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5月 名前を呼ぶと目で威嚇する。 (2)
2009.03.20 Fri
「お前さぁ、そんなに蒼のこと好きなの?」
「なっ…、そんなのアンタになんか関係ないだろ!」
突っ掛かるつもりはなかったが、いつもなら翔真の顔を見ればさっさと部屋を出て行ってしまう真大が、今日はいつまでも帰らないし、蒼一郎の不在に、あからさまにガッカリした顔をするから、日ごろの鬱積した思いが、溢れそうになっていた。
「分かりやすいね。大好きな蒼ちゃんが、俺と一緒の部屋なのが気に入らないんだ?」
わざと挑発するような言い方をすれば、真大は悔しそうに唇を噛んだ。
本当に分かりやすい。
「もしかして俺が蒼と何かしてるんじゃないかって、お前、それでしょっちゅうここに来るわけ?」
「ッ…、何かしてんのかよっ」
「さぁね。教えなーい」
実際のところ、蒼一郎とは何もない。
身近に2組の男同士のカップルがいるし、男同士ということに偏見はないけれど、翔真自身、男を恋愛対象としては見れないし、もちろん蒼一郎のこともそんなふうに思ったことなどない。
真大が"そういう意味"で蒼一郎のことを好きなのかは分かりかねたが、いつもと違って自分の一言一言にいちいち反応する真大を嘲弄したいような気持ちになっていたのは確かだ。
人のことを言えない。
自分だって、十分タチの悪い気質をしていると、翔真は思った。
「何かしてたとしても、それこそお前になんか関係なくね?」
わけも分からず嫌われているなら、別に好かれたいとも思わないし、いっそもっと嫌われるようにでも仕向けてみようか。
どんな反応をするんだろう。
すごく嫌な感じで翔真が鼻で笑えば、真大は抑えきれない怒りに肩を震わせた。
痛いくらいに握り締めたこぶし。
「うっさい! アンタはまた俺の大事なものをっ…!」
「え? ――――イテッ!」
怒りに任せた真大のセリフに、どういうことかと翔真が眉を寄せた次の瞬間、真大は持っていた荷物を思い切り翔真に投げ付けた。
いきなりのことに、まるで身構えていなかった翔真は、それをキャッチすることも出来ず、腹にぶつけて床に落っことしてしまった。
「ちょっ、おいっ!」
そして真大は呼び止める翔真の声を無視して、そのまま部屋を飛び出していった。
(ヤベ…からかい過ぎた…?)
やっぱり、好きとか嫌いとか、そういった人の感情をからかうのって、よくないと思う。
さっきはつい感情のまま、いろいろと言ってしまったけれど、これでは真大を傷付けただけでなく、蒼一郎にだって悪い。
いや、でも普段、わけも分からず嫌われて、嫌な思いをしているのはこちらだ。このくらいのことし返したって…………でも。
「はぁ…」
溜め息交じりに真大が投げ付けていった包みを拾い上げると、翔真はその溜め息の意味を考えるのも嫌で、ベッドに転がった。
「なっ…、そんなのアンタになんか関係ないだろ!」
突っ掛かるつもりはなかったが、いつもなら翔真の顔を見ればさっさと部屋を出て行ってしまう真大が、今日はいつまでも帰らないし、蒼一郎の不在に、あからさまにガッカリした顔をするから、日ごろの鬱積した思いが、溢れそうになっていた。
「分かりやすいね。大好きな蒼ちゃんが、俺と一緒の部屋なのが気に入らないんだ?」
わざと挑発するような言い方をすれば、真大は悔しそうに唇を噛んだ。
本当に分かりやすい。
「もしかして俺が蒼と何かしてるんじゃないかって、お前、それでしょっちゅうここに来るわけ?」
「ッ…、何かしてんのかよっ」
「さぁね。教えなーい」
実際のところ、蒼一郎とは何もない。
身近に2組の男同士のカップルがいるし、男同士ということに偏見はないけれど、翔真自身、男を恋愛対象としては見れないし、もちろん蒼一郎のこともそんなふうに思ったことなどない。
真大が"そういう意味"で蒼一郎のことを好きなのかは分かりかねたが、いつもと違って自分の一言一言にいちいち反応する真大を嘲弄したいような気持ちになっていたのは確かだ。
人のことを言えない。
自分だって、十分タチの悪い気質をしていると、翔真は思った。
「何かしてたとしても、それこそお前になんか関係なくね?」
わけも分からず嫌われているなら、別に好かれたいとも思わないし、いっそもっと嫌われるようにでも仕向けてみようか。
どんな反応をするんだろう。
すごく嫌な感じで翔真が鼻で笑えば、真大は抑えきれない怒りに肩を震わせた。
痛いくらいに握り締めたこぶし。
「うっさい! アンタはまた俺の大事なものをっ…!」
「え? ――――イテッ!」
怒りに任せた真大のセリフに、どういうことかと翔真が眉を寄せた次の瞬間、真大は持っていた荷物を思い切り翔真に投げ付けた。
いきなりのことに、まるで身構えていなかった翔真は、それをキャッチすることも出来ず、腹にぶつけて床に落っことしてしまった。
「ちょっ、おいっ!」
そして真大は呼び止める翔真の声を無視して、そのまま部屋を飛び出していった。
(ヤベ…からかい過ぎた…?)
やっぱり、好きとか嫌いとか、そういった人の感情をからかうのって、よくないと思う。
さっきはつい感情のまま、いろいろと言ってしまったけれど、これでは真大を傷付けただけでなく、蒼一郎にだって悪い。
いや、でも普段、わけも分からず嫌われて、嫌な思いをしているのはこちらだ。このくらいのことし返したって…………でも。
「はぁ…」
溜め息交じりに真大が投げ付けていった包みを拾い上げると、翔真はその溜め息の意味を考えるのも嫌で、ベッドに転がった。
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ あらら~~
なんだろ・・・過去にマヒロたんの好きな人が翔ちゃんに惚れちゃったとか?
んーー。
翔ちゃんたら、何か可愛いぞww
余計に自分が落ち込んじゃって(´∀`;)
最初から言わなきゃいいのに~~。
あぁ、世間は3連休ですね…いいなぁ。
んーー。
翔ちゃんたら、何か可愛いぞww
余計に自分が落ち込んじゃって(´∀`;)
最初から言わなきゃいいのに~~。
あぁ、世間は3連休ですね…いいなぁ。
伽羅 ⇒ あ~~~~っ!!
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
ようやく真大タンが翔ちゃんを嫌う理由が、ほんのすこーしだけ見えてきましたでしょうか。
でも、自分で言ってて落ち込んじゃってる翔ちゃん……真大タン相手には、つい本音が出ちゃう、て感じで(笑)
> あぁ、世間は3連休ですね…いいなぁ。
私も休みのはずなのに、なぜか今日は朝から会議でした~。
疲れた…。
コメントありがとうございました!
でも、自分で言ってて落ち込んじゃってる翔ちゃん……真大タン相手には、つい本音が出ちゃう、て感じで(笑)
> あぁ、世間は3連休ですね…いいなぁ。
私も休みのはずなのに、なぜか今日は朝から会議でした~。
疲れた…。
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ Re: あ~~~~っ!!
> 出たよ!! ホロっと!!
> 出ましたよね?(笑)
はい、出ました~!!
ようやくちょこっとだけ、真大タンの本音が出ました!
でも却って、みなさんのモヤモヤ度が増しただけ??
すみません~!
コメントありがとうございました!
> 出ましたよね?(笑)
はい、出ました~!!
ようやくちょこっとだけ、真大タンの本音が出ました!
でも却って、みなさんのモヤモヤ度が増しただけ??
すみません~!
コメントありがとうございました!