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5月 名前を呼ぶと目で威嚇する。 (7)
2009.03.25 Wed
真大が蒼一郎に抱いている想いは、恋心かもしれない。
でなきゃ、いくら仲のいい友だちだって、あんなにベッタリはしない。
翔真だって、亮や和衣たちとはよくつるむけれど、真大のあのひっ付き方は、やっぱり単なる友情ではない。
真大は蒼一郎と郁雅の関係を知らないようだから、単純に自分が蒼一郎に片思いをしているだけだと思っているのだろう。
(片思い…)
翔真は、ハタと気が付いた。
もしかして真大は、同室の翔真も、蒼一郎にそういった想いを向けていると思っているのではないだろうか。
蒼一郎への片想い同士。つまりライバル。
だから、翔真のことが嫌いで、あんな態度を取る。
(冗談だろ…?)
もしそんなふうに思われているのだとしたら、とんでもない勘違いだ。
翔真は、確かに男同士の恋愛に偏見はないし、蒼一郎のことも嫌いではないけれど、それは飽くまで友情であって、恋愛感情ではない。
だったらいっそ、蒼一郎のことは友だちだとしか思ってない、て言ってやればいいのだろうか。
けれど蒼一郎には郁雅という恋人がいて、結局は真大の片想いは儚く終わってしまう。彼の想いが実れば、他に悲しむ人が出てくる。
「はぁ…」
「また、何かされた?」
「え?」
こっそりとついたはずの溜め息は、どうやら隣の祐介にはバレていたらしい。チラリと視線を向ければ、「ん?」と祐介は小首を傾げた。
意外と男らしい性格をしている祐介は、けれど時おり女性的な仕草を見せる。前にそれとなくそんな話をしたら、『妹が2人いるからかなぁ』なんてのん気な返事が返ってきた。
「真大くん」
「あー…」
翔真の溜め息の意味を、やはり祐介は気付いていたらしい。
まだ教授が来ないことを確認しつつ、祐介の隣にいる和衣を見れば、前の座席にいる睦月と何やらコソコソ話をしていて、亮が話の輪に加わろうとすると、「ダメ!」と追っ払っている。
きっと、祐介と一緒に出掛ける場所だとか、プレゼントだとか、何かそんなことを相談し合っているのだろう。亮より祐介の存在を気にしたほうがいい気はするが。
とりあえず周りがこちらを気にしていないのが分かって、翔真は重たい口を開いた。
「別に何かされたってわけじゃ……相変わらずだよ」
例の一件以来、さらに嫌われてしまったのだろうと思っていたが、真大の態度に変化はない。
顔を合わせれば、露骨に嫌な表情をされたり、睨まれたりはされるが、それ以上は何もないのだ。
ときどきなぜか蒼一郎がすまなそうに謝って来ることがあるけれど、蒼一郎が悪いわけではないので、『心配すんな』て言っている。
そんなことしてたら、そのうち肝心の蒼一郎にまで愛想を尽かされるんじゃないかとも思うが、それを真大に伝える術はないし、そんな優しい気持ちも更々持ち合わせていなかった。
「そのわりには、随分参ってる感じじゃない?」
「…ハハ、バレた?」
「わけもなく嫌われる、て、何かヤダね」
「……うん」
いや、理由は何となく分かって来たけれど。
でも誤解を解くことすらできなくて、どうしたらいいか、もどかしい。
別に無理に好かれたいとは思っていなかったけれど、そうやって過ごすのも、意外とストレスが溜まるものだって気が付いた。
「あんまり溜め込み過ぎないほうがいいよ」
「…サンキュ」
亮や和衣の前では、真大はあからさまなことをしないので、時々しか会わない2人は真大の翔真に対する態度に気付いていない。
もちろん、祐介だって亮や和衣と同じくらいにしか真大に会っていないけれど、高校時代の思い出や懐かしさがなく、先入観なしに真大を見ているせいか、祐也の態度に気が付いて、さりげなく気を遣ってくれるから、ありがたい。
ちなみに、そういう意味では同じ立場であるはずの睦月は、やはりまるで気付いていないようで、そこが睦月らしかった。
「何の話~?」
「何でもねぇよ」
睦月たちに相手にされない亮が翔真たちを振り返ったのと、和衣と睦月が「それ超いい作戦!」て笑い合ったのと、教授が入って来たのはほぼ同時だった。
でなきゃ、いくら仲のいい友だちだって、あんなにベッタリはしない。
翔真だって、亮や和衣たちとはよくつるむけれど、真大のあのひっ付き方は、やっぱり単なる友情ではない。
真大は蒼一郎と郁雅の関係を知らないようだから、単純に自分が蒼一郎に片思いをしているだけだと思っているのだろう。
(片思い…)
翔真は、ハタと気が付いた。
もしかして真大は、同室の翔真も、蒼一郎にそういった想いを向けていると思っているのではないだろうか。
蒼一郎への片想い同士。つまりライバル。
だから、翔真のことが嫌いで、あんな態度を取る。
(冗談だろ…?)
もしそんなふうに思われているのだとしたら、とんでもない勘違いだ。
翔真は、確かに男同士の恋愛に偏見はないし、蒼一郎のことも嫌いではないけれど、それは飽くまで友情であって、恋愛感情ではない。
だったらいっそ、蒼一郎のことは友だちだとしか思ってない、て言ってやればいいのだろうか。
けれど蒼一郎には郁雅という恋人がいて、結局は真大の片想いは儚く終わってしまう。彼の想いが実れば、他に悲しむ人が出てくる。
「はぁ…」
「また、何かされた?」
「え?」
こっそりとついたはずの溜め息は、どうやら隣の祐介にはバレていたらしい。チラリと視線を向ければ、「ん?」と祐介は小首を傾げた。
意外と男らしい性格をしている祐介は、けれど時おり女性的な仕草を見せる。前にそれとなくそんな話をしたら、『妹が2人いるからかなぁ』なんてのん気な返事が返ってきた。
「真大くん」
「あー…」
翔真の溜め息の意味を、やはり祐介は気付いていたらしい。
まだ教授が来ないことを確認しつつ、祐介の隣にいる和衣を見れば、前の座席にいる睦月と何やらコソコソ話をしていて、亮が話の輪に加わろうとすると、「ダメ!」と追っ払っている。
きっと、祐介と一緒に出掛ける場所だとか、プレゼントだとか、何かそんなことを相談し合っているのだろう。亮より祐介の存在を気にしたほうがいい気はするが。
とりあえず周りがこちらを気にしていないのが分かって、翔真は重たい口を開いた。
「別に何かされたってわけじゃ……相変わらずだよ」
例の一件以来、さらに嫌われてしまったのだろうと思っていたが、真大の態度に変化はない。
顔を合わせれば、露骨に嫌な表情をされたり、睨まれたりはされるが、それ以上は何もないのだ。
ときどきなぜか蒼一郎がすまなそうに謝って来ることがあるけれど、蒼一郎が悪いわけではないので、『心配すんな』て言っている。
そんなことしてたら、そのうち肝心の蒼一郎にまで愛想を尽かされるんじゃないかとも思うが、それを真大に伝える術はないし、そんな優しい気持ちも更々持ち合わせていなかった。
「そのわりには、随分参ってる感じじゃない?」
「…ハハ、バレた?」
「わけもなく嫌われる、て、何かヤダね」
「……うん」
いや、理由は何となく分かって来たけれど。
でも誤解を解くことすらできなくて、どうしたらいいか、もどかしい。
別に無理に好かれたいとは思っていなかったけれど、そうやって過ごすのも、意外とストレスが溜まるものだって気が付いた。
「あんまり溜め込み過ぎないほうがいいよ」
「…サンキュ」
亮や和衣の前では、真大はあからさまなことをしないので、時々しか会わない2人は真大の翔真に対する態度に気付いていない。
もちろん、祐介だって亮や和衣と同じくらいにしか真大に会っていないけれど、高校時代の思い出や懐かしさがなく、先入観なしに真大を見ているせいか、祐也の態度に気が付いて、さりげなく気を遣ってくれるから、ありがたい。
ちなみに、そういう意味では同じ立場であるはずの睦月は、やはりまるで気付いていないようで、そこが睦月らしかった。
「何の話~?」
「何でもねぇよ」
睦月たちに相手にされない亮が翔真たちを振り返ったのと、和衣と睦月が「それ超いい作戦!」て笑い合ったのと、教授が入って来たのはほぼ同時だった。
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ ゆっちの小首傾げ!!
ぐわ!見たい…(笑)
いいなぁ~ゆっちさん…うふふ♪
好きっす(///∇//)☆
翔ちゃん参ってますね~~マヒロたんも睨むだけじゃなくて、ちゃんと口にしなきゃ伝わらないのにー。
そういう態度は良くないよ~~。
翔ちゃんの言葉じゃないですけど、そんな態度は自分を悪く見せちゃうだけなのにね。蒼くんだって、いい思いはしないですよね。
でも、参ってる翔ちゃんに萌える( ´艸`)ムププ♪
そしてどっちからも相手にされない亮たんにも萌える(爆)
いいなぁ~ゆっちさん…うふふ♪
好きっす(///∇//)☆
翔ちゃん参ってますね~~マヒロたんも睨むだけじゃなくて、ちゃんと口にしなきゃ伝わらないのにー。
そういう態度は良くないよ~~。
翔ちゃんの言葉じゃないですけど、そんな態度は自分を悪く見せちゃうだけなのにね。蒼くんだって、いい思いはしないですよね。
でも、参ってる翔ちゃんに萌える( ´艸`)ムププ♪
そしてどっちからも相手にされない亮たんにも萌える(爆)
りり ⇒ か、かわいい…。
ゆっちさん確かに女系家族っぽい。細かなところに気付くし、言葉付きも優しいし。
でもやっぱり最も可愛い大賞は誰にも相手にされずに会話の見えてない亮ちゃん(笑
もう!ホントにかわいいー。犬っころみたいだー。
そして相変わらず他人のことはどうでもよさげなむっちゃんと、乙女なたくらみをひそひそやってるらしいカズちゃん!
みんな相変わらずなのが凄く嬉しかったです。
でもやっぱり最も可愛い大賞は誰にも相手にされずに会話の見えてない亮ちゃん(笑
もう!ホントにかわいいー。犬っころみたいだー。
そして相変わらず他人のことはどうでもよさげなむっちゃんと、乙女なたくらみをひそひそやってるらしいカズちゃん!
みんな相変わらずなのが凄く嬉しかったです。
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
ゆっちさんへの反応、ありがとうございます!
きっとカズちゃんも、ゆっちさんのこんな仕草一つひとつにキュンとなってるんでしょうね(笑)
そして真大さんは相変わらずのご様子です。
ホントはいい子なのよぉ~、みんな嫌いにならないで~! とアップするたびに思ってます。
> そしてどっちからも相手にされない亮たんにも萌える(爆)
亮タンの扱いも、相変わらずです(爆)
コメントありがとうございました!
きっとカズちゃんも、ゆっちさんのこんな仕草一つひとつにキュンとなってるんでしょうね(笑)
そして真大さんは相変わらずのご様子です。
ホントはいい子なのよぉ~、みんな嫌いにならないで~! とアップするたびに思ってます。
> そしてどっちからも相手にされない亮たんにも萌える(爆)
亮タンの扱いも、相変わらずです(爆)
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >りりさん
本人はあんまり意識していないというか、気付いてないけれど、ゆっちさん、女の子に人気ありそうですよね。
無意識にめっちゃ優しいし、スマートだし。
当初は亮タンでなく、彼がヘタレキャラになるはずだったのに、いつの間に…!?
> でもやっぱり最も可愛い大賞は誰にも相手にされずに会話の見えてない亮ちゃん(笑
> もう!ホントにかわいいー。犬っころみたいだー。
亮タンの扱いがあんまりだわ…と思ってたんですが、かわいいとか言ってもらえて、嬉しいです~。
犬っころ、て言い方、何かいいですね。かわいい…vv
コメントありがとうございました!
無意識にめっちゃ優しいし、スマートだし。
当初は亮タンでなく、彼がヘタレキャラになるはずだったのに、いつの間に…!?
> でもやっぱり最も可愛い大賞は誰にも相手にされずに会話の見えてない亮ちゃん(笑
> もう!ホントにかわいいー。犬っころみたいだー。
亮タンの扱いがあんまりだわ…と思ってたんですが、かわいいとか言ってもらえて、嬉しいです~。
犬っころ、て言い方、何かいいですね。かわいい…vv
コメントありがとうございました!