「だって…」
真大は何も気にしていないように笑っている。
「あ…蒼は? 勉強教えてもらうって、お前の部屋…」
「んー? 終わった」
相変わらずのタメ口。
いつもと変わらないはずなのに。
「終わったって……いや、何でお前がここに…」
「ダメ? いいじゃん、山口くんに会いたかったんだし」
「俺に?」
まさか何か裏でもあるのではないだろうか、しかし真大はにこにこしながら、翔真のベッドに腰掛けた。
一体今は何時なのだろう。
朝にはなっていないが、ずいぶん遅い時間のはずなのに、パジャマ代わりのスウェット姿の翔真と違い、真大は部屋着でもない、まるでこれから出掛けるような格好をしている。
試験が終わった解放感から、打ち上げと称して飲みに行った連中もいたが、翔真は何となくそんな気にもなれず、ごく普通に帰宅した。
ギシリ。
椅子の軋む音に目を開ければ、蒼一郎が部屋を出て行こうとしている。
「あ、悪ぃ、俺がいると集中できない?」
一応静かにしていたつもりだが、人の気配がするせいで蒼一郎が勉強に集中できないのだとしたら、申し訳ない。
蒼一郎がそんなに繊細なヤツだとは思わないが、何しろ蒼一郎はこの試験で悪い点を取るわけにはいかないのだから、気を遣ってあげたい。
「うぅん、違う。ちょっと真大のとこ行ってくる」
「え、真大?」
「分かんないとこあるからさ、聞きに」
蒼一郎が勉強を聞く相手は郁雅だろうと思ったが、今、手っ取り早くそばにいるのは真大だし、意外にも(と言ったら悪いが)真大の成績は結構いいらしい。
「電気消してくよー」
「えー…そんなんしたら、俺寝ちゃうー…」
「ショウちゃん、超眠そうじゃん」
「んー…」
試験が終わって気が抜けたせいか、まだ寝るような時間でもないのに、本当にウトウトしてきてしまった。
蒼一郎に適当に返事をして目を閉じると、数分もしないうちに眠りに落ちた。
翔真の意識が浮上したのは、あれからどのくらい経ってからだろうか。
目を開ければ、蒼一郎が消していった部屋の電気が点いていて、眩しい。部屋の中は静かで、この明るさのせいで目が覚めたのだろう。
部屋の電気が点いているということは、まだ朝にはなっていないということだ。
「蒼…?」
人影が見えて声を掛ければ、起きたばかりでうまく声が出ない。
寝返りを打ってその人影を見れば、それは蒼一郎ではなく真大だった。蒼一郎と一緒に来たのだろうか、けれど他に人の気配はない。
「真大…?」
「あ、山口くん、おはよう」
「おはようって……まだ夜じゃん」
翔真は何となくそう突っ込んだが、気になったのはそこではない。
どうやら1人でここに来たらしい真大が、どうしてか翔真ににこやかに笑い掛けている。
「え…何で…」
驚いて体を起こせば、「何そんなに驚いてんの?」と、真大はケラケラ笑い出す。
これが驚かずにいられるだろうか。
いくら誤解が解けて少しは打ち解けたとはいっても、それは"前に比べたら"というだけで、実際はこんなに笑って話が出来るほど仲良くなったわけではない。
なのに。
「山口くん、何でそんな顔してんの?」
「だって…」
真大は何も気にしていないように笑っている。
「あ…蒼は? 勉強教えてもらうって、お前の部屋…」
「んー? 終わった」
相変わらずのタメ口。
いつもと変わらないはずなのに。
「終わったって……いや、何でお前がここに…」
「ダメ? いいじゃん、山口くんに会いたかったんだし」
「俺に?」
まさか何か裏でもあるのではないだろうか、しかし真大はにこにこしながら、翔真のベッドに腰掛けた。
一体今は何時なのだろう。
朝にはなっていないが、ずいぶん遅い時間のはずなのに、パジャマ代わりのスウェット姿の翔真と違い、真大は部屋着でもない、まるでこれから出掛けるような格好をしている。
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柚子季杏 ⇒ はうぅ~
眠そうな翔ちゃんの言動にめちゃ萌え(///∇//)☆
“んー”
とかって!!
すっげカワイイんですけど!!!
こういうの弱いんですよねぇ~柚子季www
何かこのシリーズ始まってから、どんどん翔ちゃんの魅力が溢れてきてるわ~♪
“んー”
とかって!!
すっげカワイイんですけど!!!
こういうの弱いんですよねぇ~柚子季www
何かこのシリーズ始まってから、どんどん翔ちゃんの魅力が溢れてきてるわ~♪
伽羅 ⇒ うわぁ!!
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
かわいいは、むっちゃんとカズちゃんの特権だったのに、何だか翔ちゃんまでどんどんかわいくなっていってますよね(^_^;)
しっかり者の翔ちゃんも、睡魔にだけは勝てず…。
でも柚子季さんのツボを押さえちゃったみたいで、何か嬉しいです~。
コメントありがとうございました!
しっかり者の翔ちゃんも、睡魔にだけは勝てず…。
でも柚子季さんのツボを押さえちゃったみたいで、何か嬉しいです~。
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >伽羅さん
真大タン、性格変わりすぎ……の正体は!?
…て、タイトル見たら分かっちゃいますよね(^_^;)
真大タンは、ずっとツンツンしてる子なんで、かわいいシーンが書けて、私的にはちょっと嬉しかったり。
> スッゴク気になるんですけどぉ・・・(悶)
如月お得意の焦らしプレイ……すみません!
コメントありがとうございました!
…て、タイトル見たら分かっちゃいますよね(^_^;)
真大タンは、ずっとツンツンしてる子なんで、かわいいシーンが書けて、私的にはちょっと嬉しかったり。
> スッゴク気になるんですけどぉ・・・(悶)
如月お得意の焦らしプレイ……すみません!
コメントありがとうございました!
りり ⇒ やっと読みに来れました(ノд・。) グスン
と思ったら、ラブラブのはずのカズちゃんとゆっちはギクシャクしてるし、真大ちゃんが何故かにこにこ(…夢てことなんですね…?
翔ちゃんは、真大ちゃんが蒼ちゃんに恋をしているけど報われそうもないということを、結構気にしているんでしょうかねえ。
続きが気になります!
翔ちゃんは、真大ちゃんが蒼ちゃんに恋をしているけど報われそうもないということを、結構気にしているんでしょうかねえ。
続きが気になります!
如月久美子 ⇒ >りりさん
お忙しいところ、ありがとうございます~。
翔ちゃん、自分がこんなに真大タンのこと気にしてるて、何か認めたくないような、複雑な心境かと。
真大タンの恋心を知ってしまったがゆえに、いろいろ悩んじゃってます(^_^;)
ゆっちとカズちゃんの件もありますし、早くお話を前進させたいです~。
コメントありがとうございました!
翔ちゃん、自分がこんなに真大タンのこと気にしてるて、何か認めたくないような、複雑な心境かと。
真大タンの恋心を知ってしまったがゆえに、いろいろ悩んじゃってます(^_^;)
ゆっちとカズちゃんの件もありますし、早くお話を前進させたいです~。
コメントありがとうございました!