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7月 なぜだか夢で会いました。 (3)
2009.04.11 Sat
試験前の図書室は、混んでいる。
資料を集めたいのと、涼しくて静かなのが理由だ。
昨日は早めに来たおかげで席が空いていたが、今日はどこも塞がっている。
次の授業が始まれば、出席する学生たちは出て行くから、タイミングさえ合えば席に着けると思ったのだが、どうやら今日は無理そうで、祐介と和衣は諦めて退室した。
「帰る?」
今日はもう授業がないから、帰って大人しく勉強しようかと祐介は提案するが、和衣はあまりい顔をしない。寮が暑いのは、分かりすぎるくらい分かっているから。
「じゃあ、外の図書館行く?」
「うー…」
和衣は迷っていた。
大学から離れた場所に公立の大きな図書館があり、蔵書の数も多いし、学習室の席もかなりあるのだが、先日そこに行った友人から、混んでいて学習室もいっぱいだったという話を聞いたばかりだからだ。
この炎天下、行ったはいいが席が空いてなかったなんて言ったら、それこそ悲惨だ。
「カフェ、行こっか」
「…うん」
涼しいけれど決して静かではない、大学のカフェテリア。勉強するに向いているとは言えないが、あそこなら確実に席は空いている。
散々考えた末、和衣はその言葉に頷いた。
「でもカフェいると、絶対何か食べちゃうんだよねー」
「いいんじゃない? 和衣、痩せ過ぎだもん、もっと何か食べたほうがいいよ」
「ヤダ。太ってぶよぶよになった俺なんて、祐介だって嫌でしょ?」
「いきなりぶよぶよ? てか、お菓子ばっか食べてないで、ちゃんとご飯食べな」
「…分かってるし」
もともと睦月に、保護者のように過保護にしていたせいか、ときどき祐介は恋人である和衣にさえ、まるでお母さんのような言い方をしてくる。
嫌ではないけれど、いつか恋人としてでなく、手の掛かる子どものように思われるようになったら嫌だなぁ、て和衣は思う。
カフェテリアには、和衣たちのように行き場のない学生がたくさんいて、テーブルにテキストを広げていた。
それでも今はまだ授業中だから、席はまだ十分空いてる。
「あー…今日バイトだー…」
席に着く前に買ってきたいちごミルクのパックにストローを刺した和衣は、ウンザリしたようにテーブルに突っ伏した。
今のコンビニバイトは嫌いではないが、試験前で勉強に追われている和衣には、ちょっと憂鬱だ。
「バイトのシフト変えたら? 取ってる授業の時間とか変わったんだから、バイトもちょっとはそれに合わせないとキツイんじゃない?」
「そうなんだけどー」
祐介のもっともな意見に、しかし和衣はすぐには納得しない。
「だって和衣、水曜日、授業終わったらダッシュでバイト行かないと間に合わないんだろ? ちょっと無理があるんじゃない?」
水曜日は5時限目まであって、チャイムと同時に授業が終了しても6時を過ぎるのに、話が途中のままでは終わらせてくれない教授のおかげで、終了時間をだいぶオーバーしてしまうことがあった。
そんなサービスいらないのに、と思うが、教授はもちろんお構いなしだ。
「そうなんだけど、だってむっちゃんが待ってるし」
「え?」
資料を集めたいのと、涼しくて静かなのが理由だ。
昨日は早めに来たおかげで席が空いていたが、今日はどこも塞がっている。
次の授業が始まれば、出席する学生たちは出て行くから、タイミングさえ合えば席に着けると思ったのだが、どうやら今日は無理そうで、祐介と和衣は諦めて退室した。
「帰る?」
今日はもう授業がないから、帰って大人しく勉強しようかと祐介は提案するが、和衣はあまりい顔をしない。寮が暑いのは、分かりすぎるくらい分かっているから。
「じゃあ、外の図書館行く?」
「うー…」
和衣は迷っていた。
大学から離れた場所に公立の大きな図書館があり、蔵書の数も多いし、学習室の席もかなりあるのだが、先日そこに行った友人から、混んでいて学習室もいっぱいだったという話を聞いたばかりだからだ。
この炎天下、行ったはいいが席が空いてなかったなんて言ったら、それこそ悲惨だ。
「カフェ、行こっか」
「…うん」
涼しいけれど決して静かではない、大学のカフェテリア。勉強するに向いているとは言えないが、あそこなら確実に席は空いている。
散々考えた末、和衣はその言葉に頷いた。
「でもカフェいると、絶対何か食べちゃうんだよねー」
「いいんじゃない? 和衣、痩せ過ぎだもん、もっと何か食べたほうがいいよ」
「ヤダ。太ってぶよぶよになった俺なんて、祐介だって嫌でしょ?」
「いきなりぶよぶよ? てか、お菓子ばっか食べてないで、ちゃんとご飯食べな」
「…分かってるし」
もともと睦月に、保護者のように過保護にしていたせいか、ときどき祐介は恋人である和衣にさえ、まるでお母さんのような言い方をしてくる。
嫌ではないけれど、いつか恋人としてでなく、手の掛かる子どものように思われるようになったら嫌だなぁ、て和衣は思う。
カフェテリアには、和衣たちのように行き場のない学生がたくさんいて、テーブルにテキストを広げていた。
それでも今はまだ授業中だから、席はまだ十分空いてる。
「あー…今日バイトだー…」
席に着く前に買ってきたいちごミルクのパックにストローを刺した和衣は、ウンザリしたようにテーブルに突っ伏した。
今のコンビニバイトは嫌いではないが、試験前で勉強に追われている和衣には、ちょっと憂鬱だ。
「バイトのシフト変えたら? 取ってる授業の時間とか変わったんだから、バイトもちょっとはそれに合わせないとキツイんじゃない?」
「そうなんだけどー」
祐介のもっともな意見に、しかし和衣はすぐには納得しない。
「だって和衣、水曜日、授業終わったらダッシュでバイト行かないと間に合わないんだろ? ちょっと無理があるんじゃない?」
水曜日は5時限目まであって、チャイムと同時に授業が終了しても6時を過ぎるのに、話が途中のままでは終わらせてくれない教授のおかげで、終了時間をだいぶオーバーしてしまうことがあった。
そんなサービスいらないのに、と思うが、教授はもちろんお構いなしだ。
「そうなんだけど、だってむっちゃんが待ってるし」
「え?」
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ ゆっち♪ゆっち♪
ゆっちのこの独特の雰囲気が、何とも言えずイイ!!
翔ちゃんも好きですがゆっちもやっぱり好きーー!!!
保護者モードが出ちゃうのは仕方ないっすよね(苦笑)
長年そういう役割だったし…和ちゃんもある意味手かかるし(爆)
そっか~シフト変えない理由はそこにあったのね~。
優しいなぁ~和ちゃん゜+.゜.(⊃Д`*)゜+.゜
むっちゃんはもちろん、ゆっちですら気付いてなかったのか。
う~ん、この2人のお話ももっと読みたいですね♪
翔ちゃんも好きですがゆっちもやっぱり好きーー!!!
保護者モードが出ちゃうのは仕方ないっすよね(苦笑)
長年そういう役割だったし…和ちゃんもある意味手かかるし(爆)
そっか~シフト変えない理由はそこにあったのね~。
優しいなぁ~和ちゃん゜+.゜.(⊃Д`*)゜+.゜
むっちゃんはもちろん、ゆっちですら気付いてなかったのか。
う~ん、この2人のお話ももっと読みたいですね♪
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
週末は返信が遅れてがちですみません!!
ゆっちさんラブ、ありがとうございます!
確かに彼はちょっと独特の雰囲気を持ってますよね。
> 長年そういう役割だったし…和ちゃんもある意味手かかるし(爆)
そうなんです。
何だかんだでカズちゃんも…(苦笑)
> そっか~シフト変えない理由はそこにあったのね~。
> 優しいなぁ~和ちゃん゜+.゜.(⊃Д`*)゜+.゜
カズちゃん、むっちゃんを守ることに使命感を燃やしてます。
ゆっち&カズちゃんのお話も、もっと書いていきたいです。
コメントありがとうございました!
ゆっちさんラブ、ありがとうございます!
確かに彼はちょっと独特の雰囲気を持ってますよね。
> 長年そういう役割だったし…和ちゃんもある意味手かかるし(爆)
そうなんです。
何だかんだでカズちゃんも…(苦笑)
> そっか~シフト変えない理由はそこにあったのね~。
> 優しいなぁ~和ちゃん゜+.゜.(⊃Д`*)゜+.゜
カズちゃん、むっちゃんを守ることに使命感を燃やしてます。
ゆっち&カズちゃんのお話も、もっと書いていきたいです。
コメントありがとうございました!