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5月 名前を呼ぶと目で威嚇する。 (6)
2009.03.24 Tue
あぁ、もう、何てことだ!
やっぱり最初から聞かなかったふりで、部屋を出ていってしまえばよかったんだ。
「お前さぁ……俺だからいいようなものの…」
翔真が呆れたような声を出せば、まだぶつけた足が痛いのか、蒼一郎は足をさすりながらようやく体を起こした。
「ショウちゃん~、俺ぇ~」
「あー、もう! いいって! 別に俺、そういうの気になんないし。誰にも言うつもりないから」
心底呆れているのは確かだが、男同士というのを気にならないというのも、蒼一郎と郁雅のことを誰にも言うつもりがないのも本心だ。
「俺の友……知り合いに、男同士で付き合ってる人いるけど、別に変だとも思わないし、キモイとも思わないよ」
「ショウちゃん~!!」
「だからさっさと泣き止んで、鼻かめ!!」
自覚なしにカミングアウトをしてしまっていたショックと、意外にもあっさりと理解を示してくれた翔真に、蒼一郎の涙腺はすっかり壊れてしまったのか、ボタボタと涙を零している……し、鼻水も垂れている。
そばにあったティシューの箱を投げ付けてやれば、蒼一郎は思い切り鼻をかんだ。
「ったく、浮かれた拍子に、他のヤツにまで喋るなよ?」
「気を付けるよー」
まだ鼻をグズグズさせながら、蒼一郎が頭を下げた。
「で、郁とはいつから付き合ってるわけ?」
「えぇ!?」
人のそんな話、興味なんかないほうなんだけど、まぁいろいろとお騒がせされたから、何となくその仕返しに聞いてやる! て、翔真が蒼一郎の顔を覗けば、蒼一郎はひどく困惑した表情をしていた。
「…聞いてどうすんの?」
「どうもしないけど。興味本位。だって郁とは1個違うんだろ? どこで知り合ったのかなーて」
「高校一緒だから。郁が大学入る前から、付き合ってたの」
「へー。え、もしかして郁と一緒にいたくて留年したとか?」
「違う! それは本気で単位が足りなかったから! 出来れば俺は、ずっと先輩面してたかったの!」
蒼一郎は必死で否定するが、そうだとしても、その理由だって、そんなに大きな声で言えるようなものではないと思う。
話だけ聞くと、ずいぶん蒼一郎が郁雅に惚れているようだけれど、わざわざ恋人を追って同じ大学に入学した郁雅だって、十二分に蒼一郎のことが好きなんだろう。
一途同士というわけだ。
「ま、別にお前らの恋路を邪魔するつもりはないけどさ、あーでも次に郁がここに遊びに来たとき、何か意識しちゃいそう…」
「え、ダメ! ショウちゃんがライバルになったら、俺、敵わないかもしれないから!」
「そういう意味の意識じゃねぇよ!」
冗談でボケているのか、本気で言っているのか、蒼一郎の言葉は、いまいち分かりづらい。
でも多分本気だろうな、と翔真は思う。
蒼一郎は、チャラい見た目に反して、真面目でしっかり者だが、どこか抜けている。何が抜けているかといえば、おそらくは頭のネジが1本くらい。
だからこそ、本当のしっかり者である郁雅が放っておけないのかも。
「あ、てかさ、真大は…?」
「え?」
真大が友情からか恋心からかは分からないが、殊に蒼一郎のことを気に入っているのは、今さら確認するまでもないことだ。
彼は蒼一郎と郁雅の関係を知っているのだろうか。
いや、知らないからこそ、あんなに無邪気に、無邪気な振りでそばにいれるのだろう。
「知ってんの? 蒼と郁のこと…」
「言ってないから、知らないかも」
「アイツ、すげぇ蒼のこと気に入ってるじゃん」
「……、そうだね」
やっぱり最初から聞かなかったふりで、部屋を出ていってしまえばよかったんだ。
「お前さぁ……俺だからいいようなものの…」
翔真が呆れたような声を出せば、まだぶつけた足が痛いのか、蒼一郎は足をさすりながらようやく体を起こした。
「ショウちゃん~、俺ぇ~」
「あー、もう! いいって! 別に俺、そういうの気になんないし。誰にも言うつもりないから」
心底呆れているのは確かだが、男同士というのを気にならないというのも、蒼一郎と郁雅のことを誰にも言うつもりがないのも本心だ。
「俺の友……知り合いに、男同士で付き合ってる人いるけど、別に変だとも思わないし、キモイとも思わないよ」
「ショウちゃん~!!」
「だからさっさと泣き止んで、鼻かめ!!」
自覚なしにカミングアウトをしてしまっていたショックと、意外にもあっさりと理解を示してくれた翔真に、蒼一郎の涙腺はすっかり壊れてしまったのか、ボタボタと涙を零している……し、鼻水も垂れている。
そばにあったティシューの箱を投げ付けてやれば、蒼一郎は思い切り鼻をかんだ。
「ったく、浮かれた拍子に、他のヤツにまで喋るなよ?」
「気を付けるよー」
まだ鼻をグズグズさせながら、蒼一郎が頭を下げた。
「で、郁とはいつから付き合ってるわけ?」
「えぇ!?」
人のそんな話、興味なんかないほうなんだけど、まぁいろいろとお騒がせされたから、何となくその仕返しに聞いてやる! て、翔真が蒼一郎の顔を覗けば、蒼一郎はひどく困惑した表情をしていた。
「…聞いてどうすんの?」
「どうもしないけど。興味本位。だって郁とは1個違うんだろ? どこで知り合ったのかなーて」
「高校一緒だから。郁が大学入る前から、付き合ってたの」
「へー。え、もしかして郁と一緒にいたくて留年したとか?」
「違う! それは本気で単位が足りなかったから! 出来れば俺は、ずっと先輩面してたかったの!」
蒼一郎は必死で否定するが、そうだとしても、その理由だって、そんなに大きな声で言えるようなものではないと思う。
話だけ聞くと、ずいぶん蒼一郎が郁雅に惚れているようだけれど、わざわざ恋人を追って同じ大学に入学した郁雅だって、十二分に蒼一郎のことが好きなんだろう。
一途同士というわけだ。
「ま、別にお前らの恋路を邪魔するつもりはないけどさ、あーでも次に郁がここに遊びに来たとき、何か意識しちゃいそう…」
「え、ダメ! ショウちゃんがライバルになったら、俺、敵わないかもしれないから!」
「そういう意味の意識じゃねぇよ!」
冗談でボケているのか、本気で言っているのか、蒼一郎の言葉は、いまいち分かりづらい。
でも多分本気だろうな、と翔真は思う。
蒼一郎は、チャラい見た目に反して、真面目でしっかり者だが、どこか抜けている。何が抜けているかといえば、おそらくは頭のネジが1本くらい。
だからこそ、本当のしっかり者である郁雅が放っておけないのかも。
「あ、てかさ、真大は…?」
「え?」
真大が友情からか恋心からかは分からないが、殊に蒼一郎のことを気に入っているのは、今さら確認するまでもないことだ。
彼は蒼一郎と郁雅の関係を知っているのだろうか。
いや、知らないからこそ、あんなに無邪気に、無邪気な振りでそばにいれるのだろう。
「知ってんの? 蒼と郁のこと…」
「言ってないから、知らないかも」
「アイツ、すげぇ蒼のこと気に入ってるじゃん」
「……、そうだね」
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ ネジが一本って!
翔ちゃんらしい冷静さが戻って来たww
蒼ちゃん可愛いなぁ~思いっきりワンコですよね( ´艸`)ムププ♪
懐かれちゃったら放っておけなくなるよ~w
そっか、高校からのお付き合い・・・結構長いですね?
そして未だにラブラブのようで♪
天然な蒼ちゃんもマヒロたんの自分を慕う想いには気付いてるのかしら?
何気に複雑な・・・(´∀`;)
あっちもこっちも、この先どうなるのかしら?めっちゃハラハラしますww
蒼ちゃん可愛いなぁ~思いっきりワンコですよね( ´艸`)ムププ♪
懐かれちゃったら放っておけなくなるよ~w
そっか、高校からのお付き合い・・・結構長いですね?
そして未だにラブラブのようで♪
天然な蒼ちゃんもマヒロたんの自分を慕う想いには気付いてるのかしら?
何気に複雑な・・・(´∀`;)
あっちもこっちも、この先どうなるのかしら?めっちゃハラハラしますww
伽羅 ⇒ わっはっは
私も柚子季ねぇと同じところで笑った!!
いますよねっ!
ネジが1本外れてる人!!(爆)
私の近くにも1人そういう人がいて、
良く外れたネジを探してます!わっはっは(マジで!!)
真大くん・・・かわいそ・・・(泣)
やっぱ、気付いちゃいますよね・・・
いますよねっ!
ネジが1本外れてる人!!(爆)
私の近くにも1人そういう人がいて、
良く外れたネジを探してます!わっはっは(マジで!!)
真大くん・・・かわいそ・・・(泣)
やっぱ、気付いちゃいますよね・・・
- |2009.03.24
- |Tue
- |09:22
- |URL
- |EDIT|
りり ⇒ 蒼ちゃん!
> 「え、ダメ! ショウちゃんがライバルになったら、俺、敵わないかもしれないから!」
> 「そういう意味の意識じゃねぇよ!」
もうこの会話が可笑しくて!
可愛いなあ蒼ちゃん…ホントに如月さまのとこのボーイズの可愛さのバリエーションの多さは何?
どうして可愛い男をこんなに書き分けられるの…。
蒼ちゃんのこと、真大ちゃんも好きなのかな。
それがどこをどうしたら翔ちゃんと…?
楽しみすぎます!!
> 「そういう意味の意識じゃねぇよ!」
もうこの会話が可笑しくて!
可愛いなあ蒼ちゃん…ホントに如月さまのとこのボーイズの可愛さのバリエーションの多さは何?
どうして可愛い男をこんなに書き分けられるの…。
蒼ちゃんのこと、真大ちゃんも好きなのかな。
それがどこをどうしたら翔ちゃんと…?
楽しみすぎます!!
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
ワンコ蒼ちゃん、誰にでもすぐ懐いちゃいそうですよね。
そういう意味でも、郁タンは常にハラハラ・ヒヤヒヤしてるかも。。。
> 天然な蒼ちゃんもマヒロたんの自分を慕う想いには気付いてるのかしら?
真大さんも、かなーりオープンに自分の気持ちを表してるんですけどね。
蒼ちゃん…(´∀`;)
この先、まだまだ長いですが、どうぞお付き合いくださいませ。
コメントありがとうございました!
そういう意味でも、郁タンは常にハラハラ・ヒヤヒヤしてるかも。。。
> 天然な蒼ちゃんもマヒロたんの自分を慕う想いには気付いてるのかしら?
真大さんも、かなーりオープンに自分の気持ちを表してるんですけどね。
蒼ちゃん…(´∀`;)
この先、まだまだ長いですが、どうぞお付き合いくださいませ。
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >伽羅さん
うひゃ、ありがとうございます!
こんなにウケてもらえるなんて、想像以上でございます!!
> 私の近くにも1人そういう人がいて、
> 良く外れたネジを探してます!わっはっは(マジで!!)
身近にいると、笑うに笑えないときがありますよね。
でも何だか和めそうvv
真大さんも何気に悪い子ってだけじゃないんですよぉ。
どうか応援してあげてくださいね。
コメントありがとうございました!
こんなにウケてもらえるなんて、想像以上でございます!!
> 私の近くにも1人そういう人がいて、
> 良く外れたネジを探してます!わっはっは(マジで!!)
身近にいると、笑うに笑えないときがありますよね。
でも何だか和めそうvv
真大さんも何気に悪い子ってだけじゃないんですよぉ。
どうか応援してあげてくださいね。
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >りりさん
会話の細かい部分にまで気付いてもらえて、何だかすごーく嬉しいです~。
自分ではそんなにバリエーションがあるとは思っていないんですが、何せ書いている私が、かわいい男が大好物なんでね、ついついいろいろ書いてしまうのかも…。
その代わり、大人の男はまるで書けないんですよ~(泣)
蒼ちゃんと郁タンが付き合ってて、真大タンは……て、どんどん人間関係が複雑になっていきますが、どうか付いて来てください~!!
コメントありがとうございました!
自分ではそんなにバリエーションがあるとは思っていないんですが、何せ書いている私が、かわいい男が大好物なんでね、ついついいろいろ書いてしまうのかも…。
その代わり、大人の男はまるで書けないんですよ~(泣)
蒼ちゃんと郁タンが付き合ってて、真大タンは……て、どんどん人間関係が複雑になっていきますが、どうか付いて来てください~!!
コメントありがとうございました!